手首テーピングの巻き方で腱鞘炎を防ぐ正しい手順

手首テーピングの巻き方で腱鞘炎を防ぐ正しい手順

漫画を描く人に多い手首の腱鞘炎。テーピングの巻き方を間違えると逆効果になることをご存じですか?種類の選び方から手順、NGな巻き方まで徹底解説します。

手首テーピングの巻き方と腱鞘炎予防の正しい知識

強く巻けば巻くほど、あなたの手首の回復は遅くなります。


この記事の3つのポイント
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テーピングの種類を選ぶのが最初の一歩

「伸縮タイプ」と「非伸縮タイプ」では目的がまったく異なります。漫画を描く人には、手首の動きを残しながらサポートできる伸縮タイプが基本です。

🩹
「手の形」を決めてから巻くのが正解

ペンを持つときと同じ角度で手首を固定した状態で巻かないと、作業中にテーピングがずれたり、逆に手首を締め付けすぎたりします。

⚠️
就寝中のテーピングは逆効果になることも

寝ながらテーピングをしても関節保護の効果はほぼなく、長時間の密封で肌がかぶれるリスクだけが高まります。外して寝るのが原則です。


手首テーピングの種類と漫画を描く人に合った選び方


テーピングには大きく分けて「非伸縮タイプ(ホワイトテープ)」と「伸縮タイプ(キネシオロジーテープ)」の2種類があります。この2つは見た目こそ似ていますが、目的がまるで違います。


非伸縮タイプは伸びない素材で、骨折や捻挫などのケガ直後に患部をがっちり固定することを目的としています。一方、伸縮タイプは体の動きに合わせて伸び縮みするため、筋肉や腱のサポートをしながら動きを保つことができます。漫画を描く作業は、一定の方向にペンを動かし続ける「反復動作」が長時間続きます。つまり完全固定よりも、「動かしながら守る」ことが求められる場面です。


つまり伸縮タイプが基本です。


幅は手首に巻く場合、37.5mm〜50mm幅が使いやすいとされています。はがきの短辺が約100mmなので、その半分弱くらいの幅感をイメージすると選びやすいです。また、皮膚が敏感な方やテーピング初心者には、「自着式テープ(テープ同士だけがくっつき、肌には直接貼り付かないタイプ)」も選択肢になります。巻き直しが何度でもできるため、力加減を調整しながら練習できる点がメリットです。


肌が弱い方には自着式テープが条件です。


なお、ダイソーなど100均でも幅5cmの伸縮テーピングが販売されており、初めてテーピングを試す漫画志望者には手軽な入口になります。ただし粘着力や耐久性はメーカー品より劣る場合があるため、効果を実感したい場合はニチバン・バトルウィンやPLEADYなどのスポーツ向けテーピングブランドを検討しましょう。


テーピングの種類と特性の詳細(PLEADY公式)|非伸縮・伸縮それぞれの使い分けについて、わかりやすく解説されています


手首テーピングの巻き方の手順【漫画・絵描き向け】

正しい手順で巻かないと、テーピングは「効果なし」どころか「逆効果」になる可能性があります。特に漫画を描くときの手首は、真っすぐではなく少し小指側に傾いた状態で使うのが普通です。この姿勢を無視して真っすぐな状態でテーピングを巻くと、実際の作業中に手首が締め付けられてしまいます。


まず準備として、テープの角を丸くカットしておきます。これだけで剥がれにくさが格段に変わります。長方形の角をすべて丸くするのがポイントで、はさみで少し切り落とすだけで十分です。


次に手の角度を決めます。ペンを持つときと同じ自然な角度——手の甲をやや上に向け、少し小指側に傾けた状態——にしておきましょう。この「作業姿勢」のまま固定してテープを巻くことが、仕上がりの快適さを左右します。


手順は次のとおりです。


  • 親指の付け根から手首にかけて、1枚目のテープを縦に貼る(親指の可動域を守るため、やや余裕を持たせる)
  • ② 手の甲を上に向け、尺骨(小指側の手首の骨の出っ張り)の上を起点として、外側に向けて手首を1〜3周巻く。巻くたびにテープを半分ずつ重ねながらずらしていく
  • ③ 強度を高めたい場合は、19mm〜25mm幅のホワイトテープ(非伸縮)を上からさらに巻く
  • ④ 最後にテープの端を手のひら側で止め、熱を少し加えて(手でこするだけでOK)粘着力を高める


1周巻きで「軽いサポート感」、3周巻きで「しっかり固定感」というイメージです。最初は1〜2周から試してみて、自分に合った周数を見つけるのがおすすめです。これが基本です。


巻き終わったら必ず「指先の色」を確認しましょう。爪や指先が赤黒くなっていたり、痺れがある場合は強く巻きすぎているサインです。すぐに巻き直してください。


手首テーピングで「やってはいけないNG」3つ

テーピングで多いミスは、「巻けばOK」という思い込みからくるものです。実際には「巻き方を間違えると、巻かないよりも状態が悪化する」ケースが報告されており、注意点を知っておくことは非常に重要です。


