
漫画の描き方と手順について、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。プロットの作成からネームの完成まで、基本的なステップを押さえていきましょう。
まず、一般的なプロットの作り方。
プロットとは、漫画のストーリーの骨組みのことです。まずは大まかな流れを決めることから始めましょう。
プロット作成のコツは、細かい描写よりも全体の流れを重視することです。この段階で完璧を求めすぎず、後で修正できることを念頭に置いておきましょう。
ただ、この作り方だと「流れに沿って動いている感」が出て、いまいち盛り上がらないんですよね。
そして、なんとなく突飛なストーリーにしてしまいがち。
シチュエーションだけ設定して、個性付けしたキャラを配置したら何が起こるか…と考えてストーリー作りをする方が面白くできそうです。
キャラクター設定では、細かい属性などを決めておくのも良いのですが、以下を決めていれば、ストーリーは作れます。
関連)キャラクター設定の作り方
藤田和日郎先生の漫画解説本でも「ストーリーにキャラを当てはめちゃダメ」と言っています。
読者はヨムナ(笑) 藤田和日郎
そういう漫画は「読まされている感」があって、面白くないと。
キャラが確立できていれば、シチュエーション内に配置するだけで話ができあがっていくんですね。
アニメなんかの、劇場版で、主人公がSFの世界に行ってしまったり、江戸時代に行ってしまったりしても面白かったりしますよね。
最近だと、漫画の個性的なキャラが異世界転生したら…という漫画もけっこう見かけます。
キャラが立っていると、ソイツを中心に勝手に物語をグイグイ引っ張っていってくれるというんですね。
コマ割り、難しいんですよね。
コマ割りだけで一冊の本になってるくらい。
といったテクニックが紹介されています。
この本は、コマ割りのテクニック解説に加えて、マンガ教室の生徒さんの作品を添削して修正するコーナーもあります。
あぁ、たしかにここはこうしたほうがわかりやすいな、というのがわかります。
だけどさ、だけど…そういうのを全部気にしていたら、コマ割りが全然進まないと言うか…。
なのでここは「一般的に、マンガのコマは3段に割ります。」という部分だけ覚えておいて、あとはおいおい…という感じが良いでしょう。
吹き出しは、シーン内の誰が喋っているかをわかりやすくするための、漫画の約束ごとです。
叫ぶときはトゲトゲ状にするとか、心の声はシッポ部分を「。。。」みたいにするとか色々パターンがあります。
そしてセリフ。
荒木飛呂彦先生の漫画術(第四章ストーリーの作り方)によると、「説明しようとしてはいけない」のが重要ポイント。
お手本になるのが、ヘミングウェイの「殺し屋」という短編小説だと言うんですね。
さすが荒木先生、お手本ひとつとっても、なんだか知的で上品です。
ともかく「そのキャラにとっては当たり前」の会話で、話を進めていくのが良さそうです。
ジョジョはサスペンス風味が強い漫画なので、漫画のテイストにもよるのかも知れませんが…。
ネームが完成したら、次は下描きの段階に入ります。
ひとによっては、ある程度の下書き(キャラの表情がわかるような)もネームに含めることがあるようです。
…といろいろあるのですが、絵を描くというのはけっこうたいへん。
荒木飛呂彦先生は、「武装ポーカー」でデビューしてから「話は面白いけど絵が下手」という評価に苦しんで、地道に絵の練習をして、数年してようやく努力が実を結び始めたとか。
(5章:「絵がすべてを表現する」より。)
絵がうまいというのは、漫画家として大きな武器ですが、そうそう簡単に身につかないんですね。
藤田和日郎先生も「絵の練習に逃げるな。ネームを描け」と言っているように、話作りを先に練習するべきかも知れません。
世の中には神絵師と呼ばれる絵の上手い人はたくさんいるのだし、いざとなったら作画パートは絵が得意な人に任せてもいいのかも知れません。
読者はヨムナ(笑) 藤田和日郎
それはともかく、下描きの段階で十分に時間をかけることで、後のペン入れがスムーズになります。修正が必要な箇所は、この段階で見直しておきましょう。
プロの編集者が見れば、ネームの段階で面白い漫画になるかどうかがわかるそうです。
実際、ツイッターにはラフな感じのネームっぽい漫画がたくさんありますが、面白いものは面白い。
たぶん、漫画づくりで一番数をこなさないといけないのがネームなので、基本をしっかりと抑えておきたいところです。