漫画の影の表現 キャラの顔の陰影と光源の位置と手法

漫画の影の表現 キャラの顔の陰影と光源の位置と手法

漫画の陰影表現は立体感や雰囲気を出す重要な技法です。基本的な影のつけ方から応用テクニックまで解説しますが、あなたの作品にどう活かせるでしょうか?

漫画の陰影表現の基本

漫画の陰影表現の基本
💡
光源の理解

影の向きと濃さを決める重要な要素

🎨
基本的な影の種類

固有影、投影、反射光などの理解

✍️
陰影の描き方

ベタ、トーン、ハッチングなどの技法

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漫画の陰影表現は、作品に立体感や奥行き、そして雰囲気を与えます。基本的な陰影の描き方を理解することで、より魅力的なキャラクターや背景を描くことができるでしょう。

漫画の影のできかたのサンプル

影のでき方
▲人物と影のサンプル

 

線と陰
線と陰 アニメーターから学ぶキャラクター作画術

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女子高生キャラの比重がだいぶ高いけど、影のつき方の参考になります。

 

この本の塗り方は、「塗ってない部分」=光があたってる、「塗ってる部分」=影ができてるという感じになってます。

 

光源がここだから、影がここにできて…と理論だてて考えるより、似たようなシチュエーションをこの本から探して、真似するというのもアリ。

 

SNS漫画用に、時間をかけずに「っぽい影」が描きたい人には、かなり役立ちそうです。

 

印刷しないなら、本書の影を参考にうすいグレーで影をかけば、立体感が簡単に出せそう。あと、水着の女の子にそれっぽい陰影をつけると、急に色っぽくなりますよね。体の立体感が強調されるから?

 

漫画バイブル1光と影の演出編
漫画バイブル1光と影の演出編

 

こちらは、色んなパターンの漫画の光と影の表現を網羅した本。この表現を使いこなせたら上級者かも…。

 

最初からこの本の内容を実現しようとすると、ちょっとツラそう。高度な表現が多数。

 

漫画における光源の重要性

光源の理解は、陰影表現の基礎となります。光がどこから来ているかによって、影の向きや濃さが決まります。

 

一般的な光源の種類には以下のようなものがあります。

  • 自然光(太陽光、月光)
  • 人工光(室内照明、街灯)
  • 特殊な光源(キャンプファイヤー、懐中電灯)

 

光があたっているところを白っぽくハイライトすることで、光があたっている状態を表現できます。

 

適当にハイライトをつけると、読者は「どこに光源があるんだ?」とまでは考えなかったとしても「なんか変だな…」という違和感を感じるかも知れません。

 

光源の位置や強さを意識することで、より自然で説得力のある陰影を描くことができます。

漫画の基本的な影の種類と特徴

影には主に以下の種類があります。

  1. 固有影:物体自体に生じる影
  2. 投影(キャストシャドウ):物体が他の面に落とす影
  3. 陰影:くぼみなどがあって、薄暗くなっている部分

 

影部分を全部ベタにしてしまうと、昔のアメコミみたいになっちゃうんですよね。

 

濃いめの影と、うっすらした影を使い分けると立体感が出ます。

漫画の陰影の基本的な描き方テクニック

陰影を表現する基本的な技法には以下のようなものがあります。

 

ベタで影を描くとどうしても、ページの印象が重くなってしまうので、トーンやハッチングを織り交ぜて調整するといいでしょう。

 

漫画の陰影表現における材質の考慮

物体の材質によって、陰影の付け方は大きく変わります。例えば:

  • 金属:鋭い反射と強いコントラスト
  • 布:柔らかな陰影とグラデーション
  • ガラス:透明感と反射光の表現

 

布だと、凸凹が多いので、複雑な影とハイライトが生まれる感じです。

 

材質を意識して陰影を付けることで、より説得力のある絵を描くことができます。

漫画の陰影表現におけるデジタルツールの活用

デジタルツールを使用することで、より効率的に陰影を表現できます。

  • レイヤー機能:影の重ね合わせや調整が容易
  • ブラシツール:様々な質感の影を簡単に描ける
  • グラデーション機能:滑らかな陰影の表現が可能

 

