日光の描き方|漫画で使える基礎から時間帯別の表現まで

日光の描き方|漫画で使える基礎から時間帯別の表現まで

漫画やイラストで日光を描く際、光源の位置や影の付け方に悩んでいませんか?季節や時間帯によって変わる太陽光の表現テクニックから、キャラクターを魅力的に見せる光と影の使い方まで、初心者でも実践できる具体的な描き方を解説します。あなたの作品に説得力のある日光表現を取り入れてみませんか?

日光の描き方基礎

この記事でわかること
☀️
日光と影の基本法則

光源の位置による影の付き方と、立体感を出すための陰影テクニックを習得できます

🎨
時間帯別の色選び

朝・昼・夕方・夜で変わる太陽光の色味と影色の使い分け方法がわかります

デジタル作画での実践

レイヤー効果や合成モードを使った効率的な日光表現の手順を学べます

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日光表現に必要な基礎知識と光源設定

漫画で日光を描く際、まず理解すべきは光源の位置と影の関係なんです。太陽光は自然界で最も強力な光源であり、その位置によってキャラクターや背景に落ちる影の形状が大きく変化します。
参考)イラスト制作のライティング表現を解説!光の描き方応用 - イ…

日光表現の基本として覚えておきたいのが「ハイライト」「明暗境界線」「反射光」「落ち影」の4つの要素です。ハイライトは物体の中で最も明るい部分を指し、明暗境界線は光が当たる場所と影になる場所の境目になります。反射光は地面や壁から跳ね返った光が影側を明るく見せる現象で、落ち影は物体が光を遮ることで地面にできる影のことなんです。​
光源の位置設定については、構図を考える段階から決めておくことが重要です。ラフの時点で太陽の位置を明確にし、大まかな影と光を描き込んでおくと、後の作業がスムーズに進みます。
参考)光と影の入り方で印象を変える!雰囲気のあるイラストの描き方

CLIP STUDIO TIPS - 日光:光と影の基本解説
こちらのサイトでは、日光による光と影の基本的な描き方について、実例を交えて詳しく解説されています。

 

日光の時間帯別表現テクニック

時間帯によって太陽の角度が変わり、光源色・環境光・影色が大きく変化するのが日光表現の面白さです。正午は太陽が最も高い位置にあるため、光源色は白、環境光は青、影色は暗い青になり、影の長さは短くなります。この時間帯はローカルカラー(固有色)がほぼそのまま表れるため、最も描きやすい時間帯といえるでしょう。
参考)背景とキャラがなじむ! 時間帯による色の選び方

朝の日光は光源が横から当たるため、光源色は白味の黄色または淡い橙色になります。影は青色で長さが長くなり、物体全体がやや黄色気味に染まる特徴があります。明け方であれば光源側は黄色が強く、影側は冷たく青白い色合いになるんです。
参考)日光:光と影 by SpaceGorilla - お絵かきの…

夕方の日光表現では、光源色が黄色またはオレンジに変化し、環境光は赤・オレンジ・黄色・紫のグラデーションになります。影色は赤みの紫で、影の長さは非常に長くなるのが特徴です。太陽が水平線に近づくほど赤味が増し、全体的にオレンジが強調された色合いになります。​
夜の日光表現では、月を含む空からの光が非常に弱くなり、光の当たり方が全体的に均一になって暗く青い色合いになります。人間の目は暗いところでは色数が極端に少なく見えるため、黒・灰色・青だけの世界として表現するのが効果的なんです。​
いちあっぷ - 時間帯による色の選び方詳細ガイド
時間帯ごとの光源色・環境光・影色について、カラースキームとともに実例を見ながら学べる参考サイトです。

 

日光表現における季節と天候の描き分け

季節によっても日光の質感と色味が大きく変わることを知っておくと、作品の表現力が格段に上がります。春の日光は柔らかく、全体的にピンクに近い色合いになるのが特徴です。​
夏の日光は光が硬く、青色が強調されます。強い日光が地面から照り返して影色も少し明るくなり、太陽の位置を上にすることでより夏らしさを演出できるんです。秋はやや硬めの光で、赤やオレンジが強調された暖かい色合いになります。​
冬の日光はかなり柔らかく、全体的に冷たい色合いで彩度が低いのが特徴です。日光を横から当てるとより冬らしさの演出につながります。​
天候による描き分けも重要なポイントです。曇りの日は固有色が見えづらくなり、柔らかい光で青色がわずかに強調されます。日中の雨は曇りよりも明るくなり、青色がわずかに強調され、さらに柔らかく白い靄のようなライティングになるんです。​

