

デフォルトのブラシペンだけで描き続けると、プロと同じ時間をかけても線の質が「8割以下」にとどまることが分かっています。
プロクリエイトは、iPad専用のイラスト・漫画制作アプリとして、商業漫画家から同人作家まで幅広い層に使われています。App Storeでの価格は1,800円(買い切り)で、月額費用が発生しないため、長期的にコストが抑えられる点が大きな特徴です。
アプリを開いてブラシのライブラリをタップすると、デフォルトだけで200種類以上のブラシが並びます。スケッチ・インキング・カリグラフィ・エアーブラシ・ペイントなど多数のカテゴリが存在するため、最初は「どれを使えばいい?」と途方に暮れるケースが多いです。つまり、まず目的を絞ることが基本です。
漫画制作でブラシペンを選ぶときは、大きく「線画用」と「着彩用」の2役割で考えるとシンプルに整理できます。線画用は輪郭線・主線・ペン入れに使い、着彩用は色塗り・グラデーション・陰影表現に使います。これだけ覚えておけばOKです。
さらに覚えておきたいのが、プロクリエイトには「ブラシスタジオ」という詳細設定画面があることです。ストロークのプロパティ、入り抜き(筆圧)、ダイナミクスなど15以上の設定項目があり、デフォルトブラシを自分好みにカスタマイズできます。既存ブラシを右スワイプして「複製」を選ぶと、元のブラシを壊さずにカスタムブラシを作れるため、安心して試行錯誤できます。
プロクリエイトのキャンバスサイズはレイヤー枚数の上限に影響します。例えば解像度300dpi・A4サイズのキャンバスの場合、レイヤーは約15〜30枚程度が上限になります。漫画原稿を作る際は、使用するレイヤー枚数を事前に把握しておくことで、制作途中で詰まるリスクを避けられます。
Procreate公式ハンドブック|ブラシのライブラリ(ブラシの種類・追加方法の公式解説)
プロクリエイトで漫画を描くときに実際によく使われるブラシペンは、主に「製図ペン」「スタジオペン」「鉛筆(6B)」の3種類です。それぞれの特性を理解するだけで、線画の印象がガラリと変わります。これは使えそうです。
① 製図ペン(インキングカテゴリ)
製図ペンは、丸ペンやGペンを使ったアナログのペン入れに近い「強弱のついた線」を描くのに適しています。筆圧をかけると線が太くなり、軽く引くと細くなるため、漫画キャラクターの輪郭線に立体感と動きが生まれます。
| 特徴 | 詳細 |
|---|---|
| カテゴリ | インキング |
| 線の性質 | 強弱あり・シャープ |
| 適した用途 | キャラ主線・ペン入れ |
| おすすめ設定 | ストリームライン50% |
② スタジオペン(インキングカテゴリ)
スタジオペンはブレのない、クリーンなインク線を描くのに最適です。筆圧感知が非常に鋭く、繊細なラインも再現できます。アニメ塗り・マンガ風の線画に特におすすめで、Procreate初心者が最初に手に取るブラシとして多くの使い手から支持されています。ストリームラインを50%以上に設定すると、ブレのない綺麗な線画が描けます。
③ 鉛筆(6B)(スケッチカテゴリ)
6B鉛筆ブラシは、ラフ下書きからペン入れまでこなせる万能ブラシとして、多くのプロにも愛用されています。さらっと描くと鉛筆特有の濃淡が出て、しっかり描くとカチッとした線になります。ラフの段階でこのブラシを使い、その上に新規レイヤーを追加してペン入れする流れが漫画制作の王道です。
| ブラシペン名 | 線の強弱 | 主な用途 | 初心者難易度 |
|---|---|---|---|
| 製図ペン | あり | キャラ主線 | ★★☆☆☆ |
| スタジオペン | あり | アニメ・漫画線画 | ★☆☆☆☆ |
| 鉛筆(6B) | ソフト | ラフ〜ペン入れ | ★☆☆☆☆ |
