

雷エフェクトは黄色で描かなければいけない、というのは思い込みで、プロは紫・青・白も使い分けてキャラの個性を3倍引き立てています。
雷エフェクトの描き方で最初にやるべきことは、ラフで全体の流れを決めることです。初心者が一番やりがちなミスは「最初からギザギザの形を意識しすぎること」で、これをやると線が固くなり、リアルな稲妻に見えなくなります。雷は電気が通りやすいルートを探しながら発生するため、自然と不規則なジグザグ形状になります。まずはザックリとした大きな流れを1本の線で描き、そこから細部を整えていくのが正しい順序です。
大きな流れを描いたら、枝分かれする細かい線を追加します。メインの幹から左右に短い枝線を伸ばすイメージで、2〜4本程度加えると一気に稲妻らしくなります。枝線が多すぎると画面がうるさくなるので、バランスを見ながら追加していきましょう。ラフで形を決める段階では、雷は曲線では描かないのが原則です。
ここで役立つ裏技があります。リアルな雷エフェクトを描く際、利き手で描くときれいすぎる線になってしまうため、あえて逆の手(利き手と反対側)で描くと自然と不規則なジグザグが生まれます。これは商業イラストレーターも実際に使うテクニックで、規則正しすぎる形を避けたいときに特に有効です。意外ですね。
雷のラフが描けたら清書の準備が整います。ラフで形の大枠が決まっていれば、清書はグッと楽になります。
参考:雷エフェクトの描き方のNG例と正しい手順を画像付きで解説
雷エフェクトの描き方・コツを解説!合成モードやフィルターで仕上げる方法 – egaco
ラフが完成したら清書に進みます。清書のポイントは「メリハリをつけること」と「先端を鋭くとがらせること」です。太い部分と細い部分をはっきり分けることで、稲妻の電気的なエネルギーが伝わりやすくなります。先端が丸くなると途端に弱々しく見えるので、Gペンなどペン先のとがったブラシで描くと自然と鋭い線になります。つまり「先端の鋭さ」が仕上がりの印象を8割決めます。
清書が終わったら、雷の外側にフチ(アウトライン)を付けましょう。フチをつけることでアウトラインが強調され、次の工程で加算発光モードを使って白飛びしたときでも、シルエットがしっかり見える状態を保てます。フチなしで発光処理をすると雷の形が飛んでしまい、ただの光の塊になりがちです。これは避けたいですね。
フチの色は「暗めのオレンジ」や「やや濃い同系色」にするのが一般的です。白の雷に白のフチでは意味がないので、コントラストがつく色を選びましょう。MediBang PaintやCLIP STUDIO PAINTならば「レイヤー効果」から一発でフチを追加できます。清書とフチ付けは実際には10〜15分程度で終わります。
清書とフチ付けが完了したら、いよいよデジタルならではの発光処理に進みます。ここからが雷エフェクトの「見た目のクオリティ」が劇的に変わる工程です。
参考:MediBang Paintを使った雷エフェクトの清書・発光処理の手順
かっこいい!エフェクトの描き方 【雷】編 – MediBang Paint
デジタルで雷エフェクトを仕上げるうえで最も重要な工程が、「ガウスぼかし」と「加算(発光)」の組み合わせです。この2つを使うだけで、手描きでは絶対に出せない内側から光が溢れるような発光表現が完成します。これが基本です。
手順は次の通りです。まず清書レイヤーを複製します。複製したレイヤーに「フィルター → ぼかし → ガウスぼかし」を適用し、数値は40〜50程度を目安にします。数値が大きいほどぼかし範囲が広がるので、プレビューを確認しながら好みの強さに調整してください。ガウスぼかしを当てた複製レイヤーを、合成モード「加算(発光)」に設定して元のレイヤーに重ねれば、発光した稲妻の完成です。
さらにクオリティを上げたい場合は、ガウスぼかしを当てたレイヤーをもう一枚複製し、上から「加算発光」で重ねると発光の強さが増します。逆に明るすぎる場合はレイヤーの不透明度を60〜80%程度に下げて調整します。CLIP STUDIO PAINTの場合は、合成モード「加算(発光)」のエアブラシで光らせたい箇所に色をのせる方法もあり、局所的な発光コントロールが可能です。
| 工程 | 使うツール | ポイント |
|---|---|---|
| ①清書レイヤー複製 | レイヤーパネル | 元の清書は必ず残しておく |
