ノンブルとはページ番号、漫画原稿の基本と入れ方

ノンブルとはページ番号、漫画原稿の基本と入れ方

漫画を描くなら必ず知っておきたい「ノンブル」。同人誌や新人賞投稿でノンブルなし原稿を入稿すると乱丁・落丁のリスクが高まります。正しい位置や隠しノンブルの使い方まで、あなたは把握できていますか?

ノンブルとは何か、漫画原稿での役割と正しい入れ方

ノンブルなしで入稿すると、乱丁が起きても印刷所は補償してくれません。


📖 この記事の3ポイントまとめ
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ノンブルとはページ番号のこと

「ノンブル」はフランス語のnombreが語源で、ページ番号を指す印刷・DTP用語。漫画・同人誌問わず全ページへの記載が原則。

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ノンブルなしは乱丁・落丁の原因

ノンブルが入っていない原稿は製本時にページ順の確認ができず、乱丁・落丁が発生しても印刷所に補償義務はない。

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絵柄を守りたいなら「隠しノンブル」

ノド側(綴じる側)にノンブルを配置することで、製本後は見えなくなる「隠しノンブル」として対応できる。


ノンブルとは何か:漫画で使われるページ番号の基本


ノンブルとは、本や冊子の各ページに記載するページ番号のことです。小説・雑誌・漫画のどのジャンルにも共通する印刷・DTP用語で、ページの端に小さく印字されている数字がそれにあたります。


「ページ番号」と言えばすぐわかるのに、なぜ「ノンブル」という言葉が使われるのでしょうか? 語源はフランス語の「nombre(ナンバー)」です。出版・印刷業界が長年にわたりこの用語を使い続けてきたため、今でも業界標準の言葉として残っています。漫画家志望者なら、編集者や印刷所とのやりとりで必ず目にする言葉なので覚えておきましょう。


ノンブルには、読者向けと制作者向けの2つの役割があります。読者にとっては「今どこを読んでいるか」「全体のどのくらいを読み進めたか」を把握するガイドになります。制作者・印刷所にとっては、ページ順の確認、落丁や乱丁の防止という実務上の役割があります。つまりノンブルは、読者のためでもあり、制作・製本工程を守るための情報でもあります。


「ページ数」と「ノンブル」は厳密には別の概念です。ページ数とは冊子全体を通し番号で数えた総数のことで、ノンブルは誌面上に実際に印字・表示される番号を指します。たとえば表紙や扉ページはページ数としてカウントされますが、ノンブルとして誌面に表示しないケースがあります。この違いは、印刷所に発注する際のページ数指定で混乱しやすいポイントです。注意が必要ですね。


参考:ページ番号の意味や役割について詳しく解説されています。


ノンブルとは?入れ方や位置、ページ数の正しい数え方|イシダ印刷


ノンブルの正しい位置とサイズ:漫画原稿での配置ルール

ノンブルは、本文の印刷範囲(基本枠)より外側に配置するのが基本です。右ページなら右下、左ページなら左下の、いわゆる小口(こぐち)側に入れるのが一般的なレイアウトになります。


ただし、ページの端ギリギリに置いてしまうと、製本の断裁工程でノンブルの文字が切れてしまうことがあります。安全マージンとして、仕上がりサイズの端から4〜5mm以上は内側に配置しましょう。A4サイズの冊子なら10mm程度が目安です。断裁ラインを意識せずに配置すると、完成品でノンブルが切れた状態になってしまいます。


フォントサイズは最低でも6pt(約2mm)以上に設定してください。それ以下の大きさだと印刷後に判読できなくなることがあります。6ptから12ptの範囲が実用的です。フォントはゴシック体が視認性に優れていますが、明朝体を使う場合は横線が細すぎるものを避けましょう。細い明朝体の横線は、小さいフォントサイズではほとんど見えなくなってしまうためです。


