ホイップクリームの描き方|初心者が立体感を出すコツ

ホイップクリームの描き方|初心者が立体感を出すコツ

ホイップクリームをリアルに描くには光源の位置と陰影のバランスが重要です。絞り出しの形状や質感表現のテクニックを知りたくありませんか?

ホイップクリームの描き方基礎

この記事でわかること
🎨
立体感を出す陰影の付け方

光源を意識した明暗のつけ方で滑らかな質感を表現できます

絞り出しの形状表現

渦巻きや筋の描き方で本物らしさが格段にアップします

🖌️
デジタルツールの活用法

レイヤー構成とブラシ選びで作業効率が劇的に変わります

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ホイップクリームは漫画やイラストで頻繁に登場する食べ物モチーフですが、その滑らかな質感と立体感を表現するのは意外と難しいんです。
参考)生クリーム描き方のコツとテクニックで質感表現を極める

実はホイップクリームを描く際、多くの初心者が陥りやすい失敗があります。それは「白すぎる表現」なんですね。実際のホイップクリームは純白ではなく、わずかに黄色みがかっていたり、周囲の色の影響を受けているため、適度なグレーや色味を加えることでより自然な表現になります。​
また、ホイップクリームの描き方を習得すると、ケーキやパフェなどのスイーツイラスト全般に応用できるのも大きなメリットです。デジタルツールを使えば専用のブラシやレイヤー効果で効率的に美味しそうな質感を再現できますよ。
参考)お菓子の描き方 by 蒼琉夜 - お絵かきのコツ

ホイップクリームの基本形状を理解する

ホイップクリームを描く前に、その形状と構造を理解することが大切なんです。​
まずホイップクリームの特徴として押さえておきたいのが、以下のポイントになります。​

  • 表面は滑らかで柔らかな質感を持つ
  • 絞り出し口の形状によって表面に特徴的な筋や模様ができる
  • 光を反射しやすく、適度な光沢感がある
  • 重力の影響で下部が少し広がった形になる

形状を描く際は、まずホイップクリームの用途によって異なるフォルムを意識しましょう。ケーキの上に絞られたものは山型や渦巻き状、パフェに添えられたものは丸みを帯びた形など、描きたいシーンに合わせた形状を参考資料で確認するとよいでしょう。​
絞り袋の口金には星型や丸型などの種類があり、それぞれ特徴的な筋のパターンが生まれます。例えば星型の口金で絞ると、縦に走る筋が放射状に配置された形状になるんですね。​
CLIP STUDIO TIPSのお菓子描き方講座では、ホイップクリームの形状を長方形に分割してから描く手法が紹介されており、初心者でも立体的な構造を理解しやすくなっています。

ホイップクリームの色選びと下塗り

ホイップクリームを描く際の色選びは、完成度を大きく左右する重要なポイントです。​
純白ではなく、少しグレーがかった白を使うのが基本なんです。実際のホイップクリームは環境光や周囲の色の影響を受けるため、真っ白で塗ってしまうと平面的で不自然な印象になってしまいます。​
デジタルで描く場合の下塗りの手順は以下の通りです。​

  1. 新規レイヤーにホイップクリームの大まかな形を描く
  2. 中間色(純白ではなく、少しグレーがかった白)で全体を塗る
  3. 下塗りレイヤーの上に影用レイヤーを作成する
  4. ハイライト用のレイヤーも別に用意しておく

色の選び方として覚えておきたいのが、ホイップクリームの種類によって色合いが異なるという点です。生ホイップクリームはやや黄色みのある白、植物性ホイップは純白に近い色になります。​
周囲の食材の色も考慮に入れましょう。例えばイチゴが近くにあれば、ホイップクリームにも薄くピンク系の色を反射光として加えると、より自然でリアルな表現になるんです。​
生クリームの質感表現を極める技法解説では、オーバーレイレイヤーを使って周囲の食材の色を薄く乗せる方法が詳しく説明されています。

