
コントラポストとは、体重を片足にかけて立つポーズを指すイタリア語由来の美術用語なんです。古代ギリシアやルネサンス期の彫刻作品、例えばミケランジェロのダヴィデ像などに顕著に見られる表現技法で、人物が最も美しく自然に見える立ち姿とされています。
参考)キャラに命を吹き込む!コントラポストによる自然な立ちポーズの…
AI画像生成において「contrapposto」というプロンプトを入力すると、この片足重心のモデル立ちポーズを再現できます。通常の「standing」だけでは棒立ち感が出てしまうところ、コントラポストを指定することで肩と腰のラインが左右非対称になり、S字カーブを描く躍動感のある立ち姿が生成されるんです。
参考)AIイラストで使えるポーズ用プロンプトを考える【STANDI…
漫画やイラストを描く際、キャラクターが棒立ちになってしまう悩みを抱える方は多いですが、このプロンプトを使えばAIが自動的に動きのある自然なポーズを作ってくれるため、下描きや参考資料として非常に便利です。
参考)https://www.palmie.jp/lessons/9
Stable DiffusionやNovelAIなどの画像生成AIでコントラポストを指定する基本的なプロンプトは「contrapposto」です。全身を映したい場合は「1girl, contrapposto, full body」のように組み合わせると効果的なんです。
参考)【Stable Diffusion】ポーズ用のプロンプト(呪…
より詳細な指定をする場合、「legs apart」(脚を広げる)や「hand on own hip」(片手を腰にあてる)などのタグを追加することでポーズの微調整が可能です。例えば「contrapposto, hand on own hip, armpits」と入力すれば、片手を腰に当てて脇が見えるモデル立ちが生成されます。
参考)モデル立ちポーズのプロンプト・画像生成結果 - Stable…
プロンプト作成のコツとして、画像のイメージを明確にし、「誰が」「どこで」「どのように」「どんな雰囲気で」といった要素を構造的に盛り込むことが重要です。カンマ区切りで細かく条件を追加する方が効果的で、「young woman, contrapposto, casual outfit, outdoor park, natural lighting, relaxed atmosphere」のように具体的に指定すると思い通りの画像が生成されやすくなります。
参考)画像生成AIはプロンプトが重要!イメージ通りに生成するおすす…
【Stable Diffusion】ポーズ用のプロンプト(呪文)集 - 開発室RIN
このリンク先では、コントラポストを含む100種類以上のポーズプロンプトが実際の生成画像付きで紹介されており、プロンプト作成の参考になります。
コントラポストを正しく描くには、人体の構造を理解することが不可欠なんです。まず肩と腰の軸は平行ではなく相反させることがポイントで、腰と膝の軸は平行になります。
参考)ポージングの基礎:コントラポスト編
具体的には、片足に重心がかかると骨盤の軸が上がり、その結果肩のラインは反対方向に傾くという仕組みです。重心がかかっている足は地面に対してピンと突っ張り緊張した状態になり、反対側の足は力が入っていないリラックス状態になります。
背骨のS字ラインを意識することも重要で、体正面の正中線を意識すると立体構造を把握するのに役立ちます。胸部・腹部・上腕・頭などパーツを組み立てるイメージで分けて描き、パーツの向きや関節の曲がり具合でコントラポストを表現しましょう。
ポージングの基礎:コントラポスト編 - MediBang Paint
メディバンペイントの公式サイトでは、コントラポストの3つのコツ(肩と腰の軸、背骨のS字、重心の位置)が図解付きで詳しく解説されています。
AI生成したコントラポストポーズは、漫画のキャラクター作画における下描きや参考資料として非常に有効なんです。まず生成したポーズ画像をトレース台やレイヤー機能で下敷きにし、自分のキャラクターデザインに合わせて調整していく方法があります。
ポーズ集や写真などのお手本を用意し、平均的な身体つきから描く練習をすることで、人体構造への理解が深まります。AI画像を参考にする際も同様に、生成されたポーズの骨格や筋肉の流れを観察し、なぜそのような形になっているのかを理解しながら描くことが上達の鍵です。
