アイレベル見つけ方人物|漫画背景パース消失点の決め方

アイレベル見つけ方人物|漫画背景パース消失点の決め方

漫画を描く時、人物配置でアイレベルの見つけ方に困っていませんか?消失点やパースの基礎から身長差のあるキャラの配置まで、初心者でも実践できる具体的なテクニックを詳しく解説します。あなたの作品に立体感を出す方法とは?

アイレベル見つけ方人物の基本

この記事のポイント
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アイレベルはカメラの高さ

人物の目線ではなく、見る側の視点の高さを示す重要な基準線です

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消失点とセットで理解

パース線が収束する消失点は必ずアイレベル上に存在します

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身長差キャラも配置可能

アイレベルを基準にすれば、どんな体格差も正確に描けます

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アイレベルとは何か人物配置の基準

アイレベルは、見る側の目の高さを示す水平線のことなんです。漫画やイラストを描く時に、画面上に水平に引いた仮想の線で、「カメラの高さ」として捉えると理解しやすいでしょう。​
多くの初心者が勘違いしやすいポイントとして、画面に描かれた人物の目線の高さがアイレベルではないということがあります。実際には、その絵を見ている人(読者)の視点がどの高さにあるかを示す線なんですね。
参考)【簡単!】アイレベルの見つけ方をわかりやすく解説します

人物を画面に配置する場合、メインとなるキャラクターの目線にアイレベルを合わせるのが基本です。例えば、立っている人物の目の高さにアイレベルを設定すれば、水平な視点から見た構図になります。この線を上下に移動させることで、フカン(見下ろし)やアオリ(見上げ)といった異なる構図を作り出せるんです。
参考)【初心者向け】パース超基礎講座②~アイレベルの決め方&上げ方…

漫画制作においてアイレベルを意識することで、複数のキャラクターや背景要素を画面内に自然に配置できます。アイレベル上にある物体の高さは、どの位置にあっても常に同じ高さとして扱われるという法則があるため、これが人物配置の強力な指標になるわけです。
参考)アイレベルからキャラクターと背景を描く方法|どでん@漫画ノウ…

アイレベル見つけ方人物から決定する方法

人物からアイレベルを見つける実践的な方法として、まず同じ身長のキャラクター同士で高さが揃う部分を探す手法があります。手前と奥に人物を配置した場合、両者の指先や肩など、同じ高さになっている身体の部位を見つけて、その位置を水平に結んだ線がアイレベルになるんです。​
より正確な方法として、足元と足元、頭と頭をそれぞれ線で結ぶテクニックも効果的ですね。この2本の線が交わる交点を通る水平線が、正確なアイレベルとなります。ただし、この方法は同じ身長のキャラクター同士でないと使えないという制約があります。
参考)ミッチのパースの話し☆キャラ編(第2話)身長差のあるキャラを…

キャラクター表(対比表)を作成しておくと、身長差のある複数キャラを配置する際に非常に便利です。三頭身、四頭身、五頭身といった異なる体格のキャラクターを並べて描き、頭の大きさを統一したチャートを用意しておきましょう。このチャート上でアイレベルがどの部位を通るかを決めれば、画面上のどの位置にキャラを配置しても、身長比率を保ったまま描けるんです。​
先に人物を描いてから背景を追加する場合は、キャラクターの身体のラインや向きからパース線を延長して消失点を見つけます。その消失点を通る水平線がアイレベルになります。漫画制作では、まずメインキャラの位置とアイレベルを決めてから、他の要素を配置していく方が効率的なんです。
参考)透視図法と人物パースについて(先に人物を描くケース) - C…

パース定規がない場合でも、ラフ段階でキャラクターを描き、腰や膝など特定の部位の高さが揃う位置を見極めることで、十分実用的なアイレベルが設定できます。
参考)【初心者向け】 パース 透視図法 人物移動・配置の方法をわか…

