

歌詞を漫画に使いたいのに、著作権申請せず無断掲載すると最大1,000万円の罰金リスクがあります。
TOMORROW X TOGETHER(通称TXT)の「ひとつの誓い(We'll Never Change)」は、2024年7月3日にリリースされた日本4thシングル「誓い(CHIKAI)」のタイトル曲です。作詞にはSlow Rabbit、"hitman"bang、大橋ちっぽけ、Jordan Shaw、STEVEN LEEなど国際色豊かなクリエイター陣が参加しており、日本語歌詞の繊細な語感は大橋ちっぽけによる貢献が特に注目されています。
歌詞の冒頭「例えば僕たちが あらゆることを同じように感じて生きていたら きっとこれほどまで Ah 愛せなかった」というフレーズが示すように、この曲は「違いがあるからこそ深く愛せる」という逆説的なテーマを持っています。全体を通じてキーワードとなるのは「誓い」「色褪せない」「染まり合う」「補い合う」「We'll never change」といった言葉です。これが基本です。
楽曲のサビには「遠く離れても 歳をとっても ひとつの誓い We're never we're never we're never changing」という核心的なフレーズが繰り返されます。TXTのメンバー自身は「僕たちはお互いに違うし変わっていくが、『永遠に一緒にいる』ということだけは変わらないようにしよう、という誓いが込められた曲」と語っており、この誓いはファン(MOA)との約束でもあると明言しています。
歌詞の全構成はAメロ・プレコーラス・サビ・ポストコーラスというシンプルな構成ですが、2番のAメロに登場する「僕たちの『違い』は『間違い』じゃないんだ」という一文が、楽曲全体のメッセージを最も凝縮したフレーズとして多くのリスナーの心を動かしています。つまり「違い」こそが愛の深さを生む原動力という構造です。
【uta-net】TOMORROW X TOGETHER「ひとつの誓い (We'll Never Change)」公式歌詞ページ
「染まり合うような 補い合うような 愛は煌めき」というサビのフレーズは、心理学で言う「相補性の法則(complementarity)」を音楽的に表現したものです。相補性の法則とは、自分に持っていないものを持つ相手に引き寄せられる現象で、正反対の性質を持つ者同士が互いの存在によって成長するという考え方です。意外ですね。
TXTはこの概念をアルバムアートワークの「補色」という視覚的な手法でも表現しています。楽曲「Blue Orangeade」では「僕たちは正反対なんだ まるでBlue Orangeadeのように」と歌い、青とオレンジという補色関係で2人の関係性を表現しています。色相環で正反対に位置する青とオレンジを混ぜ合わせるとパステルブラウンになり、これがTXTのアルバム「minisode:TOMORROW」のロゴカラーに一致するという仕掛けが施されています。
漫画を描きたい人にとって、このアプローチは非常に応用しやすい設計思想です。たとえば「熱血主人公×冷静な参謀」「陽キャ×陰キャ」「楽観主義者×現実主義者」といった組み合わせはまさに補色的な関係性であり、「ひとつの誓い」の歌詞が示す「違いがあるからこそ共鳴し合える」という構造を直接キャラクター設計に取り込むことができます。これは使えそうです。
さらに歌詞の「あなたが教えてくれた色が彩る my life」というフレーズは、相手の存在によって自分の世界が鮮やかになるという感覚を描いています。漫画で言えば、主人公がある人物との出会いをきっかけに自分の価値観を更新していく成長物語のモチーフとして、この歌詞のテーマはそのまま使えます。「違いは間違いじゃない」というメッセージを軸にしたストーリー展開は、読者の共感を呼びやすい普遍的なテーマです。
【note】TXT「ひとつの誓い」考察・解釈とTXT作品における補色についての詳細分析
漫画のセリフに好きな曲の歌詞をそのまま書き込む行為は、著作権法上で複数の権利が絡む複雑な問題をはらんでいます。知らないとリスクがあります。
まず「うた漫画」と呼ばれる、歌詞をベースに漫画を描く行為は著作権法第27条の「翻案権」に抵触する可能性があります。翻案権とは原著作物を改変して新たな著作物を作る権利で、歌詞という著作物を漫画という別の形式に変換することが「改変」にあたります。さらに、その漫画をSNSや動画サイトに投稿すれば複製権(第21条)と公衆送信権(第23条)の問題も発生します。
