
読みやすい漫画を作るときに、どのくらいの情報量をいれるかってけっこう重要。
知らない漫画が、文字がギッチギチの状態でタイムラインに流れてきても読む気になりませんよね。
漫画1ページの情報量について、コマ数やセリフ量って、どのくらいまでイケるもんでしょうか?
漫画1ページに入れられる情報量は、コマ数とセリフ量で大きく左右されます。週刊少年ジャンプの連載作品を調査した結果によると、1ページあたりの平均は以下のようになっています:
しかしですよ、しかし!
SNS漫画はもっと少ない情報量になると思うのです。
まず、ちゃんとコマ割りされた漫画は、Xでスマホで見たときに、興味を持ってもらいにくいです。
人から興味を持たれていない漫画が、タイムラインに登場してクリックして読んでもらう…ためいには、実際にはこれくらいでしょう。
3コマだとこのくらい。セリフはちょっと多め。
雑誌の漫画1ページに詰め込める物語の長さは、体感的には約30秒前後と言われています。長くても40〜50秒程度の内容が適切でしょう。これは2人の登場人物による会話シーンを例にすると、5〜6回程度の会話のやり取りに相当します。
ただ、これは読んでもらえる前提というか、それなりにファンがついて、「今週はどうなるのかな」と楽しみにしている状態での話です。
SNS漫画はそんなに時間かけてもらえない。
まず、漫画ってだけでチラッと「見るとはなしに、見られます」
なんというか…画像検索してるときって、それぞれの画像をじっくり見なくても、「あっ、これが求めていたものだ!」ってわかりますよね。
多分、右脳的な「画像認識能力」を使って、人はまず見るべきものを選択し、読む価値があることがわかってから、左脳的な「読解能力」を使ってマンガを読むのだと考えられます。
だから、タイムラインをスマホで縦スクして流している0.1秒くらいの間に「あっ、なんか気になる」っていうのを見せないと、興味を持ってもらえないんですね。
自分で描いたマンガを、客観的に見るって難しいのですが、私がやっているチェック方法を一つ。
目の焦点をゆるめて、1ページ全体を見るようにします。
すると、文字情報はほぼ入ってこず、絵で何がしめされているかがぼんやりわかるレベル。
つまり、文字情報をナシにした場合、どこまで伝わるかをチェックします。
このとき、文字を読まないと核心に触れる情報がわからないようだとダメ。
例えば、キャラクター同士がカレーライスの話をしているなら、目立つところにカレーライスの絵は欲しいということですね。
絵を入れることで文字情報も減らせます。
例えば、1ページ目からセリフびっちり。これはダメです。
でもね、興味を持ってもらったあとだと、セリフで楽しませるっていうのはアリだと思います。
週刊少年ジャンプの調査では、ギャグ漫画である「いぬまるだしっ」や「斉木楠雄のΨ難」はセリフ数が多く、情報量が非常に多いことがわかっています。
銀魂とかめちゃめちゃ文字数多いし…、でも人気だし。
一方、スポーツ漫画の「ハイキュー」は細かいコマ割りと多くのセリフで情報量が多い傾向にあります。
ある意味、文字情報が漫画の面白さをブーストしています。
ただやっぱりね、雑誌で読むマンガとSNSで読むマンガは違うと思うんです。
頭空っぽにして、縦スクだけして情報摂取している状態の人に、スルッと興味あるものを差し出すっていうのが必要だと考えます。