影のない線画レイヤー、ベタを塗るレイヤー、薄めの影を塗るレイヤーなどに分けるのが良さそう。

 

漫画の陰影表現の応用テクニック

基本を押さえたら、次は応用テクニックを学びましょう。これらのテクニックを使いこなすことで、より魅力的で印象的な作品を作ることができます。

漫画のキャラクターに立体感を出す陰影テクニック

キャラクターに立体感を出すためには、以下のポイントに注意しましょう:

  1. 顔の陰影:

    • 鼻筋や頬骨の下に影を入れる
    • あごの下に濃い影を付ける
    • 髪の生え際に影を入れる

  2. 体の陰影:

    • 筋肉の盛り上がりに沿って影を付ける
    • 関節部分に影を入れて立体感を出す
    • 服のしわに沿って影を付ける

  3. 目の表現:

    • 瞳に光を入れて生き生きとした印象に
    • まつ毛の影を描いて奥行きを出す

 

これらのテクニックを組み合わせることで、キャラクターにより魅力的な立体感を与えることができます。

漫画の背景に奥行きを出す陰影テクニック

背景に奥行きを出すためには、以下のテクニックが効果的です。

  • 遠近法の活用:遠くのものほど影を薄く、近くのものほど濃く
  • 大胆なコントラスト:前景と背景で明暗の差をつける
  • 空気遠近法:遠くのものほど色を薄く、輪郭をぼかす

 

これらのテクニックを使うことで、より立体的で奥行きのある背景を描くことができます。

 

背景の陰影テクニックについての詳細は以下のリンクを参照してください:
背景をプロっぽく見せる陰影テクニック

漫画の陰影表現による感情や雰囲気の演出

陰影は単に立体感を出すだけでなく、感情や雰囲気を演出する重要な要素です。

  • 暗い影:緊張感や不安、恐怖を表現
  • 明るい陰影:希望や喜びを表現
  • コントラストの強い陰影:ドラマチックな場面を演出
  • やわらかい陰影:穏やかな雰囲気を表現

 

場面に合わせて適切な陰影表現を選ぶことで、読者により強い印象を与えることができます。

漫画の陰影表現におけるコマ割りの活用

コマ割りを工夫することで、陰影表現をより効果的に使うことができます:

  • 暗いコマと明るいコマを交互に配置して、リズム感を出す
  • 重要なシーンでは大きなコマを使い、陰影表現を丁寧に描き込む
  • コマの形状(四角、丸、不規則など)を変えて、陰影の印象を強調する

 

コマ割りと陰影表現を組み合わせることで、より動的で魅力的なページレイアウトを作ることができます。

漫画の陰影表現における独自のスタイル開発

基本的な技法を習得したら、次は自分独自の陰影表現スタイルを開発しましょう。以下のようなアプローチが考えられます:

  1. 特徴的な線の使い方:

    • 太さや密度を変えた線で陰影を表現
    • うねうねした線や幾何学的な線など、独特の線で陰影を付ける

  2. 独自のパターン開発:

    • 点や星、ハートなど、キャラクターや作品のテーマに合わせたパターンで陰影を表現
    • 和柄や幾何学模様など、文化的要素を取り入れた陰影パターン

  3. 色彩の活用:

    • モノクロ作品でも、グレーの濃淡を巧みに使い分ける
    • カラー作品では、補色や類似色を使った陰影表現

  4. 抽象的な陰影表現:

    • 現実的な陰影にとらわれず、感情や雰囲気を抽象的に表現
    • キャラクターの内面を陰影で表現する

 

毎回リアルな影を描くと、マンガ全体が重くなってしまうので注意。(ホラー漫画など、わざと重くするときは効果的)

 

キャラの落ち込みや怒りを陰影の濃さで表す、というケースもあります。