本文のフォントより目立たないデザインにするのが鉄則です。ノンブルはあくまで脇役です。本文より淡い色や、本文と異なるフォントを使う方法もあります。罫線やワンポイントのマークを添えるのも印刷物らしさを出す工夫になりますね。


| 項目 | 推奨値 |
|------|--------|
| ページ端からの距離 | 4〜5mm以上(A4なら10mm目安) |
| フォントサイズ | 6pt〜12pt(最低2mm相当) |
| 配置位置 | 右ページは右下、左ページは左下 |
| フォント色 | 本文より淡く、目立たない色 |


ノンブルなしの原稿が引き起こす乱丁・落丁リスク

漫画を初めて同人誌や新人賞に投稿しようとしている人の多くが、「ノンブルは見た目のためのもの」「なくてもバレないだろう」と考えがちです。しかし実態はまったく逆です。


印刷所にとって、ノンブルは製本工程でページ順を確認するための唯一の手がかりです。ノンブルのない原稿は、用紙が混在したとき、どのページがどの順番かを機械的に確認できません。その結果、乱丁(ページの順序が入れ替わる)や落丁(ページが丸ごと欠ける)が発生するリスクが著しく高まります。


「ノンブルの配置がない事で乱丁や落丁が生じましても、弊社では一切責任を負いかねます」というのが、多くの同人誌印刷所の共通見解です。つまりノンブル不備による印刷ミスは、制作者側の自己責任になります。せっかく完成させた原稿が、ページ順バラバラの状態で届いてしまっても補償されないケースがあるということです。これは痛いですね。


緑陽社など複数の印刷所では、「ノンブル不備の場合、乱丁・落丁にはご対応できません」と明記しています。フォントサイズが5pt未満だったり、濃い黒ベタの上に黒文字でノンブルを入れて視認不可能な状態になっていたりする場合も、実質的にノンブルなしと同じ扱いになります。ノンブルは存在しているだけでなく、正しく読める状態でなければなりません。


同人誌制作を初めてする人ほど、ノンブルをあとで気にすればいいと後回しにしがちです。しかし入稿直前になってからページ番号を全ページ手動で入れ直す作業は、想像以上に手間がかかります。最初のファイル作成時から設定しておくのが得策です。


参考:ノンブルがない場合の印刷所の対応方針が詳しく記載されています。


ノンブル(ページ番号)は必要ですか?|同人誌印刷 栄光


隠しノンブルとは:漫画の絵柄を邪魔しない設定方法

漫画の場合、コマが見開き全体に広がるページや、背景が全面に描かれているページでは、誌面にページ番号を表示させたくないこともあります。そのような場面で活用できるのが「隠しノンブル」です。


隠しノンブルとは、製本後に見えなくなる位置にノンブルを配置する方法です。具体的には、本の綴じ側である「ノド」のギリギリに、断ち切り線(仕上がりライン)に沿ってノンブルを入れます。製本・無線綴じの工程で内側に折り込まれるため、完成品では外から見えなくなるという仕組みです。


右綴じ(縦書き漫画など)の場合、奇数ページは右端・偶数ページは左端にノンブルを配置します。左綴じ(横書きや一般的な同人誌)の場合はその逆で、奇数ページは左端・偶数ページは右端になります。中綴じとは違い、無線綴じで有効な方法です。中綴じでは本全体が見開きで開いてしまうため、ノド側に配置してもノンブルが見えてしまいます。


また、断ち切り(塗り足し)ラインの外側にノンブルを配置することで、断裁時にノンブルごと切り落とす方法もあります。これは印刷所によって対応が異なるため、入稿前に確認が必要です。隠しノンブルであっても、印刷製本作業中は印刷所スタッフが確認できる見える色・見えるサイズで入れなければなりません。薄いグレーや5pt未満の小さすぎる文字は避けてください。


| 綴じ方向 | 奇数ページのノンブル位置 | 偶数ページのノンブル位置 |
|----------|--------------------------|--------------------------|
| 右綴じ | 右端(ノド側) | 左端(ノド側) |
| 左綴じ | 左端(ノド側) | 右端(ノド側) |


