
まず、白紙のキャンバスを作りましょう。
(キャンバスの作り方がわかってる人はココ飛ばしてください。操作が何もわからない人用です)
画面上部のメニューから「ファイル」→「新規作成」を選択
ごちゃごちゃっとした設定画面が出るので、下記のように設定。
「キャンバス」の項目以外は、全部のチェックを外しましょう。(クリスタEXの画面なので、PROの人は多少表示が違うかも)
キャンバス設定はこんな感じ。とりあえず「A4」を選べば、勝手にこう設定されるはずですが、されなかったら手動で以下のように値を入れてください。
サイズデカすぎるだろと思うかも知れませんが、Webでしか使わない場合でも、でっかいキャンバスに描いて、アップロードなどする場合は縮小したほうがキレイになります。
ネットでアニメの公式サイトなどから、トレースしたい絵を探して、画像として保存します。
クリスタの画面上部のメニューからファイル→読み込み→画像で読み込みます。
キャンバスに画像が読み込まれます。が、すごく小さいのでハンドルの端をドラッグして、好きなサイズまで大きくします。
次にレイヤーパネル(表示されてない場合は、画面上部のメニュー「ウインドウ」→「レイヤー」で出てくる)にて、トレース元の絵の設定をいじります。
何をやってるかというと、元絵そのままだとトレースしてなぞった線が見にくいので色を薄く(透明度を50%程度にする)しているのと、間違ってトレース元の絵のレイヤーに描き込まないようにロック(変更不可に設定)をしているということです。
次に、レイヤーパネルで「新規ベクターレイヤー」ボタン(なんと言えばいいのかわからんアイコン)をクリックして、ベクターレイヤーを追加します。
ベクターレイヤーは、線画を描くのに適したレイヤーで、線をベクターレイヤーで描き、塗りをラスターレイヤーで塗ると、とてもキレイに仕上がります。ここでは、「そーゆーもん」だと思ってください。
※このへんわかってる人は、ベクターじゃなくラスターレイヤーでやってもOK。
こんなふうにベクターレイヤーが追加されます。(ベクターレイヤーの見分け方は、レイヤー名の左に立方体のアイコンがついてるかどうかで見分ける)
塗ることまで考えると、ベクターレイヤーは「輪郭」「顔パーツ」「髪」とかで分けたほうがいいんですが、今回はとりあえずレイヤー1枚に全部描きます。
トレースに使うツールを設定します。
ツールは「直接描画ツール」の「ベジェ曲線」を使います。
コイツを使うと、ペンタブがなくても、キレイな曲線が引けなくても、いい感じにマウスで線が引けてしまうという初心者にはありがたいツールです。
ツールから「直接描画ツール」を選択し、サブツールパネルで「ベジェ曲線」を選びます。
直接描画ツールがどこにあんのか?は、上記の画像から察してください。ズラッと並んだツールアイコンの下の方にあります。
次に、ツールプロパティで、ツールの設定をします。
赤で囲った部分を、その画像のとおりに設定してください。
やっている設定は、こんな感じ。
線の太さは「ブラシサイズ」で変えます。(キーボードショートカットの "[" と "]" で線の太さを変えられるので便利。ショートカットは日本語入力オフで使うこと)
曲線の設定は「スプライン曲線」にしましたが、これが一番直感的に使えるからです。ベジェ曲線の扱いに慣れててる人は、「曲線」の部分を「2次ベジェ曲線」とか「3次ベジェ曲線」とかにしても良いかも。
トレース元の絵を見ながら、トレースしていきましょう。
とりあえず元絵の、髪の一部をトレースしてみましょう。
※元絵は、著作権などの問題でモザイクかけてあります。
元絵の線を、こんなふうにポチポチとクリックして、線を引いていきましょう。
トレース操作で最低限覚えることは3つ。
追加で、覚えておいたほうがいいのが2つ。
ESCの方は、なんとなくフィーリングで「途中キャンセルはESCだろ」って想像つくかも知れません。
もう一つの「線の途中にある点をクリックするとその点は消える」ですが、これがけっこう厄介。髪の毛のトレースをしてて、線と線が近い場合に、間違えて途中の点を消しちゃうことがあるんです。「画面で見てクリックに近い点を消す」という感じになってます。
この場合は、画面を拡大(マウスのホイールボタン)してから、慎重にクリックするか、いったん線を確定させて続きを引くかという感じです。
これを繰り返すとこんな感じになっていきます。
トレースした線画を見てみると、ところどころはみ出していますよね。
実はベクターレイヤーだと、こういうはみ出しが簡単に消せるんです。だから、あえてワザとはみ出したり、重なったりしてるのを放置して描いてるんですね。
はみ出しは「消しゴム」ツールの「ベクター消しゴム」サブツールで消せます。
ツールアイコンから「消しゴム」を選んで、サブツールパネルで「ベクター消しゴム」を選びます。
さらに、ツールプロパティの「ベクター消去」で「T」っぽいアイコンをクリック。
これで、線をクリックすると、別の線と交わる点までスパッと消せます。
消しゴムにもサイズがあって、キーボードショートカットの"[" と "]" (大カッコ)でサイズの拡大縮小ができるので調整しながら使ってください。
消しゴムだけじゃどうにもならなくて、なんというか根本的にこう…という場合、「線の制御点」を直接操作する方法があります。
ベクターレイヤーで引いた線は、「制御点」という点を線でつなぐことによってできています。これを直接操作するんですね。
すると、点をドラッグ移動できるようになります。
※線は、自動的に滑らかにつながるように再描画されるので、移動した点周辺の線は微妙にゆがみます。
他にも、制御点を削除したり追加したりといろいろできるんですが、ここをがんばって修正するよりも「トレースの線を引き直したほうが早い」というケースも多々あります。
とりあえず、このツールでベクターで引いた線を修正できるってことを覚えておいてください。
とりあえずこの記事では、トレースまでの解説ですが、塗りのヒントだけ。
塗りは塗りで、閉じてない箇所から塗りが漏れるとか、塗り残しができるとか、線画をレイヤー分けしてたときは「他のレイヤーを参照」とかを駆使しないといけないとか、色々あります。
トレース絵をSNSにアップするのは、厳密に言うと「フツーに著作権侵害」です。
侵害なんだけども、著作権を持っている側が、「実害がないから見逃し」てくれている感じです。
なお、日本の著作権では、トレース絵を使って利益を得たり、著作権元に損害が及ぶ(勝手に原作の最終回を描いて同人誌として売ったり)が目的の場合は「非親告罪」となって、著作権者以外の報告で「著作権違反」になります。(もともとは、映画とか漫画の違法アップロードとか対策だったっぽい?)
非親告罪というのは、著作権を持っている会社があなたのトレース絵に気づかなかった(か、わざとスルーしてた)としても、第三者の例えば田中くんが「アイツ!トレース絵を1枚10円で売ってます!著作権侵害だ!」と訴えれば、「著作権侵害」が成立してしまうというものです。AIの場合でも、キャラの特徴がバッチリ再現されている場合は、著作権侵害になる可能性が高いです。
そうなってしまうと、著作権保有者がスルーするつもりだったとしても、「いや、いいよそれくらい」とは言えず、「削除してください」とか「著作権使用料xx円いただきます」とかの話になってくると思います。
なのでまあ、SNSにあげる際は、見逃してもらってることを自覚した上で、自己責任で上げるという感じでしょうか。
ディズニーなんかは、そういうのめちゃめちゃ厳しいらしいし、ファンアートだったとしてもメチャ怒られるケースもあります。
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