アイレベル消失点パースの関係性

消失点とは、パース線が収束する地点のことで、必ずアイレベル上に位置します。箱や建物の辺を延長線上に伸ばしていくと、向かい合う辺の幅が徐々に狭まって一点に収束するんですね。この収束地点が消失点であり、横方向に収束する場合はアイレベルの線上に消失点ができるという法則があります。
参考)https://www.palmie.jp/lessons/300

一点透視図法では消失点が1つ、二点透視図法では2つの消失点がアイレベル上に配置されます。人物を描く際にも、身体を箱型でパースを取って考えると、大体1〜2点の消失点にまとまるように描くと自然になります。
参考)人物と背景のパースを合わせよう! 室内を描くのに適した透視図…

人物にもアイレベルや消失点が存在するという事実は、初心者にとって意外かもしれません。キャラクターの身体も立体物として捉え、パースを意識することで立体的で自然な絵が描けるようになるんです。​
背景から先に消失点を決める場合は、背景の線を伸ばして収束する点を見つけ、その高さで横にまっすぐアイレベルを引きます。逆に人物から決める場合は、キャラクター同士が同じ高さになる部分でアイレベルを引き、そのライン上に消失点を定めてから背景の線を引いていく流れになります。​
消失点の数や位置は描き手が自由に決められますが、一度決定したアイレベルと消失点には必ず従って描く必要があります。この一貫性が、画面全体の説得力を生み出す鍵なんですね。
参考)漫画は楽しい!アイレベルでキャラや背景の配置を決めよう!wi…

アイレベル身長差キャラクター配置テクニック

身長差のあるキャラクターを同じ画面に配置する際の基本は、アイレベルが各キャラのどの部位を通るかを統一することです。例えば、アイレベルが170cmの成人男性の膝位置を通るなら、100cmの子供キャラでも同じく膝位置(子供の身長比率での膝)をアイレベルが通るように配置します。​
実践的な配置手順として、まずキャラクター対比表を作成するのが効果的です。三頭身の「3くん」、四頭身の「4ちゃん」、五頭身の「5さん」というように、頭の大きさを統一した身長違いのキャラを横並びで描きます。そこにアイレベルを示す線を引いて、各キャラのどの位置を通るかマーキングしておくんです。​
画面内でキャラを移動させる場合でも、アイレベルとの位置関係は変わりません。手前にいようと奥にいようと、左右どこにいようと、そのキャラの膝(または設定した部位)にアイレベルが通る状態を保ちます。この法則により、パース上で正確な遠近感を保ちながらキャラを配置できるわけです。​
身長175cmと100cmのキャラを三点透視の構図に描く場合でも、アイレベルを基準にすれば問題なく配置できます。最初に重要なキャラの位置を決めたら、対比表を見ながら他のキャラを対応した高さで描いていくという流れです。youtube​​
この方法を使えば、極端な体格差のある巨人と人間、子供と大人、異なる種族のキャラクターなども、同一空間に違和感なく配置できます。キャラ配置の自由度が大きく広がるテクニックなんですね。​

アイレベルフカンアオリ構図での見つけ方

フカン構図では見下ろしているため、アイレベルは多くの場合、建物や人物よりも高い位置に設定されます。かなり見下ろした構図の場合、アイレベルが画面外にあることも珍しくありません。建物や道路などからパース線を延長して消失点を見つけ、そこを通る水平線を引くことでアイレベルを特定します。
参考)アイレベル(視点の高さ)を意識した描き方 - 太陽と富士山と…

具体的な高さの推測として、ビル15階から16階くらいの高さ(大体45〜48メートル)にアイレベルがあるような極端なフカンもあります。このような俯瞰構図は三点透視になることが多く、地面が大きく広がり頭部が目立つ特徴があります。心理的には、小ささや儚さ、客観的な印象を与える効果があるんです。​
アオリ構図では見上げているため、アイレベルは低い位置、多くの場合は人物の腰よりも下や地面近くに設定されます。ビルの1階の真ん中付近(大体1.5メートルくらいの高さ)にアイレベルがあるような構図が典型的です。足元が見えにくく、上に向かう線が収束する特徴があり、迫力や威厳、力強さを演出できます。
参考)アオリの体の描き方解説!アオリ構図のバランス崩れ・歪みを解決…

