

コピック技法書を買っても色が思い通りに出ない場合、塗り順が逆なだけで出費が続きます。
書店のイラスト技法書コーナーに行くと、コピック関連の本がずらりと並んでいます。「はじめてのコピック」「コピック入門」という文字が複数の本の表紙に並んでいて、どれを買えばいいか迷う方も多いでしょう。実は、コピックの塗り絵本には大きく分けて2種類あります。
1つめが「技法解説書型」です。グラデーションの作り方、ムラのない塗り方、重ね塗りのコツといった技術を段階的に学ぶ構成になっています。2つめが「メイキング型」で、プロのイラストレーターや漫画家が1枚のイラストを仕上げる過程を追って解説するスタイルです。
どちらのタイプも、漫画キャラの着彩スキルを伸ばすことに役立ちます。ただし、目的が違います。「手順を知りたい」なら技法解説書型、「プロの塗り方の流れを丸ごと真似したい」ならメイキング型が向いています。
さらに注目したいのが「塗り絵付き技法書」というカテゴリです。本の中に切り離せる線画がついていて、解説を読みながらそのページに直接塗ることができます。『塗り絵でまなぶコピックのきほん』(ホビージャパン)はその代表例で、30のレッスンが塗り絵セット形式になっていて、下絵の裏が白紙なので切り離して使えます。塗り方を読んで→すぐ実践という流れが作れるので、独学の効率が上がります。これは使えそうです。
一方、「コピックスターティングBOOK」(高河ゆん著)のように、スケッチブック・色紙・コースターといった異なる素材ごとの塗り方の違いを比較解説している本もあります。コピックの発色は紙の種類によって大きく変わるため、このような知識は漫画投稿の現場では非常に実用的です。
まず自分が「手を動かしながら学ぶタイプか、読んで理解するタイプか」を確認してから本を選ぶと、購入後のギャップが減ります。
コピック公式サイト 書籍一覧(公式推薦書の一覧と概要確認に便利)
コピックは全358色あります。コンビニのお菓子棚に並ぶ商品数(1店舗あたり約300〜400種類)と同じくらいのボリュームで、初心者が全色から選ぼうとすると時間とお金がかかります。コピックスケッチは1本495円(税込)なので、358色すべてを揃えると単純計算で約17万7,000円です。
そこで頼りになるのが「色数制限型の塗り絵本」です。「10色で塗れる!コピックイラストのきほんレッスン」(川名すず著)は、1枚のイラストに使う色を10色に絞り、その10色でどこまで表現できるかを具体的に解説しています。本の冒頭に「本書で使う色一覧」があるため、揃えるべき色が明確です。
「12色でスタート!はじめてのコピックイラスト」(ばびりぃ著)は、コピック公式が販売する「コピックチャオスタート12色セット」とセットで使うことを想定して作られています。つまり、本とセットを同時購入すれば、余計な色選びゼロで即スタートできます。
また「やさしいコピック入門」(すーこ著)は20色に絞った構成で、混色の原理から解説しています。20色という制限の中で「どう混ぜれば色の幅が広がるか」を学べるため、少ない本数で多彩な表現ができるようになります。
少ない色数から始めることが基本です。初心者が「なんとなく全色から選ぶ」と、似たような色を複数買ってしまうことがよくあります。色数制限のある本を1冊の軸として使うことで、無駄な出費を抑えながら上達できます。
コピックチャオ公式ページ(全180色のラインナップと価格確認に利用可)
「コピックで塗ったのに色がうまくなじまない」という悩みを持つ人の多くは、塗り順を間違えています。コピックは「薄い色→濃い色」の順ではなく、「濃い色→中間色→薄い色」の順で重ねることで、なめらかなグラデーションが生まれます。逆の順番で塗ると境界線がくっきりと出てしまい、漫画のキャラとしてはかなり不自然な仕上がりになります。
これはコミックイラスト専門のアートスクールでも指導されているポイントです。コピックはアルコール溶剤系の画材なので、乾燥が非常に速い。乾いてしまった後から濃い色を重ねると、その境目が消えにくくなります。つまり、塗る速度も重要です。
