

550円の100均ターンテーブルでは、単3電池1本が約1年間持つので電池交換の手間はほぼゼロです。
漫画を描くとき、人物のポーズや立体的なアングルを正確に把握するために「参考資料」は欠かせません。しかし、手持ちのデッサン人形やフィギュアを様々な角度から撮影しようとすると、台を何度も持ち上げて向きを変え、その都度カメラを構え直す必要があります。これが思った以上に時間と手間を取られる作業です。
電動ターンテーブルがあれば、対象物を台に乗せてスタートボタンを押すだけで自動的に360度回転してくれます。そのまま連写すれば、あらゆる角度の写真が数十秒で揃います。つまり参考撮影の時間が大幅に短縮できるということです。
漫画やイラストを描く作業において、「参考を探す・撮る」という準備工程は意外に多くの時間を消費します。電動回転台を使えば、1体のデッサン人形やフィギュアから12方向・24方向といった細かい角度のショットを素早く収集できます。これは手動で1枚ずつ撮るより約5〜10倍速い作業スピードになります。
さらに、電動ターンテーブルに乗せた状態でスマートフォンを固定し、動画で回転撮影を行うという使い方もあります。動画をコマ送りにすれば、止めたい角度の静止画をいつでも切り出せます。これは使えそうです。
| 撮影方法 | 角度10パターン分にかかる目安時間 |
|---|---|
| 手動で台を持ち替えながら撮影 | 約5〜10分 |
| 電動ターンテーブルで回転しながら連写 | 約30〜60秒 |
ダイソーやキャンドゥ、ワッツといった100均ショップでは、「推し様に乗っていただく回転台」「ソーラー式回転台」という名称で電動ターンテーブルが税込550円で販売されています。価格を考えると驚くほどコストパフォーマンスが高い製品です。
スペックは以下の通りです。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 価格 | 税込550円 |
| 直径(テーブル部分) | 約9cm(名刺を1〜2枚並べた程度) |
| 耐荷重 | 約500g(文庫本1冊分程度) |
| 電源 | ソーラー式+単3電池1本(別売) |
| 回転方向 | 手で押した方向に合わせて切り替え可 |
| 電池の持ち | 実績値で単3充電池1本が約1年間 |
漫画制作への向き・不向きを整理すると、軽量のデッサン人形(木製・プラスチック製で100〜300g程度)や小型のアクリルフィギュアを乗せる用途には十分対応できます。重さが500gを超えるスケールフィギュアやガンプラの大型モデルでは途中で回転が止まるケースがあるため、注意が必要です。
部屋の照明の下ではソーラーだけで止まりやすく、実際のレビューでも「電池なしだとガンプラ1体で止まった」という報告があります。漫画制作用に安定した回転を求めるなら、単3電池を入れて使うのが基本です。
また、電池を入れると「止めたいときに止められない」という点も特徴の一つです。回転を止めたい場合は電池を抜く必要があります。撮影中に一時停止したい場面もあるため、これは少し不便に感じることがあります。
それでも、550円でこれだけ使えるなら問題ありません。まずは試したい人にとっての最初の一択はこれです。
参考:100均「推し様に乗っていただく回転台」の長期使用レビュー(電池の持ち・動作音・使い勝手を詳しく紹介)
100均で550円の「推し様に乗っていただく回転台」買ってみた|はてなブログ
100均モデルで物足りなさを感じてきたら、次のステップとして本格的な電動ターンテーブルへの買い替えを検討しましょう。選び方のポイントは「耐荷重」「テーブル直径」「電源方式」の3つに絞ると失敗が少なくなります。
耐荷重で選ぶ
漫画やイラストの参考にするデッサン人形の重さは、木製で約100〜300g、コトブキヤなどのプラスチック製可動フィギュア(ボディくん・ボディちゃんなど)で約100〜200g程度です。一般的なプライズフィギュアは250〜500g、スケールフィギュアになると600g〜2kgを超えることもあります。載せたいものの重さに対して余裕のある耐荷重の製品を選ぶことが大切です。目安として耐荷重が2〜5kgあれば、ほとんどの参考資料素材をカバーできます。
テーブル直径で選ぶ
直径9cmの100均モデルはデッサン人形には十分でも、複数体並べたり衣装を着せたりするとはみ出します。直径15〜20cmであれば、一般的なフィギュアやデッサン人形を安定して乗せられます。
電源方式で選ぶ
乾電池式は設置場所を選ばない自由度が魅力ですが、電池交換の手間が生じます。USB給電式はパソコンのUSBポートやモバイルバッテリーから給電でき、コードさえ届けばランニングコストがほぼゼロになります。撮影机の近くにコンセントやUSBポートがある環境なら、USB給電タイプが最もストレスなく使えます。
おすすめの選び方として、「500円〜1,500円台の予算なら100均」「2,000〜3,000円台の予算ならMcbazelやコンパクトUSBタイプ」「5,000円以上の予算ならGSIクレオス Mr.ターンテーブルLやサンワダイレクト製品」という3段階が目安になります。これが条件です。
参考:フィギュアコレクター視点での電動ターンテーブル各製品の比較(スペック・電源・耐荷重を詳しく掲載)
フィギュアコレクターの電動ターンテーブル(回転台)選び|note
電動ターンテーブルを手に入れただけでは、参考資料の撮影効率はまだ半分しか上がっていません。ここでは、漫画を描く目的に絞ったセッティングのポイントを紹介します。
背景をシンプルにする
参考写真は後から見返すものなので、背景が散らかっていると輪郭が見づらくなります。ターンテーブルの後ろに白い画用紙や黒いボードを立てるだけで、細部の確認が一気にしやすくなります。A3サイズの白い画用紙(100均で購入可)を壁に立て掛けるだけで十分です。