著作権侵害が認定された場合の罰則は、著作権法第119条に基づき「10年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方」が定められています。10万円でも100万円でもなく、最大で1,000万円の罰金という重い内容です。これは角川書店などの出版社が運営者に損害賠償を求めた「漫画村」事件でも実際に適用された規定で、決して他人事ではありません。
ただし、現実的な観点で言えば、著作権侵害は「親告罪」、つまり権利者本人が告訴しない限り刑事手続きは始まりません。うた漫画のような非商業的な二次創作に対して著作権者が積極的に告訴するケースは少ないのが現状です。とはいえ「バレなければOK」という姿勢での制作は、作品への信頼を損なうリスクもあります。創作者として正しい理解を持つことが基本です。
【著作権ネタ】好きな曲の歌詞を漫画にして投稿したい!と思ったときに考える著作権についての詳しい解説
「ひとつの誓い」のような楽曲の歌詞を同人誌や漫画作品に掲載したい場合、JASRACへの申請が最も現実的な合法的手段です。申請の流れは思っていたよりずっとシンプルです。これが条件です。
気になる費用についても整理しておきましょう。頒布価格500円で300部刷った同人誌に歌詞を4曲分掲載した場合、使用料の合計は約4,536円(税込)だったという実例があります。書籍への歌詞掲載は印刷部数500部以下であれば1曲1,050円が目安です。1,000部刷っても1曲1,200円、2,500部でも1,300円という価格設定です。想像よりずっとリーズナブルですね。
なお、JASRACへの申請で許諾されるのは「歌詞をそのまま掲載する」ことのみで、替え歌や歌詞の改変は別途作詞者または音楽出版社への許諾が必要となります。また、紙の同人誌の申請と電子書籍配信の申請は別窓口「J-TAKT」から行うので、電子販売を予定している場合は注意が必要です。
【note】JASRACの許可を取って同人誌に歌詞を使う手順と費用の詳細まとめ
ここでは検索上位にはあまり見られない切り口として、「ひとつの誓い」の歌詞フレーズを漫画の感情描写テクニックとして直接応用する方法を紹介します。
「名前がわからない感情と向き合う時 そばにはいつもあなたがいた」というフレーズに注目してみてください。この「名前のわからない感情」という表現は、言語化できないほど深い感情の揺れを描写しています。漫画でキャラクターが何かに強く動かされているシーンを描く際、モノローグに「名前のない感情」という概念を使うと、読者が自分の経験と重ねやすくなります。言語化しない余白が感情移入を生むということです。
「あの名画のように 何度も 何度も」というフレーズも興味深いです。何度読み返しても色褪せない「名画」のような関係性という比喩は、漫画のコマ割りや繰り返し登場するモチーフの設計に応用できます。たとえば同じ構図のコマを作中に複数回登場させ、1回目と最終回で読者の解釈が変わるという演出は、まさにこの「名画性」を取り込んだ構成です。
さらに補色の概念を視覚表現に取り込む方法も注目に値します。TXTが青とオレンジを2キャラクターのシンボルカラーとして使ったように、あなたの漫画でも対照的な2キャラクターにそれぞれの補色を割り当てることで、言葉を使わずに関係性を伝えられます。青×オレンジ、赤×緑、紫×黄などの補色ペアは色相環上で180度対称に位置し、互いを最も鮮やかに引き立て合う組み合わせです。キャラクターを補色で設計するということです。
「遠く離れても 歳をとっても ひとつの誓い」というサビは、漫画の時間軸の扱い方へのヒントにもなります。長い時間軸を描く際に、距離や年月を超えた「変わらないもの」を軸にすると、読者は作品を通して一本の感情の糸を追えます。回想シーンや時間を飛ばした構成の場合も、キャラクターが持ち続けた「誓い」がその接着剤の役割を果たします。まとめると、歌詞の構造そのものが物語設計の教科書です。
| 歌詞フレーズ | 漫画への応用テクニック |
|---|---|
| 「名前がわからない感情」 | モノローグで言語化しない余白を作る |
| 「あの名画のように」 | 同一構図を複数回登場させ意味を変える演出 |
| 「染まり合う・補い合う」 | キャラクターの補色設計で関係性を視覚化 |
| 「遠く離れても変わらない誓い」 | 長期時間軸の物語に「変わらないもの」を軸として設置 |
| 「違いは間違いじゃない」 | 対照的な2人の成長を軸とするストーリー設計 |
【歌bank】TXT「We'll Never Change」歌詞和訳と意味考察(愛の普遍性・相補性の解説)