アオリの人物を描く際には、アイレベルを低く設定することで体のパースが強調されます。消失点が近い広角パースで描くと、よりダイナミックなアオリ表現になるんですね。
参考)【イラスト初心者向け】アオリ・フカンが描けるパースに沿った人…

フカンもアオリも、基本的なアイレベルの見つけ方は水平構図と全く同じです。違いは、アイレベルの上下位置だけで、パース線から消失点を導き出し、その高さで水平線を引くという手順は変わりません。​
一点透視や二点透視の基本を理解していれば、角度のある構図でも応用が利くようになります。​
参考リンクとして、フカンやアオリでのアイレベル設定を視覚的に理解したい方は、以下が役立ちます。

 

【簡単!】アイレベルの見つけ方をわかりやすく解説します
パース線の引き方から消失点の導き方まで、図解入りで詳しく説明されています。

 

アイレベルでもう迷わない!初心者向けアイレベルの基本
フカン・アオリのアングル変化を具体的な画像で比較しており、視覚的に理解しやすい内容です。

 

アイレベル漫画制作での実践活用法

漫画のコマ割りにおいて、アイレベルを意識することで読者に与える印象を大きくコントロールできます。例えば、日常会話シーンでは水平なアイレベル(人物の目線の高さ)を使うことで落ち着きと安定感を出せます。ヒーローの登場シーンや威圧的なキャラを描く際には、低いアイレベルのアオリ構図を使うことで迫力や威厳を演出できるんです。​
複数人が登場する会話シーンでは、アイレベルを最初に決めておくと全員の配置が楽になります。メインキャラの目線や腰の高さにアイレベルを設定し、そこを基準に他のキャラを配置していけば、身長差があっても自然な立ち位置が決まります。​
背景との組み合わせでは、室内シーンの場合、人物を先に配置してからアイレベルを決め、そのライン上に消失点を設定して床や壁のパース線を引くという順序が効率的です。逆に、背景重視のコマでは先に建物や街並みを描いてアイレベルを決定し、そこに人物を配置する方法もあります。
参考)キャラと背景のパース講座。室内に人物を配置する方法|お絵かき…

斜めゴマ(傾いたコマ割り)でも、アイレベル自体は水平を保ちます。コマが傾いていても、画面内のアイレベルは水平線であることに変わりはなく、これを意識することで動的な構図でも空間の整合性が保たれるんですね。youtube​
構図やレイアウトを決める作業は、家を建てる時の基礎部分のように重要な工程です。パースというルール上で演出を考慮し、キャラのベストな配置を探っていくプロセスが、読者を引き込む漫画作りの土台になります。​
アイレベルは描き手が自由に決められますが、一度決めたら必ずそれに従って描く必要があります。この一貫性こそが、読者が違和感なく世界観に没入できる鍵なんです。​
実際の漫画制作では、ラフ段階でアイレベルを引いておき、清書の際にもそれを参照しながら描き進めることで、コマ間での整合性も保てます。最初はうまく決められなくても、繰り返し意識して練習することでアイレベル設定に慣れることができるでしょう。​
パース定規を使った人物配置の設定方法について詳しく知りたい方は、こちらが参考になります。

 

人物から適切なパース定規を設定する
CLIP STUDIO PAINTでの具体的な操作手順が解説されており、デジタル作画での実践に役立ちます。

 

キャラと背景のパース統一について、より深く学びたい場合はこちらをチェックしてみてください。

 

キャラと背景のパース講座。室内に人物を配置する方法
室内空間に複数キャラを配置する具体的なプロセスが、ステップバイステップで説明されています。