擬音語擬態語違いは?漫画表現の使い分けとその効果

擬音語擬態語違いは?漫画表現の使い分けとその効果

漫画を描くとき、擬音語と擬態語の違いを知っていますか?音の有無で判断できるこの二つの表現を正しく使い分けると、作品の臨場感が劇的に変わるんです。あなたは正しく使い分けられていますか?

擬音語と擬態語の違い

この記事で分かること
🔊
擬音語と擬態語の見分け方

音が実際に聞こえるかどうかで判断する方法をマスター

✏️
漫画での効果的な使い方

表記の違いと表現力を高めるテクニック

📖
実践的な使い分けのコツ

初心者でもすぐに活用できる分類方法

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擬音語とは実際に聞こえる音を表す表現

擬音語は、耳に実際に聞こえる音や声を言葉で表現したものなんです。たとえば、犬が「ワンワン」と鳴く声や、ドアを「ドンドン」と叩く音などが該当します。
参考)「擬音語」「擬態語」の違いは?差がつくテクニックとダメな使い…

擬音語にはさらに細かい分類があって、人間や動物の声を表す「擬声語」と、自然界の音や物音を表す「擬音語」に分けられることもあるんですよ。たとえば、猫が「ニャー」と鳴くのは擬声語、雷が「ゴロゴロ」鳴るのは擬音語という具合です。
参考)コラム - 日本語1 - 日本語を楽しもう!擬音語って?擬態…

擬音語の特徴として、1つの音に対して複数の表現ができる場合があります。猫の鳴き声なら「ニャーニャー」「ニャーン」「ニャオーン」など、表現する人によってバリエーションが生まれるんです。​

擬態語とは音のない状態や様子を表現する言葉

擬態語は、実際には音として聞こえない状態や様子を音声化して表す語のことです。「キラキラ」光る星や、「ドキドキ」する心臓の音などが典型的な例ですね。
参考)オノマトペの効果や使い方は? 擬音語・擬態語で文章を伝わりや…

擬態語はさらに詳しく分けると、無生物の状態を表す「擬態語」、生物の状態を表す「擬容語」、そして人の心理状態や感覚を表す「擬情語」の3つに分類できるんです。たとえば「きらきら」は擬態語、「うろうろ」は擬容語、「いらいら」は擬情語になります。​
日本語の特徴として、この擬態語の種類が非常に多いことが知られているんです。視覚や触覚からの情報を言葉にするため、表現のバリエーションが豊富になるんですよ。​

擬音語と擬態語の見分け方のポイント

見分け方のコツは、「実際に音がしているかどうか」を考えることなんです。音が実際に聞こえる場合は擬音語、聞こえない場合は擬態語と判断できます。
参考)~擬音語と擬態語の違い~

具体的な見分け方として、以下のような判断基準があります。

 

  • 「ワンワン」→ 犬が実際に鳴いているので擬音語​
  • 「ドンドン」→ ドアを叩く実際の音なので擬音語​
  • 「サラサラ」→ ペンで書いても実際には聞こえないので擬態語​
  • 「キラキラ」→ 星は光っているが音は出していないので擬態語​

ただし注意が必要なのは、同じ言葉でも使い方によって分類が変わることがあるんです。「ゴロゴロ」は、猫がのどを鳴らす場合は擬声語、雷が鳴る場合は擬音語、丸太が転がる様子なら擬態語になります。​

擬音語と擬態語の漫画での効果的な使い分け

漫画では擬音語・擬態語を使うことで、臨場感が出て「ドラマ効果」が高まるんです。イラストとセリフだけでなく、状況や感情を表すオノマトペが加わることで、読者は漫画の世界をよりリアルにイメージできるようになります。
参考)マンガで使われる「シーン」や「ガーン」など擬音語・擬態語の効…

漫画におけるオノマトペは、「吹き出しなどで文章の一部として使われている」場合と、「吹き出しの外で描き文字として単体で使われている」場合に大きく二分できるんです。後者の場合は、絵で表されている状況や動作を描写するため単体で使用され、他のジャンルとは大きく異なる特徴があります。
参考)http://jaits.jpn.org/home/kaishi2010/pdf/10_Inose.pdf

表記方法についても工夫が必要で、静かな場面では小さく細い字で、大きい音や激しい感情を表すには大きく太い字で表現されることが多いんですよ。この表現方法によって、静止しているはずの漫画が生き生きと動きのあるものになります。
参考)国際交流基金 - 授業のヒント マンガでオノマトペ(擬音語・…

国立国語研究所による言語データベースを紹介するページでは、擬音語・擬態語の種類や実例を詳しく解説しています。

 

国立国語研究所 - 擬音語・擬態語の種類について

擬音語と擬態語の表記ルールと実際の使われ方

一般的なルールとして、擬音語はカタカナで表わし、擬態語はひらがなで表わすという基準が示されているんです。ただし、このルールは「なるべくカタカナで書くがひらがなで書いても良い」など、両方の表記を認めていることから、あくまでも目安にとどまります。
参考)ひらがな・カタカナでどう違う? オノマトペの表記の違いを説明…

実際の使われ方を見ると、音を写したオノマトペにはカタカナ表記が使われる傾向があるんです。書き言葉均衡コーパスのデータでは、「きらきら」426件に対して「キラキラ」531件、「ぴかぴか」131件に対して「ピカピカ」276件と、カタカナ表記の方が多く使われています。
参考)https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/kokugo_kadai/iinkai_47/pdf/93622101_03.pdf

表記の使い分けには、強調するなどの効果を意図して使用する場合もあります。実際には音がない擬態語でも、カタカナで表記することで視覚的なインパクトを強めることができるんですよ。
参考)かたかなと擬態語

文化庁の国語施策に関する資料では、擬音語・擬声語の表記について具体的なガイドラインが示されています。

 

文化庁 - 国語の課題と国語科教育