
クリスタのアップデートプランは年額制のサブスクリプションサービスで、PRO版は年間1,200円、EX版は年間3,400円の費用がかかります。一見するとリーズナブルな価格設定ですが、長期間利用すると総コストが優待バージョンアップよりも高くなる可能性があります。
例えば、クリスタPROのVer2からVer3への優待バージョンアップは2,300円(61%オフ)で、これは約2年分のアップデートプラン料金に相当します。同様に、Ver1からVer2への優待バージョンアップも2,000円(60%オフ)です。つまり、3年以上利用する予定がある場合、アップデートプランよりも優待バージョンアップの方がコスト面で有利になります。
ただし、古いバージョンのクリスタを使用している場合は、アップデートプランを契約することで一気に最新バージョンが使えるようになるというメリットがあります。これは初期投資を抑えたい方には魅力的なポイントです。
プラン | 料金(税込) | 特徴 |
---|---|---|
アップデートプラン(PRO) | 年額1,200円 | 最新バージョン・追加機能が使える |
アップデートプラン(EX) | 年額3,400円 | 最新バージョン・追加機能が使える |
優待バージョンアップ(PRO) | Ver2→3:2,300円 Ver3→4:2,500円 |
一括買い切りで上位バージョンが使える |
優待バージョンアップ(EX) | Ver2→3:7,200円 Ver3→4:7,900円 |
一括買い切りで上位バージョンが使える |
長期的な視点で考えると、クリスタを5年以上使い続ける予定がある場合は、優待バージョンアップを選択する方が経済的です。ただし、常に最新の追加機能を使いたい場合は、アップデートプランが唯一の選択肢となります。
アップデートプランの最大のデメリットの一つは、解約すると最新機能が使えなくなることです。アップデートプランを解約すると、購入時の元のバージョンに戻されます。例えば。
これは、アップデートプランで追加された新機能を使ってイラストや漫画を制作していた場合、解約後にその部分の編集ができなくなる可能性があることを意味します。例えば、2023年に加入し、2025年に解約すると、2023年のバージョンに戻ってしまいます。
特に、プロのイラストレーターや漫画家など、クリスタを仕事で使用している方にとっては、この機能制限は大きな問題になり得ます。制作途中のプロジェクトに最新機能を使用していた場合、解約後に編集作業が困難になる可能性があります。
また、アップデートプランで追加された新しいブラシやツールに慣れてしまうと、解約後にそれらが使えなくなることでワークフローに支障をきたす恐れもあります。
クリスタの買い切り版を購入する多くのユーザーは、「一度購入すれば永続的に使える」という安心感を求めている場合が多いです。そのため、アップデートプランのようなサブスクリプション型の料金体系に抵抗を感じるユーザーも少なくありません。
サブスクリプション型の料金体系には以下のような心理的な抵抗感があります。
特に「コスパの良いクリスタを購入したい」や「一括で支払ってスッキリしたい」と考えるユーザーにとっては、サブスクの仕組みがストレスになる可能性があります。また、途中で支払いが滞ると最新版が利用できなくなるため、安定した支払いができる環境が必要です。
サブスクリプションモデルは、ソフトウェア業界全体のトレンドとなっていますが、特に日本のユーザーの中には買い切り型を好む傾向があります。クリスタも例外ではなく、アップデートプランを検討する際には、この心理的な側面も考慮する必要があります。
クリスタは基本機能が非常に充実しているソフトウェアです。そのため、アップデートプランで追加される機能は「あったらいいな」というプラスαの機能であることが多いです。つまり、アップデートプランを契約しても、実際には使わない機能に対して料金を支払っている可能性があります。
例えば、主にイラスト制作のみを行うユーザーにとって、アニメーション機能や3D関連の新機能は不要かもしれません。同様に、漫画制作に特化したユーザーにとって、デジタルペインティングの高度な機能は使用頻度が低い可能性があります。
アップデートプランはいつでも契約できるので、追加された機能を確認して、本当に必要な機能があった場合にのみ契約するという戦略も有効です。クリスタの公式サイトやSNSでは、新機能の情報が定期的に公開されているので、それらをチェックしてから契約を検討するとよいでしょう。
また、アップデートプランを契約する前に、自分の制作スタイルや必要な機能を明確にしておくことで、無駄な支払いを避けることができます。
クリスタの買い切り版はWindowsとmacOSのみで利用可能であり、iPadやiPhoneなどのモバイルデバイスでは使用できません。一方、アップデートプランを契約すると、これらのモバイルデバイスでも使用できるようになるわけではありません。
マルチデバイスで作業したいユーザーにとって、これは大きな制限となります。例えば、自宅のPCで下書きをして、外出先のiPadで仕上げるといった柔軟な作業スタイルを望む場合、買い切り版とアップデートプランの組み合わせだけでは対応できません。
マルチデバイスでクリスタを使用したい場合は、以下の選択肢があります。
特に、iPadでのイラスト制作が主流になっている現在、この互換性の問題は無視できません。アップデートプランを検討する際には、自分の作業環境や使用するデバイスを考慮して判断する必要があります。
なお、クリスタのサブスクリプション版には「PRO月額プラン」と「EX月額プラン」があり、これらはすべてのデバイス(PC、Mac、iPad、iPhone、Android、Chromebook、Galaxy)で使用可能です。ただし、月額料金はPRO版が700円、EX版が1,300円となっており、年間で計算すると買い切り版+アップデートプランよりも高額になります。
クリスタのアップデートプランは、すべてのユーザーに適しているわけではありません。ここでは、アップデートプランをおすすめできる人とできない人の特徴を詳しく解説します。
アップデートプランが特に適している人には、以下のような特徴があります。
アップデートプランを検討している方は、初回申し込み時に1ヶ月間の無料トライアル期間があるため、まずは試してみるのも良い選択肢です。
一方で、以下のような特徴を持つユーザーには、アップデートプランはあまり適していません。
これらの特徴に当てはまる方は、優待バージョンアップを検討するか、現在のバージョンを継続して使用することをおすすめします。
クリスタのアップデートプランと買い切り版の特徴を理解した上で、最適な使い分け戦略を考えてみましょう。以下は、状況別の最適な選択肢です。
また、クリスタは6月と12月に買い切り版のセールを行っていることが多いため、これらの時期を狙って購入するとさらにお得です。さらに、クリスタの公式サイトから「おすすめプラン診断」を受けると、キャンペーン中の場合はセール価格で表示されることがあるので、購入前に確認することをおすすめします。
最終的には、自分の制作スタイル、予算、必要な機能を総合的に考慮して、最適なプランを選択することが重要です。
クリスタのアップデートプランには、長期利用によるコスト増加、解約時の機能制限、サブスク型料金体系への抵抗感、使用しない機能への支払い、デバイス互換性の制限といったデメリットがあります。しかし、常に最新機能を使いたい方や、古いバージョンから一気に最新版へ移行したい方にとっては、大きなメリットもあります。
最適な選択をするためには、以下のポイントを考慮することが重要です。
また、クリスタの公式サイトでは初めてアップデートプランを申し込む方向けに1ヶ月間の無料トライアル期間を提供しているので、迷っている方はまず試してみるのも良い選択肢です。
最終的には、自分の制作スタイルや予算に合わせて、最適なプランを選択することが大切です。この記事が、あなたのクリスタ購入の参考になれば幸いです。