光源を固定する
回転中に光の当たり方が変わると、影が動いてしまいます。漫画の影の参考にするときは特に注意が必要です。デスクライトを斜め前方45度に1灯固定し、それだけで撮影することで、影の向きが統一された参考写真が撮れます。
スマートフォンスタンドと組み合わせる
三脚やスマートフォンスタンドでカメラ位置を固定したうえでターンテーブルを回すと、構図がブレずに連写できます。100均で買えるスマートフォンスタンドは高さ・角度が調整できるものが多く、俯瞰(ふかん)アングルや水平アングルに対応できます。
撮影角度は「8方向」が最低ライン
正面・右45度・真横・右後ろ45度・背面・左後ろ45度・真横(左)・左前45度の8方向が揃えば、どのコマを描くときも参考写真を参照できます。電動ターンテーブルで1周させながら連写すれば、自然とこれ以上の枚数が取れます。俯瞰・アオリの角度も撮っておくとより便利です。
撮影後の管理もセットで考える
参考写真は枚数が増えるほど探すのが面倒になります。フォルダをポーズ別・キャラクター別に分けて整理する習慣をつけると、描いている途中でもすぐに参照できて時間のロスを防げます。Googleフォトのアルバム機能やClip Studio Paintのフォトライブラリへの読み込み機能を活用するのが一つの方法です。
100均の550円モデルをすでに使っていて、もう少し本格的なものが欲しくなってきた方のために、予算感と目的別にモデルを整理します。漫画制作に特化した視点でポイントを絞りました。
| 製品名(メーカー) | 直径 | 耐荷重 | 電源 | 漫画制作向けポイント | 参考価格 |
|---|---|---|---|---|---|
| 100均ソーラー回転台(ダイソー・キャンドゥ) | 約9cm | 約500g | ソーラー+単3電池×1 | 軽量デッサン人形・小型フィギュア向け。まず試す1台 | 550円 |
| Mcbazel 電動ターンテーブル | 約14.5cm | 約10kg | USB/バッテリー | 重めのフィギュアも安定。USB給電で撮影中に止まらない | 1,500〜2,500円 |
| Mr.ターンテーブルL(GSIクレオス) | 約18.9cm | 約2kg | 単3電池×3 | 鏡面で足元まで見える。ホビーメーカー製で安定感が高い | 2,000〜3,000円 |
| サンワダイレクト 電動ターンテーブル(200-DGCAM046) | 約25cm | 約10kg | USB Type-C+単3電池×3 | 大判の背景パーツ付属。撮影用に設計されたモデル | 3,000〜5,000円 |
漫画を描くための参考撮影という目的なら、Mcbazelのような「USB給電・耐荷重3〜10kg・直径15cm前後」のタイプが最もコストパフォーマンスに優れます。これが条件として大事なポイントです。
GSIクレオスの「Mr.ターンテーブルL」は鏡面仕上げが特徴で、フィギュアの足元・底面まで映し込むことができます。漫画では「足元のアングル」が意外と難しい角度の一つなので、この特徴は実用的です。鏡面で底面が見える、これは使えそうです。
一方で速度を途中で止めたい場面が多い場合は、スイッチやリモコンで一時停止ができる製品かどうかを必ず確認しましょう。一時停止ができないモデルは、特定の角度で止めてじっくり撮影したいときに不便です。止めたい角度でピタリと止まるかどうかが条件です。
参考:フィギュア回転台の種類・ソーラー式と電動式の違い・スペック比較(購入前の比較検討に役立つ情報が充実)
フィギュア回転台の選び方|100均・ソーラー・電動を比較|figure-style.com
電動ターンテーブルの使い道は「参考写真を撮る」だけにとどまりません。ここでは他の記事ではあまり取り上げられていない、漫画制作ならではの独自活用法を紹介します。
回転動画からコマ割りの動きを発想する
フィギュアやデッサン人形を電動ターンテーブルに乗せて回転させながらスマートフォンで動画撮影し、その動画をコマ送りで再生すると「正面→斜め→横→背面」と連続的な視点変化が可視化できます。漫画のアクションシーンでは「カメラがキャラクターの周りをぐるりと回り込む」ようなコマ割りがよく使われますが、このターンテーブル動画はその構図を考えるための直感的な参考資料になります。
コマが連続するページにおける「視点の移動量」を動画で確認できるのは、静止画の撮り溜めだけでは得られないメリットです。意外ですね。
影の動きでトーンの貼り方を確認する
デスクライトをターンテーブルの横に固定した状態でゆっくり回転させると、フィギュアにできる影がなめらかに移動します。この動画を見ながら「この角度だと影がここにできる」というパターンを学ぶことで、漫画のトーン貼りや陰影の描き方が自然と改善されます。
美術系の学校でも人体に対する光と影の理解を高めるために回転させながら観察する方法は使われており、電動ターンテーブルはそれを自宅で再現できるツールです。
3D素材への橋渡しとしての使い方
Adobe FireflyやClip Studio Paintの3D機能、あるいはVRoid Studioで作ったキャラクターを参考にしている人も増えています。しかし、3Dソフトに不慣れな場合、電動ターンテーブルで実物を回転撮影する方がずっと手軽です。将来的に3D素材の活用へ移行するまでの「つなぎ」として使うなら、コストの低い100均モデルで十分な役割を果たします。
電動ターンテーブルは、漫画を描くための「見る目を鍛える道具」とも言えます。つまり作画の質を上げる投資です。550円から始められる点が、特に描き始めたばかりの人にとって大きなメリットになります。

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