漫画のあるある展開崩しで、SNSマンガを描く方法

漫画のあるある展開崩しで、SNSマンガを描く方法

SNSでウケる形を狙って、4P程度のショートマンガを描く方法論です。

あるある崩しで起承転結漫画

もうひとつの漫画の描き方「あるある崩し」

これは、要するに起承転結の流れを、具体化したものです。

 

漫画は起承転結で描くべし!ってよく聞きますよね。でも、起承転結って幅が広くて自由すぎない?

 

自由すぎると、何を書けばいいかわかんなくなるし、形だけ真似ても面白くない。

 

そこで、やり方を具体化したのがコレ。

 

  • あなたがよく知る世界・業界のあるあるシチュエーションを描く。
  • そのシチュエーションから読者が予測できる展開を描く。
  • 登場人物が驚く事件を起こす。
  • 納得の行く説明、少しホッとする着地点

 

人間は驚いてホッとしたときに、なぜか笑ってしまう。「あぁー!死ぬかと思った!」というピンチに合って、回避できたら思わず笑ってしまうという感じで、人間の感情バグのようなものなんだと思います。

 

で、これにそって作ってみたマンガがコレ。

 

マンガサンプル1

 

女子生徒が、教師のパパ活行為をネタに脅し、付き合うことを強要しているというシーンです。

 

導入部分は、まあどっかで聞いたことあるシチュエーションだな…という「教師と生徒の恋愛あるある」です。

 

ページ最後に、女子生徒が驚くシーン。

 

実は、この時点では何に驚いたのか、制作者自身も考えていません。

 

読者としては、登場人物がすごく驚いているので、「どうした?何が起こったんだ?」と気になり、続きを読んでしまうというわけ。

 

この「とにかくキャラが驚く」というのはかなり有効で、制作者自身が思いもよらない展開が生まれる可能性があるんですね。

 

で、2ページ目にどうなってたら面白いかを必死になって考えます。

 

えー…

 

実は教師が女性→生徒が驚く理由としてはありだけど、唐突だし、特に笑えないな…
実は教師の全身にタトゥー→同じく
実は教師の体にぽっかり穴が空いてる→その理由を説明するのに時間かかりそうだし、笑えなさそう

 

…とか色々考えて、女子生徒が握っている先生の秘密はなんなのかを考えてみました。

 

当初、上記のマンガは「先生の秘密を知ってるんだよ」「私とつきあって」というセリフでした。ここに、パパ活をしているとう情報をブッこみます。

 

先生パパ活してるんでしょ。だったら、私としてくれてもいいじゃん、というわけ。

 

そこで、次のページに来るのがこれ。

 

2コマ目

 

上着とワイシャツを脱ぐと、幼い娘が描いたらしい「パパの絵」がプリントされたTシャツ。

 

パパ活ってオマエ、実の娘とのパパ活かよ!というオチでした。

 

あれっ、もしかして今、私はホラ自分のこの漫画面白いよって、解説してる?うわぁー!なんかいちばんやっちゃいけないことな気がする!

 

気がするけど、私の感情は無視して、続きを書きます。

 

あまりセリフを描かずに想像させるオチにするか、いろいろ書くオチにするか悩んだのですが、このあとも、そこそこ先生と女子生徒がなかよくやってく感じを出すために、ボケとツッコミ気味の会話を入れました。

 

え、2ページで終わっちゃってるじゃん、とあなたは思うかも知れません。

 

まあ、そうなんですけど、今回の「4ページマンガ」は、次が気になる1ツイート目と、読んで納得の2ツイートめの連携を目指しているので、ページ数は2~5ページの構成でいいんです。(1ツイートにに添付できる画像は1~4個だから)

 

いいことにしましょう。

 

プロだったらね?16ページと言われたら、16ページに話を調整しなきゃだと思うんですが、SNSでバズるのが目的なんだから、そこはゆるくていいだろーということにしましょう!今した!

 

ちょっとまとめときましょう。

 

  • 1ツイートめには画像一個で、3コマくらいの内容。最終コマで登場人物が驚く、または読者が驚く絵をいれる。
  • 2ツイートめで、驚きに納得がいって、そういうことなのか!という説明を入れる。2~4ページの範囲で作る。

 

これは、私が考えたオリジナルというわけじゃなく、バズ連発しているフォロワー数の多いSNSマンガ家さんのマンガからパクリました。パクリましたっていうとアレなので、分析しました。

 

最後の「納得がいく説明」というのはいわゆるオチなんですが、ここが難しい。

 

「驚き」の展開によっては、オチが思いつかない…ということも多々あります。

 

そこで、「驚き」の展開を複数用意しておくのがおすすめです。

 

理由はともかく、「とにかく目新しくて驚く展開」を5個くらい考えるんです。

 

で、その5個を見て、この出来事が起こった理由はなんだろう…?と逆算してオチを考えていくと、5個のうち1つくらいはいいアイデアが出てくる気がするんですよね。

 

たぶんこれ、4コマ漫画の作者さんは自然にやってることだと思うんですけど、恐ろしいことです。

あるある崩し漫画のまとめ

  • 読者が一度は聞いたことあるような「あるあるシチュエーション」を導入(起承転結の起承の部分)に持ってくる
  • 転で、誰もが見たことも聞いたこともない驚きの展開へ
  • 結で、転の納得行く説明。できれば、導入部分で解決しようとしていた内容にも触れるとよし

 

漫画としてオチをつける部分に、結構苦労するやり方ですが、良い感じのができればバズチャンスが広がるというのが、この描き方の良いところですね。

 

あるあるネタを雑にまとめた記事がこちら。

 

関連)漫画のあるあるシチュエーションまとめ
これに沿っていけば、3コマ目までは自動的に描けますね。

 

あっ…3コマまで描いて、いいねがついたやつだけ続きをがんばって描くとか…?

 

逆に、爆発力はないけど、ネタが豊富にあってそこそこ読まれる系の作り方で「エッセイ漫画」というものがあります。

 

関連)簡単なエッセイ漫画の描き方