漫画ペン入れの現場では、「ラフは6B鉛筆ブラシ→ペン入れは製図ペンまたはスタジオペン」という2段階レイヤー構成が一般的です。ラフレイヤーの不透明度を30〜40%程度まで下げて薄く表示した状態でペン入れレイヤーを重ねると、線のブレが減り、よりクリーンな仕上がりになります。
Procreateのブラシはどれを使えばいい?おすすめは?(各ブラシの使い方・設定の具体例)
「ブラシを選んだのに線が汚い」と感じる場合、原因の9割はブラシスタジオの設定にあります。プロクリエイトには「ストリームライン(手ブレ補正)」と「筆圧カーブ」という2つの調整機能があり、これを使いこなすことで線の品質が劇的に向上します。
ストリームライン(手ブレ補正)の設定方法
ストリームラインとは、手の微細なブレを自動的になめらかな曲線に補正する機能です。設定場所はブラシスタジオ → パスの境界線を描く → ストロークのプロパティ → ストリームライン です。
- 0%:手ブレをそのまま反映。手描きの味が出るが線がブレやすい
- 10〜20%:自然な手描き感を残しつつブレを軽減。下書きやラフに最適
- 50%:多くの漫画家が採用する設定。きれいな線を安定して描ける
- 80〜100%:ブレをほぼゼロに。ただしペンの動きに遅延が生じる
製図ペンでペン入れをする場合は「50%」が推奨値です。一方、手描き感を大切にしたい場合や、味のある線を描きたいときは「10〜20%」程度が自然な仕上がりになります。設定値は用途に合わせて変えるのが原則です。
筆圧カーブの調整方法
筆圧カーブは、アクション → 環境設定 → 筆圧とスムーズ から調整できます。グラフの曲線を上方向に引っ張ると「弱い筆圧でも太い線が出やすい」設定になり、下方向に引っ張ると「強く押さないと太くならない」設定になります。iPad + Apple Pencilの組み合わせでは、デフォルトの筆圧カーブが少し固めに設定されているケースが多く、軽いタッチで描きたい場合は曲線を上側に少し調整すると描きやすくなります。痛いですね。
また、ブラシスタジオの「入り抜き(筆圧)→ サイズ」の数値を上げることで、線の入りと抜きに鋭いテーパーがつきます。アナログのGペンのようなシュッとした線を表現したいなら、この値を80〜92%に設定するのが効果的です。
ブラシスタジオの設定 — Procreate公式ハンドブック(ストリームライン・筆圧設定の詳細解説)
プロクリエイトのデフォルトブラシだけでも十分な漫画表現は可能ですが、外部の無料ブラシを取り入れると、アナログに近い質感や、より個性的な線画表現が手軽に実現します。無料は無料です。以下に、特に漫画制作に向いた無料ブラシペンセットを紹介します。
① マンガブラシS(necojita配布)
漫画制作専用ブラシセットで、濃さの違う網点(ハーフトーン)・カケアミ・Gペンなど12本がセットになっています。主にWeb漫画や漫画風イラスト作成に対応しており、登録なしでpixivFANBOXから無料ダウンロードできます。商用・印刷物への使用も許可されているため、同人誌や自費出版にも利用できます。
② procreateコミック用ブラシセット(icori_a / BOOTH)
アナログのペン入れに近いザラつきを再現したGペンブラシを含むセットです。「Gペン基本8」「Gペン基本7」など複数のバリエーションがあり、手描きの温かみが出る線が特徴です。
③ 多田由美ブラシセット(漫画用 / BOOTH)
商業漫画家の多田由美さんが実際の制作現場で使用するブラシを一般配布しているセットです。「ペンブラシ」「髪用ペンブラシ」「ベタ・トーンブラシ」が含まれており、ペン先の不要な細線(いわゆる「ヒゲ」)を抑えた設計になっています。サインペンとつけペンの中間のような描き心地で、デジタル初心者でも扱いやすい点が評価されています。
ブラシの導入手順
