
絵もうまくかけないし、漫画の作り方もわからない、何にもわからない…という状態で、でもマンガを描いてみたい!というときにどうすればいいのでしょうか?
私が見たマンガhowto本の中で、初心者向けに(あまりテクニックとかに触れず)解説しているのがコレ。
漫画家庭教師なお先生~新人漫画賞を獲るための簡単ストーリー創作法~
けっこうグイグイ引き込まれます。
いわゆる「エッセイ漫画」の一種ですが、よりマンガ的な演出を重視した形と言えるでしょう。
初心者がやるべきことは「4ページ漫画を作って公開」これを繰り返す。
初心者は4ページマンガを描いて、SNSで公開し、反応の中から取り入れられるものを取り入れて、新たに4ページのマンガを描く。
1ページの構成は、こう。
パワーワードというのは、聞いた瞬間に「えっ!?何を言ってるんだ?」と驚いてしまうようなインパクトある言葉。
驚き→なるほど→ん? というサイクルを繰り返せば、最後まで読まれるということですね。
パワーワードは、情報を絞って伝えることで「えっ?どういうこと?」という意外性のある言い回しにすることで作れます。
「私は獣です」
「えっ!?」
「人間も動物の一種。だから、私も一匹の獣というわけです。」
みたいな感じ?
「私は獣です。人間も動物の一種ですから。」
「はあ…そうですね。」
というのは失敗。
また、キャラの表情を大きく描くことでもパワーワードの代わりになります。
「激怒の表情」
「えっ…どうしたんですか?」
「実は…」
という感じ。
このへんは、なお先生6巻に描かれています。
パワーワードの失敗例や応用例も描かれていて、この巻は内容が濃いですね。
1巻から順番に読んだほうが良いのですが、ピンポイントでそこだけ知りたいというあなたは、6巻をチェック。
このなお先生のマンガの主人公は、ニートでうだつのあがらない青年漫画家。
「さあ、描いてみましょう」と言われて「何も思い浮かばない!」とフリーズしてしまいます。
そこでなお先生がヒントを出します。
「自分自身」を描く。
過去の経験から、もっとも楽しかったこと、もっとも辛かったこと、学生生活の経験などからキャラを生み出し、実録・日記漫画を描くというんです。
え、そーゆー方向性にいっちゃうんだ…と思ったら、主人公も「待ってください。僕は少年漫画誌に描きたいんです。日記漫画がバズったってしょうがない」と言い放ちます。
色々あって、結局実録マンガを描くことになりました。
実は、Xでは苦労話や失敗談が人気が出やすいというんですね。
たしかに、面白い話はそれほどなくても、苦労や失敗というのはたくさんあります。
自分自身の経験をキャラに、ストーリーは失敗した経験というのなら、あとは描くだけですね。
ネームとは、マンガのラフスケッチのことです。コマ割りやセリフ、キャラクターの配置などを決める重要な工程です。
Xで発表するなら、ネームに絵を少し描き込んだくらいでも、漫画として読んでもらえますね。
練習のつもりでやるとよいのかも。
とにかく数をこなすことを目標に、どんどん4Pマンガを発表していくと良さそうです。
作画技術は、上達するのにめちゃめちゃ時間がかかります。
そこで、とりあえず「白ハゲ漫画」にしちゃうという手もあります。
関連)白ハゲ漫画 (しろはげまんが)とは【ピクシブ百科事典】
過去、白ハゲ漫画でアクの強い主張をする漫画があったとかで、あまり良くない印象があるみたいですね。
けどまあ、最初は白ハゲ漫画とか、それに近いシンプルなキャラでマンガを作るのが良いのではないでしょうか。
絵がうまくなるまで練習していたら、5~6年はあっという間にかかりそうですからね…。
中途半端に描き込むよりも、「わざとテキトーに描いてます」くらいの絵のほうが、話に入っていけるというか…。
クリスタだと、白ハゲ漫画に最適(?)な3Dデッサン人形が使えるので、そちらを使っても良いかも知れません。
1ページ目
パワーワード
「私の投稿で会社のフォロワーが一晩で3000人減りました」
展開
ヒキ
「そう、あの時の私は、SNSマーケティングの本質を全く理解していなかったんです」
2ページ目
パワーワード
「競合他社を煽れば、バズるに決まってる!」
展開
ヒキ
「その時、私のスマホに見知らぬ番号から電話がかかってきました」
3ページ目
パワーワード
「御社の投稿について、法務部から正式に申し入れさせていただきます」
展開
ヒキ
「でも、この失敗が私にとって最高の転機になるとは、この時は思いもしませんでした」
4ページ目
パワーワード
「SNSは会話です。独り言じゃないんですよ」
展開
締めのメッセージ
「今では社内SNSガイドラインの立案担当として、新人の指導もしています。あの日の失敗があったからこそ、本当のSNSマーケティングが分かるようになったんです」
めちゃめちゃ面白い!という内容ではないですが、なんだか最後まで読んでしまいませんでしたか?
「4P漫画の文法」恐るべしですね。
1ページ目
パワーワード
「私は学園祭実行委員長を1日で辞任することになりました」
展開
ヒキ
「まさか自分の性格の欠点が、こんな形で露呈するとは...」
2ページ目
パワーワード
「全部私がやります!誰にも任せません!」
展開
ヒキ
「そして迎えた、あの運命の実行委員会」
3ページ目
パワーワード
「委員長、私たちは何のために居るんですか?」
展開
ヒキ
「でも、この失敗は私の人生を大きく変えることになります」
4ページ目
パワーワード
「チームを信じることから、全てが始まるんです」
展開
締めのメッセージ
「今では会社でプロジェクトマネージャーとして、あの時の経験を活かしています。完璧を求めすぎる自分の欠点を知っているからこそ、チームの力を最大限に引き出せるんです」
話の流れが宣伝マンガっぽいですが、ついつい読んでしまう内容ですね。
私は「パワーワード展開」は理にかなってるなーと思って、作者の大塚志郎先生のXアカウントを見てみました。
「なお先生」はもともと、先生のXアカウントで発信されたSNSマンガだったっぽいので。
(逆かな…マンガをSNSで小出しに宣伝されてたのかも)
では、先生は今もパワーワード展開を使ってSNSでマンガを書いているかというと…!?
山で遭難した場合夜間は救助活動が行われません
その理由と野宿で注意すること(1/2)#生還図鑑 #山登り #野宿 pic.twitter.com/9gEw4wbS4v— 大塚志郎 漫画を色々発表中!ぜひご覧ください! (@shiro_otsuka) February 23, 2025
「山や海に遊びに行くときに気をつけること」をテーマにした、「生還図鑑」というマンガ。
パワーワード展開、健在…!
(上の場合は、「野宿です」がパワーワード)
どういう人がリツイートしてるか調べてみると、「これは本当に危険だからみんなにもおしえてあげなくちゃ!」という人がリツイッてる。おお、すごい…。
「これ、みんなにもおしえてあげよ」というテーマを選ぶと、もとのテーマが地味でも拡散されやすいということでしょうか。
勉強になります。