この「塗り順」と「乾燥速度への対応」は、塗り絵本の中で最も繰り返し説明される技術的なポイントです。例えば「コピックで描こう!カラーイラスト上達メイキング」では、ムラの出ないベタ塗りから金属・布などの素材質感表現まで、プロ4人のメイキングを通じて学べます。
もう1つ意外に知られていないのが、「コピック0番(カラーレスブレンダー)」の役割です。コピックの0番は無色のマーカーで、塗ったインクをぼかしたり、はみ出した部分をある程度修正したりできます。塗り絵本を選ぶ際は、この0番の使い方が解説されているかどうかも確認するポイントです。
コピックは水彩と違い、塗り直しがほとんど効きません。一発塗りで美しく仕上げるための知識として、塗り順・乾燥対策・0番の使い方は必須です。技法書を選ぶ際は、これら3点が解説されているか目次で確認してから購入することをおすすめします。
コミックイラストコース公式ブログ(コピックの塗り順・基礎知識を専門家が解説)
漫画を描きたい人にとって、「いい本を買ったけど練習する線画が少なくて足りない」という状況はよくあります。コピックの塗り絵本は30〜50枚程度の線画しか収録されていないものがほとんどです。使い切ってしまったら追加の練習素材をどこから調達するかが問題になります。
コピック公式サイト(copic.jp)では、無料でダウンロードできる塗り絵用線画を複数公開しています。イラストレーターや漫画家が描き下ろしたキャラクターの線画で、個人利用限定で印刷して使えます。初音ミクや人気絵師によるオリジナルキャラなど、種類も豊富です。
この公式線画の使い方としてオススメなのが、「同じ線画を5〜10回繰り返し塗る」練習です。1回目は肌・2回目は髪・3回目はグラデーションのみ、と部位やテーマを絞って繰り返すことで、技法書で学んだテクニックが手に染み込みます。コピック技法書の線画だけでは練習量が不足しがちな部分を、公式無料線画で補うと学習効率が上がります。
また、一部の技法書(例:「コピックで描こう!カラーイラスト上達メイキング」)では、作例イラストの線画を公式サイトからダウンロードできる仕組みがあります。本の解説を読みながら、同じ線画を使って追体験できるので独学効果が高まります。
公式線画と技法書を組み合わせることが条件です。どちらか一方だけでは練習の質と量のバランスが崩れます。技法書で「理論」を、公式線画で「反復」を担う役割分担を意識すると、短期間での上達につながります。
コピック公式サイト・ぬり絵ページ(無料ダウンロード線画の一覧。個人利用限定)
コピック技法書を熟読し、正しい塗り順で塗っても、紙が合っていなければ仕上がりはガタガタになります。この点は多くの入門書に書かれていますが、初心者が見落としやすい項目です。
コピックはアルコール溶剤系インクのため、薄い紙や吸水性が高すぎる紙に塗るとすぐ裏に染み込みます。コピー用紙はコピックの練習には適していません。理由は、インクの裏抜けが起きやすく、塗り重ねたときのグラデーションがコントロールしにくいからです。
初心者に適した紙として、コピック対応の「ケント紙」「特選上質紙」が挙げられます。ケント紙は表面がなめらかで、インクの広がりを適度に抑えてくれます。A4サイズのケント紙1冊(50枚程度)は書店やAmazonで800〜1,000円程度で購入できます。
また、漫画投稿を目的にしている場合は「コミック用原稿用紙」への塗りにも慣れておく必要があります。マンガ家・高河ゆん著の「コピックスターティングBOOK」のように、複数の素材での塗り比べを解説している本を選ぶと、紙の種類ごとの特性を体系的に学べます。
紙選びが原因でコピックの発色が悪く見えることは多いです。「うまく塗れない」と感じる前に、練習中の紙を確認してみることをおすすめします。コピック対応と明記されているか、または「ケント紙」「特選上質紙」かどうかを1点確認するだけで、次の練習の仕上がりが変わります。
コピックで裏写りしない紙の選び方(おすすめ用紙4選・専門ブログによる詳細解説)