デジタルツールでのレイヤー構成

デジタルでホイップクリームを描く場合、効率的なレイヤー構成を意識することで作業がスムーズになります。​
おすすめのレイヤー構成は以下のようになります。​

レイヤー名 用途 レイヤーモード
下塗り 基本の形と色を決める 通常
影1 基本的な陰影をつける 乗算
影2 より深い影を追加 乗算
ハイライト 光沢感を出す スクリーンまたは加算(発光)
筋・模様 絞り出しの筋を描く 通常

レイヤーを分けることで、後から調整がしやすくなります。特に白いホイップクリームは微妙な色の変化が重要なので、レイヤーごとに透明度を調整できるようにしておくと便利なんですね。​
レイヤーモードを活用することで効果的に質感を表現できます。例えば乗算レイヤーを使えば、下のレイヤーの色を暗くしつつ色味を保てるため、自然な影の表現が可能です。​
CLIP STUDIO PAINTやメディバンペイントなどのペイントソフトには、クリーム専用のブラシ素材も用意されています。これらを活用すると、手描きでは難しい複雑な質感も簡単に再現できますよ。
参考)【食べ物の描き方】ブラシを使ってショートケーキを描いてみよう…

ホイップクリーム専用ブラシの選び方

デジタルツールでホイップクリームを描く際、適切なブラシを選ぶことで作業効率が大幅に向上します。​
ホイップクリームの描画に適したブラシの種類は以下の通りです。​

  • 水彩ブラシ:滑らかなグラデーションを作るのに最適
  • Gペン:筋や細かいディテールの描き込みに使用
  • エアブラシ:柔らかな影やハイライトの表現に活用
  • 専用クリームブラシ:既に質感が設定されているので初心者向け

CLIP STUDIO ASSETSやメディバンペイントのブラシストアでは、ホイップクリーム専用のブラシが無料・有料で配布されています。これらのブラシを使えば、クリームの色味がある程度決まっているため、色選びが苦手な人でも扱いやすいんです。
参考)検索 - CLIP STUDIO ASSETS

ブラシで描いたクリームの色に合わせて、土台のクリームやスポンジの色を決めることができるので、全体の色調を統一しやすくなります。​
Illustratorでホイップクリームのような線を作る場合は、ブラシツールを使って基本形状を作り、それに立体感を持たせる方法があります。まず基本となる線を描き、それを膨らませて立体的な形状にし、最後に筋や模様を加えていくという手順ですね。
参考)Tutorial_ホイップクリームのアートブラシを作る href="http://illustrator-labo.com/?p=1236" target="_blank">http://illustrator-labo.com/?p=1236amp;#…

Illustratorでホイップクリームな線を作る方法の動画では、具体的な操作手順が詳しく解説されています。

ホイップクリームの立体感を出す光源設定

ホイップクリームの立体感を出すためには、光源の位置を明確に決めることが最も重要です。​
光源設定の基本的な考え方として、ホイップクリームは「外側のエッジが最も明るくなり、その下の部分が最も暗くなる」という特性があります。これは絞り出されたクリームの凸凹した形状が光を受けるためなんですね。​
光源位置による陰影のパターンは以下のようになります。​

  • 上方からの光源:クリームの頂点と盛り上がった部分が明るく、下部や凹んだ部分が暗くなる
  • 斜め上からの光源:片側に明るい面、反対側に影ができる最も一般的なパターン
  • 逆光:輪郭が光り、中心部が暗くなる印象的な表現

光が当たる部分には暖色系の明るい色を、影になる部分には青みがかったグレーを使うと、より自然な立体感が生まれます。これは環境光の影響を再現する技法で、プロの絵師も頻繁に使用するテクニックなんです。
参考)https://www.palmie.jp/lessons/323