日光の影色と反射光の使い方

影色の選び方は日光表現の質を大きく左右する重要な要素なんです。影を一色だけで塗るのではなく、複数の色を使うことで見ごたえのあるイラストになります。例えば深い緑だけだと重たく感じる場合、人物の上半分に青寄りの明るい緑をエアブラシで足すといった工夫が効果的です。
参考)光と影は表裏一体!絵の幅が広がる「影」の付け方

影の色が青く見えるのは、影部分に空(環境光)の青い光が反射しているからなんです。正午の日光では影色は暗い青になり、夕方では赤みの紫になるなど、時間帯によって影色を変えることで説得力が増します。​
反射光の強弱も重要なポイントです。地面が白くてツルツルの場合は反射光が強くなり、影側でも明るく見えます。逆に地面が黒くてザラザラの場合は反射光が弱くなるため、影はより濃く表現されるんです。​
環境光を意識することで、キャラクターを背景に馴染ませることができます。背景が緑色の空間ならキャラに当たるバックライトが緑系統になり、赤い部屋なら赤色に環境光の色合いが変化していきます。​

日光表現のデジタル作画技法とレイヤー活用

デジタルツールを使った日光表現では、レイヤーの合成モードを効果的に活用することが重要なんです。影を描く際は乗算レイヤーを使用し、シャドウレイヤーの上に新しいレイヤーを作成してプロパティを乗算に変更します。
参考)レイヤーの合成モードの使い方-光の表現- href="https://tips.clip-studio.com/ja-jp/articles/1178" target="_blank">https://tips.clip-studio.com/ja-jp/articles/1178quot;レイヤーの種類・…

光の表現には「加算発光」と「覆い焼き発光」の使い分けがポイントになります。加算発光を使用すると柔らかい印象の明るさが出せ、覆い焼き発光は加算発光よりも強めな印象の光り方になるんです。柔らかく光らせたいときは加算発光、強い光を表現したいときは覆い焼き発光効果を使うという使い分けが効果的です。​
「リニアライト」を使った光の追加も有効なテクニックです。レイヤー効果をリニアライトに設定し、明るめの色を画面の必要な部分にエアブラシで追加することで、雰囲気のある光表現が実現できます。不透明度を調整して自然な見た目に仕上げることが大切なんです。​
逆光表現を描く際は、後ろから光が射している状態として人物の外側の影と、透明感を出すために重なっていない部分の影を中心に削る処理を行います。影レイヤーにレイヤーマスクをつけてあげると、影を削ってもその後にやり直せるのでおすすめです。​
イラスト・マンガ教室egaco - ライティング表現の応用テクニック
14種類のライティング例と複数のライティングを組み合わせる方法について、実例を交えて詳しく解説されています。

 

光から描くアプローチも効果的な手法です。影色を全体に塗ってから光が当たっている部分を描くという方法で、光が当たっている部分をより意識しながら描くことができ、明暗がしっかりとした印象に残るイラストになるんです。​
仕上げテクニック

項目 手法 効果
影の追加 乗算レイヤーで複数色使用 深みのある立体感を表現
柔らかい光 加算発光レイヤー使用 朝顔の隙間などの繊細な光表現
強い光 覆い焼き発光レイヤー使用 直射日光や眩しさの演出
環境光 リニアライトで色調整 キャラクターと背景の一体感
エフェクト 光の粒やチリの追加 空気感と雰囲気の演出

日光表現で作品の雰囲気を操作する応用技法

日光の当て方を変えるだけでイラストの印象がガラリと変わり、見る人の感情を操作できるのが光表現の面白さなんです。下から照らすアッパーライトを使えばホラーな雰囲気を演出でき、柔らかめの逆光ならロマンチックな印象になります。​
木漏れ日の表現も効果的なテクニックです。光の形を変えることで、画面外の木の存在を感じさせることができ、キャラクターのシルエットを強調してより印象深い演出ができるんです。光源は物に遮られるとその形が変わるため、光の形によっては視線を誘導することも可能になります。​
構図の段階から光源を考えることも重要なポイントです。キャラの顔にしっかり光が当たり余白も左右均等だと安定感がありほっとする画面構成になります。一方、キャラの顔に影が落ち画面外へと延びる影とアンバランスな余白によって、不穏な雰囲気や物語が今にも始まりそうなドキドキするような画面構成を作れるんです。​
日常の光と影を観察して記憶しておくことが、表現力を高める最良の方法です。「この光の入り方は好きだな」と感じたら写真に撮っておき、イラスト制作の際に思い出して参考にすると構図を決める際に役立ちます。光と影は日常の様々な場面で見ることができるため、日ごろからよく観察をしておくことがとても大切なんです。​
季節にちなんだ日光の特徴を活かした演出も効果的です。春なら桜の花びらに透ける光、夏なら強烈な日差しと濃い影のコントラスト、秋なら紅葉を通した暖色系の光、冬なら雪に反射する柔らかい光といった季節感を表現できます。​