漫画のネームの描き方 プロットの作り方のコツは?

漫画のネームの描き方 プロットの作り方のコツは?

漫画を描きたい初心者の方に向けて、プロットからネームまでの基本的な手順を解説します。キャラクター作成やコマ割りのコツも紹介しますが、実際に描くときにはどんな工夫が必要なのでしょうか?

漫画の描き方と手順

漫画制作の基本ステップ
📝
プロット作成

ストーリーの骨組みを作る

👤
キャラクター設定

登場人物の特徴を決める

🖼️
ネーム作成

コマ割りとセリフを決める

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漫画の描き方と手順について、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。プロットの作成からネームの完成まで、基本的なステップを押さえていきましょう。

漫画のプロット作成:ストーリーの骨組みを作る

まず、一般的なプロットの作り方。

 

プロットとは、漫画のストーリーの骨組みのことです。まずは大まかな流れを決めることから始めましょう。

  1. テーマを決める:伝えたいメッセージや中心となるアイデアを明確にする
  2. 起承転結を考える:物語の展開を大まかに4つの段階に分ける
  3. 主要な出来事をリストアップする:ストーリーの重要なポイントを箇条書きにする
  4. キャラクターの役割を決める:登場人物がストーリーにどう関わるか考える

 

プロット作成のコツは、細かい描写よりも全体の流れを重視することです。この段階で完璧を求めすぎず、後で修正できることを念頭に置いておきましょう。

 

ただ、この作り方だと「流れに沿って動いている感」が出て、いまいち盛り上がらないんですよね。

 

そして、なんとなく突飛なストーリーにしてしまいがち。

 

シチュエーションだけ設定して、個性付けしたキャラを配置したら何が起こるか…と考えてストーリー作りをする方が面白くできそうです。

漫画のキャラクター設定:個性豊かな登場人物を作る

キャラクター設定では、細かい属性などを決めておくのも良いのですが、以下を決めていれば、ストーリーは作れます。

 

  • そのシチュエーションでキャラが取るアクション(自発的な行動)
  • リアクション(他者のアクションに対する反応)
  • その行動が読者にどういう印象を与えるか

 

関連)キャラクター設定の作り方

 

藤田和日郎先生の漫画解説本でも「ストーリーにキャラを当てはめちゃダメ」と言っています。

 

読者はヨムナ
読者はヨムナ(笑)
藤田和日郎

 

そういう漫画は「読まされている感」があって、面白くないと。

 

キャラが確立できていれば、シチュエーション内に配置するだけで話ができあがっていくんですね。

 

アニメなんかの、劇場版で、主人公がSFの世界に行ってしまったり、江戸時代に行ってしまったりしても面白かったりしますよね。

 

最近だと、漫画の個性的なキャラが異世界転生したら…という漫画もけっこう見かけます。

 

キャラが立っていると、ソイツを中心に勝手に物語をグイグイ引っ張っていってくれるというんですね。

漫画のネーム作成:コマ割りとセリフを決める

コマ割り、難しいんですよね。

 

コマ割りだけで一冊の本になってるくらい。

 

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  • 絵変わり
  • アングル
  • 奥行き
  • フレーミング
  • フリとウケ

 

といったテクニックが紹介されています。

 

この本は、コマ割りのテクニック解説に加えて、マンガ教室の生徒さんの作品を添削して修正するコーナーもあります。

 

あぁ、たしかにここはこうしたほうがわかりやすいな、というのがわかります。

 

だけどさ、だけど…そういうのを全部気にしていたら、コマ割りが全然進まないと言うか…。

 

なのでここは「一般的に、マンガのコマは3段に割ります。」という部分だけ覚えておいて、あとはおいおい…という感じが良いでしょう。

 

セリフと吹き出し

吹き出しは、シーン内の誰が喋っているかをわかりやすくするための、漫画の約束ごとです。

 

吹き出しの種類

 

叫ぶときはトゲトゲ状にするとか、心の声はシッポ部分を「。。。」みたいにするとか色々パターンがあります。

 

そしてセリフ。

 

荒木飛呂彦先生の漫画術(第四章ストーリーの作り方)によると、「説明しようとしてはいけない」のが重要ポイント。

 

お手本になるのが、ヘミングウェイの「殺し屋」という短編小説だと言うんですね。

 

さすが荒木先生、お手本ひとつとっても、なんだか知的で上品です。

 

ともかく「そのキャラにとっては当たり前」の会話で、話を進めていくのが良さそうです。

 

ジョジョはサスペンス風味が強い漫画なので、漫画のテイストにもよるのかも知れませんが…。

 

漫画の下描き:ネームを元に詳細を描く

ネームが完成したら、次は下描きの段階に入ります。
ひとによっては、ある程度の下書き(キャラの表情がわかるような)もネームに含めることがあるようです。

 

  • ネームを元に、より詳細な絵を描く
  • キャラクターの表情や動きを丁寧に描き込む
  • 背景や小物など、細部まで描き込む
  • 線の強弱や濃淡を意識して描く

 

…といろいろあるのですが、絵を描くというのはけっこうたいへん。

 

荒木飛呂彦先生は、「武装ポーカー」でデビューしてから「話は面白いけど絵が下手」という評価に苦しんで、地道に絵の練習をして、数年してようやく努力が実を結び始めたとか。

 

(5章:「絵がすべてを表現する」より。)

荒木飛呂彦の漫画術
荒木飛呂彦の漫画術

 

絵がうまいというのは、漫画家として大きな武器ですが、そうそう簡単に身につかないんですね。

 

藤田和日郎先生も「絵の練習に逃げるな。ネームを描け」と言っているように、話作りを先に練習するべきかも知れません。

 

世の中には神絵師と呼ばれる絵の上手い人はたくさんいるのだし、いざとなったら作画パートは絵が得意な人に任せてもいいのかも知れません。

 

読者はヨムナ
読者はヨムナ(笑)
藤田和日郎

 

それはともかく、下描きの段階で十分に時間をかけることで、後のペン入れがスムーズになります。修正が必要な箇所は、この段階で見直しておきましょう。

 

まとめ

  • ネームはコマ割りしたと、登場人物や物、セリフがわかるようにしたラフ原稿。
  • セリフはそのキャラらしい、自然な流れを意識する
  • 作画は、おいおい練習することにして、まずはネーム制作が上達するようにする

 

プロの編集者が見れば、ネームの段階で面白い漫画になるかどうかがわかるそうです。

 

実際、ツイッターにはラフな感じのネームっぽい漫画がたくさんありますが、面白いものは面白い。

 

たぶん、漫画づくりで一番数をこなさないといけないのがネームなので、基本をしっかりと抑えておきたいところです。