光源を意識した陰影のつけ方講座では、球体や円柱などの基本形状への光の当て方が詳しく解説されており、ホイップクリームの立体表現にも応用できます。

ハイライトと影の効果的な配置方法

ハイライトと影を適切に配置することで、ホイップクリームの質感がぐっとリアルになります。​
ハイライトの付け方には、明確なルールがあるんです。​

  • 光源に最も近い盛り上がった部分に白または明るい色を置く
  • 絞り出しによってできた筋の凸部分に沿ってハイライトを入れる
  • 大きなハイライトは柔らかく、小さなハイライトは鋭く描く
  • 最も明るい部分(ハイライト)は最後まで取っておく

影の付け方も重要なポイントです。​

  • 凹んだ部分や他の物体との接地面に影を入れる
  • 影の色は青みがかった灰色や、周囲の食材の色の影響を受けた色を使用する
  • 影は段階的に描く(1影→2影の順で濃くしていく)
  • 影のエッジはブレンドツールで馴染ませる

実際の描画では、まず中間色で全体を塗り、次に影を入れ、最後にハイライトを加えるという順序で作業すると効率的なんですね。この手順を守ることで、色を塗り重ねる際の迷いが減り、スムーズに作業を進められます。​
CLIP STUDIO TIPSの講座では、クリップしたレイヤーを使って前に作成したスケッチに従って影を配置し、エッジをブレンドする手法が紹介されています。​

絞り出し模様の筋を描くテクニック

ホイップクリームの説得力を高める重要な要素が、絞り出しによってできる特徴的な筋や模様です。​
筋の描き方の基本手順は以下の通りになります。​

  1. まずホイップクリーム全体の形状を決める
  2. 周囲に対角線を引き、長方形に分割する
  3. 絞り袋の口金の形状(星型、丸型など)に合わせた筋のパターンを観察する
  4. 筋の流れる方向を意識しながら、凸部と凹部を描き分ける

星型の口金で絞ったホイップクリームの場合、縦に走る筋が放射状に配置された形状になります。この筋は単なる線ではなく、それぞれが小さな凸凹を作っているため、光と影の表現も必要なんですね。​
筋を描く際のコツとして、均一に描きすぎないことが挙げられます。手作業で絞り出すホイップクリームは、完全に均等な形にはならないため、適度な不規則さを残すことで自然な印象になります。​
丸型の口金の場合は、筋がなく滑らかな表面になりますが、その分光沢感と滑らかなグラデーションを強調する必要があります。水彩ブラシやエアブラシを使って、柔らかな色の変化を表現しましょう。​

ホイップクリームの時間経過を表現する

通常のイラストでは描かれることが少ない「ホイップクリームの経時変化」を表現することで、作品に独自性と深みを加えることができます。​
時間経過によるホイップクリームの変化には、以下のような特徴があるんです。​

  • 絞りたては形がシャープで筋がくっきりしている
  • 時間が経つと重力で少しずつ形が崩れてくる
  • 表面の光沢がやや失われ、マットな質感になる
  • 色がわずかにクリーム色に変化する

これらの変化を一枚の絵の中で表現することで、時間の経過や物語性を加えることができます。例えば、パフェの一部は絞りたてのホイップクリーム、別の部分は少し崩れかけたホイップクリームというように描き分けることで、リアリティと奥行きが生まれるんですね。​
季節感を表現するテクニックとして、夏場のホイップクリームは溶けかかった表現を、冬場はしっかりと形を保った表現をすることで、見る人に季節を感じさせることができます。​
絞りたてのホイップクリームは純白に近いですが、時間が経つにつれて少しクリーム色に変化していきます。この微妙な色の変化を表現することで、よりリアルな描写になりますよ。​

