
集合体を描く際、最も重要なのはキャラクター全員が同じ空間に存在しているという説得力なんです。この説得力を生み出すのが、共通のアイレベル(目線の高さ)と消失点の設定になります。
参考)初心者も簡単!人物パースの描き方 - オンラインイラスト教室…
まず、イラスト全体の基準となるアイレベルと消失点を決めてから、その空間の中に基準キャラクターを一人配置します。次に、その基準キャラクターの頭の高さと足元から消失点に向かってパース線を2本引くことで、同じ身長のキャラクターが立つことができる範囲を示すガイドラインが完成するんです。
キャラクターの体を単純な「箱」や「円柱」の集合体として捉える方法も効果的で、この「箱人間」をパース線(奥行きを表す補助線)に沿って配置していくと、立体的な集合絵が描けるようになります。遠近感を表現する際には、手前にあるものが大きく、遠くにあるものが小さく見える「大小遠近法」を意識すると、より自然な奥行きが生まれるんです。
参考)遠近感とは?イラストに奥行・立体感が出る遠近法の基本を解説 …
初心者も簡単!人物パースの描き方 - アタムアカデミー
複数人物を配置する際、人数によって適した構図が変わってきます。2人の場合は並列配置で仲の良さを表現したり、シンメトリーで対照的な存在を表現したり、大きさに強弱をつけて力関係や性格の違いを表現できるんです。
参考)【初心者向け】構図に迷ったら!複数の人物を描く時の構図href="https://medibangpaint.com/use/2021/03/tips-for-deciding-the-composition-of-multiple-people/" target="_blank">https://medibangpaint.com/use/2021/03/tips-for-deciding-the-composition-of-multiple-people/amp;配置…
3人構図では**「三角構図」**が特におすすめで、人物を三角形に沿って配置することで、どこに配置してもバランス良く整って見える効果があります。この法則に従えば、バランスのとれた構図が自然と作れるようになるんですね。
参考)【初心者向け】アートに複数のキャラクターを配置する方法 by…
4人以上の場合は、普通に並列して並べると印象に残らなくなってしまうため、三角構図の他に**円に沿って配置する「環状構図」**も効果的です。視線や体の向きを揃えると一体感が出て、揃えないといい距離感が生まれスタイリッシュな印象になります。奥行き感を出すために、1〜2人を選んで大きく配置し、他のキャラクターを引きで描く方法も、キャラクターの性格表現につながるテクニックなんです。
【初心者向け】構図に迷ったら!複数の人物を描く時の構図&配置アイディア - MediBang Paint
モブキャラクターは群衆の意味で、街や学校などの背景にメインキャラクターを描く際、人が誰もいないと不自然なため配置される存在なんです。しかし、モブはメインキャラクターより目立ってはいけません。
参考)【漫画】初心者もカンタン!モブの描き方のコツ
モブの顔は「印象に残らない」「特徴のない」「影のうすーい顔」である必要があって、存在感を出さずに描くというのが訓練されていないと意外と難しいポイントになります。モブがメインキャラクターよりイケメンだったり美少女だったりすると、おかしな事になってしまうんですね。
服装や色味も目立たないものにする必要があって、メインキャラクターが色が薄めなのにモブキャラがすごく派手な色と奇抜な服を着ていたら、読者の目がそちらに向けられてしまうんです。主役を太めの線で描き、モブを細い線で描くだけでも抑揚が出て、目が行きやすくなるキャラクターが作れます。
漫画制作の現場では、CLIP STUDIO PAINTの群衆ブラシを活用して大勢の観客を一気に描く裏ワザもあり、効率的にモブを配置する方法も開発されているんです。
参考)CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)で大勢の観客を…
【漫画】初心者もカンタン!モブの描き方のコツ3選 - 漫画の背景.xyz
集団を描く時の基本は、キャラの背の高さをバラけさせることから始まって、最初は身長差、男女、服装違いが描けていれば良いんです。できるようになったら体型違い、年齢違いを加えることで、もっと絵が良くなってきます。
参考)集団を描く時の見映えが変わる簡単な3パターン - 松元美智子…
基本の絵を発展させて、キャラに動きを入れるパターンも効果的で、カメラは真正面より少し外すだけでも見た目が変わるんです。キャラの動きが入っているだけで全然違う印象になって、「何をやっているか」という動作を入れると良いんですね。
実践的なパターンとしては、「基本の棒立ちで背の高さを変える」「基本にキャラの動きを入れる」「カメラの角度を変える」という3つくらいのパターンを持っていれば、描くときに考えなくて良いので楽になります。バリエーションを持っていると作業効率も上がって、毎回同じ絵しか描けない状況から抜け出せるんです。
「キメ顔」だけが一枚絵ではなく、キャラクターの日常を切り取るような気持ちで場面を想像してみると、表現のバリエーションが無限に広がります。
集団を描く時の見映えが変わる簡単な3パターン
集合体を描く際、情報量のコントロールが重要なポイントになってきます。すべてのキャラクターを同じ密度で描き込んでしまうと、読者の視線が定まらず、結果として誰も印象に残らないイラストになってしまうんです。
絵は比較で表現するという原則があって、柔らかいものはより柔らかそうに、硬いものはより硬そうに描くことで、それぞれの特徴が際立ちます。モブはうすーい顔を描き、メインキャラクターはバチッとかっこよく描くというメリハリをつけることで、「作品の何に焦点を当てたいのか」が明確になるんです。
あえて背景が真っ白だったり、描き込みの少ないコマを入れてあげることも必要で、全部のコマを描き込んでしまうとどこを見ていいかわからなくなってしまうんですね。ドラマ制作の現場でも、主役が一番画面に映える存在感のある服装に計算されていることが多く、脇役の服装は主役より色が薄めか地味な配色になっている傾向があります。
集合体を描く際には、カタマリから描く練習法も効果的で、モノを描く上でシンプルなカタマリを意識すると、どんなに複雑なモノでも描きやすくなります。例えば遠景で森を描くにしても、大きくみると森も一つのカタマリとして捉えることができるんです。
参考)カタマリから描こう!〜複雑なものをシンプルに捉える練習法〜
群れ(複数のモノの集まり)を描くコツとしては、シルエットと影を活用する方法があって、ポイントを絞って描きこむことで効率的に群衆を表現できます。youtube