
漫画の陰影表現は、作品に立体感や奥行き、そして雰囲気を与えます。基本的な陰影の描き方を理解することで、より魅力的なキャラクターや背景を描くことができるでしょう。
▲人物と影のサンプル
線と陰 アニメーターから学ぶキャラクター作画術
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女子高生キャラの比重がだいぶ高いけど、影のつき方の参考になります。
この本の塗り方は、「塗ってない部分」=光があたってる、「塗ってる部分」=影ができてるという感じになってます。
光源がここだから、影がここにできて…と理論だてて考えるより、似たようなシチュエーションをこの本から探して、真似するというのもアリ。
SNS漫画用に、時間をかけずに「っぽい影」が描きたい人には、かなり役立ちそうです。
印刷しないなら、本書の影を参考にうすいグレーで影をかけば、立体感が簡単に出せそう。あと、水着の女の子にそれっぽい陰影をつけると、急に色っぽくなりますよね。体の立体感が強調されるから?
こちらは、色んなパターンの漫画の光と影の表現を網羅した本。この表現を使いこなせたら上級者かも…。
最初からこの本の内容を実現しようとすると、ちょっとツラそう。高度な表現が多数。
光源の理解は、陰影表現の基礎となります。光がどこから来ているかによって、影の向きや濃さが決まります。
一般的な光源の種類には以下のようなものがあります。
光があたっているところを白っぽくハイライトすることで、光があたっている状態を表現できます。
適当にハイライトをつけると、読者は「どこに光源があるんだ?」とまでは考えなかったとしても「なんか変だな…」という違和感を感じるかも知れません。
光源の位置や強さを意識することで、より自然で説得力のある陰影を描くことができます。
影には主に以下の種類があります。
影部分を全部ベタにしてしまうと、昔のアメコミみたいになっちゃうんですよね。
濃いめの影と、うっすらした影を使い分けると立体感が出ます。
陰影を表現する基本的な技法には以下のようなものがあります。
ベタで影を描くとどうしても、ページの印象が重くなってしまうので、トーンやハッチングを織り交ぜて調整するといいでしょう。
物体の材質によって、陰影の付け方は大きく変わります。例えば:
布だと、凸凹が多いので、複雑な影とハイライトが生まれる感じです。
材質を意識して陰影を付けることで、より説得力のある絵を描くことができます。
デジタルツールを使用することで、より効率的に陰影を表現できます。
影のない線画レイヤー、ベタを塗るレイヤー、薄めの影を塗るレイヤーなどに分けるのが良さそう。
基本を押さえたら、次は応用テクニックを学びましょう。これらのテクニックを使いこなすことで、より魅力的で印象的な作品を作ることができます。
キャラクターに立体感を出すためには、以下のポイントに注意しましょう:
これらのテクニックを組み合わせることで、キャラクターにより魅力的な立体感を与えることができます。
背景に奥行きを出すためには、以下のテクニックが効果的です。
これらのテクニックを使うことで、より立体的で奥行きのある背景を描くことができます。
背景の陰影テクニックについての詳細は以下のリンクを参照してください:
背景をプロっぽく見せる陰影テクニック
陰影は単に立体感を出すだけでなく、感情や雰囲気を演出する重要な要素です。
場面に合わせて適切な陰影表現を選ぶことで、読者により強い印象を与えることができます。
コマ割りを工夫することで、陰影表現をより効果的に使うことができます:
コマ割りと陰影表現を組み合わせることで、より動的で魅力的なページレイアウトを作ることができます。
基本的な技法を習得したら、次は自分独自の陰影表現スタイルを開発しましょう。以下のようなアプローチが考えられます:
毎回リアルな影を描くと、マンガ全体が重くなってしまうので注意。(ホラー漫画など、わざと重くするときは効果的)
キャラの落ち込みや怒りを陰影の濃さで表す、というケースもあります。