ホイップクリームの種類別描き分け

実はホイップクリームにも様々な種類があり、それぞれ質感や特徴が異なります。​
主な種類と描き分けのポイントは以下の表の通りです。​

種類 色合い 質感 ハイライト
生ホイップクリーム やや黄色みのある白 軽く繊細 柔らかく控えめ
カスタードクリーム 黄色みが強い 濃厚でなめらか やや強め
バタークリーム 濃い黄色 重く粘性が高い 強めで鋭い
植物性ホイップ 純白に近い 生クリームより軽い 柔らかめ

生ホイップクリームは動物性の乳脂肪を使用しているため、やや黄色みがかった色になり、軽く繊細な質感が特徴です。ハイライトは柔らかく控えめに入れることで、その軽やかさを表現できます。​
植物性ホイップは生クリームよりも白く、真っ白で光沢を抑えめに表現するのがポイントなんです。対照的にバタークリームは黄色みが強く、光沢も強めに表現することで、その濃厚さを伝えられます。​
それぞれの種類によって、使用する色や質感表現、ハイライトの入れ方を変えることで、より本物らしい表現が可能になります。描きたいスイーツに合わせて、適切な種類のクリームを選んで描き分けましょう。​

周囲の食材との色の調和テクニック

ホイップクリームは周囲の食材の色に影響されやすいという特性があり、これを上手く表現することでより自然で美味しそうな絵になります。​
周囲の食材からの色の反射を表現する方法は以下の通りです。​

  • イチゴが近くにあれば、ホイップクリームにも薄くピンク系の色を反射光として加える
  • チョコレートケーキの上のクリームには、わずかに茶色みを帯びた影を入れる
  • 抹茶スイーツと組み合わせる場合は、緑がかった色を薄く乗せる

この色の反射を表現するには、オーバーレイレイヤーを使って周囲の食材の色を薄く乗せる方法が効果的なんです。大きめのブラシで食材に近い部分にふわっと色をのせると自然な印象になります。​
背景色との調和も重要なポイントです。白いホイップクリームは背景色の影響も受けやすいため、背景が暖色系なら少し暖かみのある白に、寒色系の背景なら少し青みがかった白にすることで、全体の色調が調和します。​
ホイップクリームの質感をより引き立てるために、背景色は生クリームと対比的な色を選ぶと効果的です。例えば白いクリームには濃い茶色やネイビーの背景を使うと、クリームの白さが際立ちます。​

初心者向けステップバイステップ手順

ホイップクリームの描画に挑戦する初心者のために、失敗しにくい具体的な手順を紹介します。​
Step 1: 下準備と資料集め
まずは参考になるホイップクリームの写真や画像を複数用意しましょう。様々な角度や光の当たり方の資料があると理想的です。実際のホイップクリームを観察するのも非常に効果的なんですね。​
Step 2: アタリを描く
ホイップクリームの基本的な形状をラフに描きます。この段階では細部にこだわらず、全体のバランスと配置を決めることに集中しましょう。​
Step 3: 下塗り
中間色(純白ではなく、少しグレーがかった白)で全体を塗ります。デジタルの場合は別レイヤーで作業すると良いでしょう。​
Step 4: 陰影をつける
凹んだ部分や影になる部分に陰影をつけていきます。影は青みがかった灰色や、周囲の食材の色の影響を受けた色を使用するのがポイントです。​
Step 5: 筋や模様を描く
ホイップクリームの特徴的な筋や模様を描き加えます。絞り袋の口金の形状によって筋のパターンが変わるので、描きたいタイプに合わせて表現しましょう。​
Step 6: ハイライトを入れる
光が当たって明るく見える部分にハイライトを入れます。この段階で初めて純白を使用し、ハイライトは控えめに入れるのがコツなんです。​
Step 7: 周囲との調和を確認
ホイップクリームと周囲の食材や背景との色の調和を確認し、必要に応じて調整します。​
Step 8: 仕上げ
全体のバランスを見て微調整を行い、必要に応じて細部のディテールを加えて完成させます。​
この手順に従って練習を重ねることで、徐々に自分なりの描き方が確立されていきますよ。​