参考:隠しノンブルの詳細な配置ルールが図解で説明されています。


隠しノンブル|大陽出版


クリスタでノンブルを設定する方法:CLIP STUDIO PAINT EXの機能解説

デジタルで漫画を制作している人の多くがCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)を使っています。クリスタには、ノンブルを自動で各ページに入れてくれる便利な機能があります。ただし、この自動設定はCLIP STUDIO PAINT EXの機能です。PROでは利用できないため、PROユーザーはノンブルを手動で各ページに入れる必要があります。これは覚えておくべき注意点です。


EXの場合、新規作成ウィンドウで「コミック」または「すべてのコミック設定を表示」を選ぶと「ノンブル」の設定項目が現れます。設定できる内容は次のとおりです。


- 開始番号:表紙を「-1」に設定すると、本文1ページ目を「1」からスタートできる
- 色:黒または白から選択
- フチをつける:黒ノンブルに白フチ、白ノンブルに黒フチを自動適用
- 表記位置:内側・外側・中央・上・下など複数から選択可能
- フォーマット:数字の前後にテキストを追加(例:「第1ページ」)
- フォント・サイズ:ptで指定
- 隠しノンブル:チェックを入れるとノド側のギリギリに自動配置


開始番号を「-1」にするテクニックは特に覚えておくと便利です。表紙(-1)、表2(0)で、マイナスとゼロはノンブル非表示になるため、本文の最初のページから自然に「1」スタートにできます。


ノンブルはオブジェクトツールで選択することで、位置・サイズ・スタイルを後から手動で調整することも可能です。コマが基本枠をはみ出してノンブルと重なってしまう場合、そのページだけ手動で位置を移動させましょう。これは使えそうです。


なお、クリスタPROで漫画を制作している場合は、ページ管理ウィンドウでページを全選択してからテキストツールでノンブルを1ページずつ入れていくか、作品基本設定からノンブル設定を行う方法で対応します。ページ数が多い作品では漏れが出やすいため、入稿前に全ページを確認するチェック作業を必ず行いましょう。


参考:クリスタのノンブル設定項目を詳細に解説しています。


クリスタ新規作成「ノンブル」の設定内容を説明します!|電卓マンガ


漫画新人賞投稿とノンブル:出版社の規定で求められる理由

漫画新人賞に投稿する場合もノンブルは必須です。この認識は多くの新人漫画家が見落としているポイントで、知らないと投稿作品が審査対象外になるリスクがあります。


少年ジャンプのJUMP新世界漫画賞では、公式サイトに「ノンブルとはP数(ページ数)のことを表します。予めノンブルを振って右ページ、左ページを把握しておきましょう」と明記されています。第6回ウルトラジャンプ新人漫画賞でも「各ページにノンブル(ページ番号)を必ず明記してください」と規定されています。つまり主要な出版社の漫画賞では、ノンブルは審査以前の原稿完成度の要件です。


なぜ出版社側がノンブルを求めるのでしょうか? 理由は印刷所と同じです。大量の投稿作品を扱う編集部では、ページ順の確認やスキャン・データ化の工程でノンブルがないとページの整合性を確認できません。また編集者が原稿を読みながら気になったコマやページについて「〇ページのこの部分」とメモするためにも、ノンブルは不可欠です。


デジタル投稿の場合はPDFやTIFFのファイルにノンブルが入っているかを確認しましょう。ファイル名にページ番号を入れる方法では、編集部側でのページ管理はできますが、誌面上のノンブルの代替にはなりません。ノンブルは誌面に印字されている状態が正しい形です。


新人賞投稿では、原稿の内容・画力と同時に「制作の基本ルールを守れているか」も見られています。ノンブルひとつ入っていないだけで、作品の完成度に疑問符をつけられてしまうことがあります。プロを目指すなら、ノンブルは最初から習慣にしておきましょう。ノンブルが基本です。


参考:集英社・ジャンプ系の新人賞における原稿規定が確認できます。


JUMP新世界漫画賞|少年ジャンプ




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