NG①:強く引っ張りながら巻く


テーピングを伸ばしてしっかり固定しようとするのは逆効果です。強く巻きすぎると血行障害を引き起こします。手首は内側に多くの血管・神経が集まっているため、過度な圧迫は「指先の冷え・しびれ・色の変化」などのサインとなって現れます。指先が赤黒くなっている場合は、すぐに外すことが条件です。


NG②:就寝中に巻いたまま寝る


「夜寝ている間もテーピングすれば回復が早い」と考える方は少なくありません。しかし就寝中は関節をほとんど動かさないため、テーピングによるサポート効果はほぼ発揮されません。それどころか、長時間皮膚が密封されることで蒸れが生じ、かぶれや接触性皮膚炎を引き起こすリスクが高まります。痛いですね。テーピングは「動かすとき」のためのもので、就寝前は外すのが原則です。


NG③:同じテーピングを何日も貼り続ける


「まだ剥がれていないから大丈夫」は危険な思い込みです。汗や皮脂がテープと肌の間に溜まると、肌のバリア機能が低下します。その状態で長時間テープを貼り続けると、かぶれや発疹が発生します。特に夏場や長時間の作業後は、1日ごとの貼り替えが理想的です。貼り替えの際は、皮膚を指で押さえながら体毛の流れに沿ってゆっくり剥がすことで、肌へのダメージを最小限に抑えられます。


テーピング後の血行不良に関する解説(日本平成大学)|血行不良のサインや対処法が詳しく説明されています


手首テーピングの効果を高める「アンダーラップ」活用法

テーピングの肌かぶれに悩んでいる絵描き・漫画志望者には、「アンダーラップ」の活用を検討してみてください。アンダーラップとは、テーピングを巻く前に皮膚の上に巻く保護用の薄いスポンジ状のテープです。これを1層挟むだけで、直接皮膚にテーピングが触れなくなるため、かぶれのリスクを大幅に下げることができます。


アンダーラップはテープの固定力を若干下げますが、繊細な肌の方や長時間の作業が続く方には価値のある選択肢です。スポーツ用品店や薬局で500円〜1,000円程度で購入できます。手首1周に必要な長さは約15〜20cm(名刺の長辺2枚分ほど)です。


アンダーラップを使う場合の手順は、① 手首にアンダーラップを1〜2周巻く、② その上に伸縮テーピングを通常通り巻く、③ 仕上げとして伸縮テープやホワイトテープでコーティングする、という流れです。コーティングまでするかどうかは強度の好みで決めてもかまいません。


これは使えそうです。


さらに一歩進んだ方法として、「コーティング巻き」があります。伸縮テープで手首を巻いた後、最後に再度伸縮テープ(またはソフト伸縮テープ)で全体を覆うように巻くことで、内側のテープのズレを防ぎ、長時間の作業でも効果が持続します。東洋医療専門学校が公開しているテーピング動画でも、この「最後に全体をコーティングする一工程」が最も重要なポイントとして紹介されています。


ケガ予防の手首テーピング手順(東洋医療専門学校)|アンダーラップ〜コーティングまでの6ステップ手順が詳細に紹介されています


漫画を描く人だけが陥りやすい「テーピング依存」の落とし穴

ここからは、検索上位記事にはほぼ書かれていない独自の視点をお伝えします。テーピングは非常に便利なアイテムですが、「毎日当たり前のように巻く」習慣が長期間続くと、思わぬ問題が生じることがあります。


手首や指の筋力は、テーピングで動きを制限しながら使い続けることで、段々と低下していく可能性があります。これは「廃用性萎縮」と呼ばれる現象で、サポーターや固定具に頼りすぎることで本来の筋肉が使われず弱くなっていく状態です。テーピングは「補助輪」であって「完全な代替品」ではありません。


「毎日テーピングしないと怖い」と感じるようになったら、依存が始まっているサインかもしれません。


テーピングを外している時間に、手首まわりのストレッチや軽いケアを行うことが重要です。具体的には、① 5本の指を大きく開いてゆっくり閉じる「グーパー運動」を1セット10回、② 反対の手でゆっくり手首を曲げ伸ばしするストレッチを各方向20秒ずつ、といった動作が有効とされています。作業の合間に1時間に1回程度行うだけでも、腱への負担を分散させる効果が期待できます。


また、テーピングをしながらも「筋力維持・血流改善」を意識したい方には、「キネシオロジーテープ(キネシオテープ)」が選択肢として浮かびます。これは皮膚を持ち上げるように貼ることで血流やリンパの流れを促進する使い方ができるため、固定よりも「回復サポート」を重視する局面に向いています。ただし貼り方が特殊なため、初回は整骨院や接骨院でプロに貼ってもらい、正しい方向と角度を覚えることをおすすめします。


腱鞘炎の悪化や痛みが3週間以上続く場合は、テーピングでの自己対処ではなく整形外科への受診が必要です。早期に対処するほど回復期間は短くなります。これが重要な原則です。


医師監修:腱鞘炎とサポーター・テーピングの関係(整形外科森クリニック)|長期使用のリスクと適切な使い方について、医師の視点から解説されています




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