| ②ガウスぼかし適用 | フィルター機能 | 数値40〜50が標準的な目安 |
| ③加算(発光)設定 | 合成モード変更 | ぼかしレイヤーをさらに複製して重ねるとより強い発光になる |
| ④明るさ調整 | 不透明度・色調補正 | 白飛びしそうなら不透明度を下げる |
SAI2などのソフトでは「陰影と発光」モードや「リニアライト」「覆い焼き」が同様の役割を担います。薄い色ほど発光しやすい特性があるため、雷の色に薄めの黄色や水色を意図的に使うと発光効果が増します。これは使えそうです。
参考:CLIP STUDIO PAINTでの稲妻魔法エフェクト・加算発光の使い方チュートリアル
漫画(モノクロ)向けの雷エフェクトと、カラーイラスト向けの雷エフェクトは、描き方のアプローチが根本的に異なります。カラーイラストの発光処理をそのまま漫画に流用しようとすると、印刷したときに真っ黒な塊になるか、逆に消えてしまうかのどちらかです。ここは重要な注意点です。
漫画向けの雷エフェクトで効率的なのが、CLIP STUDIO PAINTの「集中線ツール」を流用する方法です。吹き出しツールの「密フラッシュ」を選択し、線の間隔・長さを調整して放射状の形を作ります。これをラスタライズし(レイヤーを右クリック→ラスタライズ)、Gペンで加筆・消しゴムで不要な線を削除して雷らしいギザギザの形に整えます。ラスタライズしないとブラシでの加筆ができないので注意が必要です。
仕上げとして、レイヤープロパティの「表現色」をモノクロに変更します。これを忘れると、印刷時にグレーが混入して意図しない仕上がりになります。漫画の雷エフェクトは枝分かれが少なくシンプルで、フチが太くはっきりしているのが基本スタイルです。
一方でリアル寄りの漫画表現(背景の遠景に稲妻を描くケースなど)では、フチなしで細い枝線を多く描くのがポイントです。フチが太い漫画的雷と、フチなしで細かい枝線が多いリアル雷の2スタイルを使い分けられると、表現の幅が大きく広がります。
漫画制作でモノクロのエフェクト全般について体系的に学びたい場合は、CLIP STUDIO PAINTのTIPSページに多数の実践的なチュートリアルが無料公開されているので、参照してみると良いでしょう。
「雷といえば黄色」というイメージを持っている人は多いですが、実際には雷エフェクトの色は黄色だけに限定されません。プロのイラストレーターは、黄色・白・青・紫・ピンクと、キャラクターのイメージや画面全体の色調に合わせて雷エフェクトの色を選んでいます。黄色だけ使っていると「上手く描けているのに個性がない」という状態になりやすいです。痛いですね。
色の選び方には以下のような基準があります。黄色は昼間の野外や自然現象の表現に合い、最もリアルに近いイメージを与えます。白は中心の光源に最も近い表現で、どんな背景色でも映えるため汎用性が高いです。青や紫は夜空や魔法的な場面、ダークな雰囲気のキャラクターに向いています。ピンクや緑はファンタジーや個性的なキャラクター専用技に使うと、一目で「そのキャラの固有のエフェクト」として認識させる効果があります。
実際のレイヤー構成で色を複数使う場合は、内側(白・明るい色)→外側(暗めの同系色)という配置にすると発光感が自然になります。pixivでプロ絵師の公開しているレイヤー構成例を見ると、「背景→白雷→黄色雷(ガウスぼかし&スクリーン)→エアブラシ雷(スクリーン)→エアブラシ雷 加算(発光)」の計5枚構成が多く見受けられます。この5枚構成が原則です。
また、雷エフェクトはキャラクターに光の反射(環境光)を追加することで、絵全体のリアリティが大幅に上がります。稲妻がキャラクターの近くにある場合、キャラクターの肌や服にも「加算発光」レイヤーで薄く雷の色をのせましょう。これを省略するとキャラクターと背景のエフェクトが「別々の絵」に見えてしまう典型的な失敗パターンです。
色選びひとつで、同じ形状の雷エフェクトでも印象がまるで変わります。複数の色バリエーションを試して、自分のキャラクターに合ったスタイルを見つけることが、雷エフェクト上達の近道です。
参考:稲妻エフェクトのブラシと色の使い方について詳細解説
稲妻エフェクトを描こう!ブラシを使って電撃のクオリティを上げるコツ – MediBang Paint