応用テクニックとして、曲げられる関節(腰、肘、手首、膝、足首など)を積極的に曲げることでさらに躍動感が出ます。また片足や片手を奥に配置することでも動きが出てくるため、AI生成時にアングルを指定するプロンプト(「from side」「from below」など)を組み合わせると立体的な構図が作れます。
参考)鉄板プロンプトの指示でアングルやポージングを変える!!【St…
コントラポストだけでなく、他のポーズ要素を組み合わせることで、より生き生きとした画像が生成できるんです。例えば「arched back」(体を反らす)を追加すると、体にS字カーブが強調され、シンプルな立ち姿でも躍動感が増します。
視点を変えるプロンプトも効果的で、「from side」(横から)や「cowboy shot」(カウボーイショット、腰から上)などを組み合わせると、全身のバランスが見やすい構図になります。また「arm behind head」(腕を頭の後ろに)や「hand on own thigh」(手を太ももに)といった腕の位置指定を追加すれば、ポーズに個性が出ます。
意外と知られていない組み合わせとして、「twisted torso」(体をねじる)とコントラポストを併用する方法があります。これにより振り返りながら片足重心で立つポーズが生成され、動的でドラマチックな構図が実現します。強調したい要素は前に配置し、ネガティブプロンプト(生成したくない要素)も明確に指示することで、より思い通りの画像が作れます。
参考)画像生成AIで理想のイラストをつくる方法!プロンプト入力のコ…
下記の表は、コントラポストと組み合わせて使える主要プロンプトの一覧です。
プロンプト | 効果 | 活用シーン |
---|---|---|
contrapposto | 片足重心の立ち姿 | 基本のモデル立ち、自然な立ち絵 |
hand on own hip | 腰に手を当てる | モデルポーズ、自信のある表情 |
arched back | 背中を反らす | S字カーブの強調、セクシーな雰囲気 |
arm behind head | 頭の後ろに腕を回す | リラックスした雰囲気、躍動感 |
twisted torso | 体をねじる | 振り返り、ドラマチックな構図 |
from side | 横からのアングル | 全身バランスの確認、プロフィール |
cowboy shot | 腰から上の構図 | 表情と上半身の強調 |
legs apart | 脚を広げる | 安定感、力強いポーズ |
初心者がコントラポストを描く際によくある失敗は、肩と腰の軸を同じ方向に傾けてしまうことなんです。これでは体のバランスが崩れ、不自然な立ち姿になってしまいます。対策として、肩のラインが右上がりなら腰のラインは左上がりになるよう、常に相反する関係を意識しましょう。
もう一つの失敗例は、重心の位置を理解せずに描くことです。立っているときの重心はおへその下から垂直に地面に下ろしたところにかかるため、重心がかかっていない足を地面にべったりつけて描くと違和感が出ます。重心のかかっていない足は軽く浮かせるか、つま先だけ地面に触れる程度にするとリアルになります。
AI生成においても、プロンプトが曖昧すぎると期待したポーズにならないことがあります。「かわいい女の子」のような抽象的な表現ではなく、「young woman, long black hair, casual dress, contrapposto, hands on hips」のように具体的に指定することが重要です。また、ネガティブプロンプトで「stiff pose」(硬いポーズ)や「symmetrical」(左右対称)を除外すると、より自然なコントラポストが生成されやすくなります。
参考)【2025年最新】初心者向けに画像生成AIプロンプトのコツ5…
以下は、失敗を防ぐための重要ポイントです。
人体構造があいまいな状態で練習を続けると自己流に描く癖がついてしまうため、ポーズ集や写真などのお手本を用意し、まずは平均的な身体つきから描く練習をしていきましょう。AI生成画像も同様に、そのまま模写するのではなく、なぜその形になっているのかを理解しながら活用することが上達への近道です。