カメラワーク カメラアングル 違い|漫画描く基本効果

カメラワーク カメラアングル 違い|漫画描く基本効果

漫画を描く際に必須のカメラワークとカメラアングル。この2つの違いを理解していますか?実は混同しやすいこの用語、正しく使い分けることで作品のクオリティが劇的に変わるんです。どのように使い分ければ良いのでしょうか?

カメラワークとカメラアングルの違い

カメラワークとカメラアングルの基本
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カメラワーク

カメラの動き全般を指す総合的な概念で、撮影中のカメラ位置や動作を含む技法

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カメラアングル

被写体に対するカメラの角度のみを示し、上下の傾き具合を表現する要素

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使い分けのポイント

カメラワークは構図全体、アングルは角度に特化した用語として区別する

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漫画制作において、カメラワークとカメラアングルは似て非なる概念なんです。カメラワークは撮影中にカメラの位置や角度を変える技法全般を指し、動画撮影の基礎となる広い概念です。対してカメラアングルは被写体に対するカメラの角度、つまり上下の傾き具合のみを示す用語なんですね。
参考)https://www.tamron.com/jp/consumer/sp/impression/detail/article-camera-work-basics-types-and-effects.html

映像制作の現場では、カメラワークという大きな枠組みの中に、カメラアングルが含まれているという関係性になっています。つまりカメラワークには「フィックス」「パン」「ティルト」「ズーム」といった動きの種類も含まれますが、カメラアングルは「ハイアングル」「ローアングル」「水平アングル」といった角度のみに焦点を当てた概念なんです。​
漫画を描く際にこの違いを理解していると、より効果的な演出が可能になります。カメラワークを意識することで動きのある構図が生まれ、カメラアングルを使い分けることでキャラクターの感情や状況を増幅できるんですね。​

カメラワークの定義と役割

カメラワークとは、カメラの動かし方に関する技術全般のことで、動かし方によって映像が与える効果が大きく異なります。映像制作では被写体やシチュエーション、表現したい印象などに合わせた適切なカメラワークの選択が重要になるんです。​
基本的なカメラワークには、三脚で固定して撮影する「フィックス」、カメラを水平方向に回転させる「パン」、垂直方向に動かす「ティルト」、焦点距離を変える「ズーム」などがあります。これらは漫画でいうコマ割りや構図の変化に相当し、読者の視線を誘導する重要な役割を果たしているんですね。
参考)読者を飽きさせない演出テクニック カメラワーク入門①「カメラ…

【動画撮影の基礎】カメラワークの基本種類と演出効果を解説!|タムロン
カメラワークを効果的に使うことで、映像にリズムやメリハリを生み出せます。同じカメラワークばかりを使うと映像は単調になりがちですが、異なるカメラワークを効果的に使い分けることで、映像に変化や流れを作り出せるんです。漫画でも同様で、単調な構図が続くと読者は飽きてしまいますから、カメラワークの概念を取り入れることで作品に動きが生まれます。​
ウェブトゥーンの制作現場では、基本カメラワークを「クローズアップ」「ミディアムショット」「ロングショット」の3つに分類しています。これらのカメラワークの組み合わせと切り替えで、観客の感情移入をコントロールしたり、位置関係を説明したりして、物語を面白く見せることができるんですね。​

カメラアングルの定義と効果

カメラアングルとは、被写体に対するカメラの角度のことを指します。カメラサイズが人物の感情を追い、カメラポジションが人物がその場にいる状況を説明するのに対し、カメラアングルはそのふたつを増幅する効果があると考えていいでしょう。​
漫画における基本的なカメラアングルは主に3種類です。ハイアングルは被写体を見下ろす角度からカメラを構えるアングルで、人物の卑小感があり、哀れで弱いという雰囲気を増幅させます。水平アングルはカメラを水平にして構えるアングルで、標準的で安定感はありますが、多用すると平凡な構図ばかりになるので注意が必要なんです。​
ローアングルは被写体を見上げる角度から構えるアングルで、大きさを強調し尊大感や恐怖感をあおります。建物や怪獣など大きく見せたいとき、人物に威圧感を増幅させたいときに使うんですね。​
読者を飽きさせない演出テクニック カメラワーク入門③「カメラアングル」|いちあっぷ
同じ被写体でも撮影する角度によって印象が大きく変わるのがカメラアングルの特徴です。見上げるように撮影すれば威厳や強さを強調でき、見下ろすように撮影すれば、弱々しい印象や俯瞰での視点を与えることができます。この効果を理解して使い分けることで、キャラクターの感情や状況をより効果的に読者に伝えられるんです。​

カメラワークに含まれる3つの要素

実はカメラワークには「カメラサイズ」「カメラポジション」「カメラアングル」という3要素があるんです。この3つを総合的に理解することで、より効果的な演出が可能になります。​
カメラサイズは被写体の大きさを指し、そのコマの人物のサイズがキャラクターの感情に合っているかを考える要素です。漫画でいえば、アップ、ミドル、ロングといった構図のことで、キャラの表情をメインに見せるならアップ、キャラ同士の関係や配置を見せるならミドル、全体の状況を見せるならロングという使い分けをします。​
カメラポジションはカメラの高さを指し、そのコマのアイレベルがキャラクターがその場にいる状況をうまく説明しているかを考える要素なんですね。アオリ(ローアングル)とフカン(ハイアングル)という用語で表現されることもあります。​
そしてカメラアングルは角度を指し、キャラクターの感情や状況をより増幅する役割を担っているんです。この3要素を意識してネームの段階から読者を飽きさせない演出を心がけることで、面白みのある画面作りができるようになります。​

漫画制作における具体的な使い分け方法

漫画を描く際には、カメラワークとカメラアングルを明確に区別して使い分けることが大切です。まずシーンで何を見せたいのかを決めることから始めましょう。キャラの表情を見せたいのか、キャラの状況を見せたいのか、平穏さなのか緊迫さなのか、強さなのか弱さなのか。​
これが決まると、おのずと構図は決まっていくんです。例えば、キャラクターの感情を強調したい場合は、クローズアップというカメラワークを選び、さらにローアングルというカメラアングルを組み合わせることで、威圧感や力強さを表現できます。​
実際の作画では、カメラアングルを調整して意図した効果を出すことが重要なんですね。通常は水平アングルで描くことが多いですが、あおりで描くと背景に迫力が出て、キャラクターには尊大な効果が現れます。また魚眼レンズの効果を加えると奇怪な感じが出せ、アイレベルを斜めで取ると非日常的な演出がプラスされるんです。​

要素 指す内容 漫画での効果 具体例
カメラワーク カメラの動き全般 構図全体の変化と流れ フィックス、パン、ズーム、クローズアップ
カメラアングル 被写体に対する角度 感情や状況の増幅 ハイアングル、ローアングル、水平アングル
カメラサイズ 被写体の大きさ キャラの感情表現 アップ、ミドル、ロング
カメラポジション カメラの高さ 状況の説明 アオリ、フカン

ウェブトゥーン作品では面白さと見栄えを表現する事が多く、とにかく縦読みとしての見栄えを重視する傾向にあるため、カメラワークを選択する時は画面のインパクトを重視しても大丈夫なんです。一方で紙媒体の漫画では、ページ全体のバランスも考慮しながらカメラワークとアングルを決める必要があります。​
顔漫画から卒業するためには、この違いを理解して意識的に使い分けることが不可欠です。使いやすいミドルサイズばかり使っていると顔漫画になりやすいので、角度をつけるなど工夫しましょう。カメラワークの概念を取り入れることで、読者を飽きさせない魅力的な作品作りができるようになるんですね。​