外部ブラシを使い始める場面で、インポートの手順を間違えるとブラシが見つからなくなることがあります。まず正しい手順を確認してください。
1. ダウンロードした`.brush`または`.brushset`ファイルをiPad上でタップする
2. プロクリエイトが自動で起動し、ブラシが「読み込まれたブラシ」または指定のカテゴリに追加される
3. よく使うブラシは、ブラシライブラリの右上「+」から「新規グループを作成」してまとめると管理しやすい
無料でダウンロードできるProcreateの配布ブラシ定番セットまとめ(漫画ブラシ含む複数の無料セット一覧)
procreateコミック用ブラシセット / icori_a(BOOTHにてGペン系漫画ブラシ配布ページ)
「ブラシの設定はできた。では実際どう描けばいい?」という疑問が次に来ます。ここでは、プロクリエイトで漫画を制作するときのレイヤー構成と、ブラシペンを効率よく使う実践的な流れを解説します。
基本のレイヤー構成(5層構造)
プロクリエイトで漫画を描くときの一般的なレイヤー順は以下の通りです。上から順に重なっていきます。
| 順番(上から) | レイヤーの役割 | 使うブラシペン |
|---|---|---|
| 1 | 台詞・フキダシ | モノライン |
| 2 | 効果・集中線 | 製図ペン |
| 3 | 主線(ペン入れ) | 製図ペン / スタジオペン |
| 4 | トーン・着彩 | ソフトエアーブラシ / 円ブラシ |
| 5 | 下書き(ラフ) | 鉛筆(6B) |
レイヤーを分けて管理することで、「ペン入れだけ修正する」「トーンだけ調整する」といった部分的な編集が容易になります。特に主線レイヤーは他のレイヤーと絶対に統合しないことが重要で、後からブラシの種類や太さを変更したくなった場合に対応できます。
筆圧を活かした主線の描き方コツ
主線を描くときの基本は、関節・輪郭の凹部分は細く、体の張り出し部分・影が落ちる部分は太くすることです。例えばキャラクターの髪を描くとき、毛束の根元は少し太く(筆圧強め)、先端に向かってシュッと細くする(筆圧弱め)と、アナログ漫画に近い質感が出ます。
線の入りと抜きを意識した1ストロークを心がけることが、線画の品質を上げる最短ルートです。ストリームラインを50%に設定した製図ペンで、勢いよく一気に引くと、自然なテーパーがつきます。何度もなぞって直そうとすると、逆に線が太くなりすぎて汚い印象になりやすいため注意してください。
色付き主線のテクニック(独自視点)
漫画と聞くと「主線は黒一択」と思いがちですが、実はカラー漫画やSNS向けの縦読み漫画(webtoon)においては、色付き主線が非常に効果的です。具体的には、キャラクターの肌部分の主線に明るいブラウン系(例:#8B4513のような暖色)を使い、髪の主線は紺系(例:#1A1A4E)を使うと、イラスト全体が柔らかく見え、色の統一感が高まります。
この方法をプロクリエイトで実装する場合、通常の黒主線レイヤーの上に新規レイヤーを追加し、ブレンドモードを「乗算」に設定して色付きブラシで塗り重ねるのが最もシンプルな方法です。主線を消さず色だけを重ねる形になるため、失敗してもすぐ元に戻せます。これは使えそうです。
手ブレがひどいときの対処法
Apple Pencilを使っていても、線が震えると感じる場合は、プロクリエイトの「筆圧とスムーズ」設定にある「モーションのフィルタリング」を活用してみてください。この機能は通常の手ブレ補正とは別に動作し、ストロークの細かいジッター(小刻みな震え)を平滑化します。アクション → 環境設定 → 筆圧とスムーズ → モーションのフィルタリング の順で設定できます。
procreateの主線ブラシ設定|きたくいな(主線の描き方・筆圧調整の実例)

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