肩甲骨の描き方|背中・ポーズ・筋肉・動き・解剖を徹底解説

肩甲骨の描き方|背中・ポーズ・筋肉・動き・解剖を徹底解説

漫画やイラストで背中を描く際、肩甲骨の描き方に悩んでいませんか?肩甲骨の構造や動き、筋肉の付き方を理解すれば、リアルで説得力のある背中が描けるようになります。初心者でも実践できる描き方のコツや、様々なポーズでの見え方について詳しく解説しますので、あなたの描く背中はより魅力的に変わるのではないでしょうか?

肩甲骨の描き方

この記事でわかること
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肩甲骨の基本構造

解剖学的な形状と位置関係、筋肉との繋がりを理解できます

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実践的な描き方手順

アタリの取り方から完成まで、段階的に学べます

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動きのある肩甲骨表現

様々なポーズでの肩甲骨の見え方と描き分けのコツがわかります

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肩甲骨の構造と解剖学的特徴

肩甲骨は背中の上部に位置する三角形の骨で、鎖骨と上腕骨に繋がっています。背骨を中心に小さな羽のような形でついており、肋骨の上をスライドするように動く特徴があるんです。
参考)肩の構造|森大祐(京都)

肩甲骨は第2肋骨から第7肋骨の範囲に位置し、平らな形状をしています。後面には肩甲棘と呼ばれる際立った隆起があり、その外側先端部分は肩峰と呼ばれる突起になっているのが特徴的です。この肩峰の下にはカップ状のくぼみ部分である関節窩があり、上腕骨頭を受け止める役割を果たしています。
参考)肩の解剖学 href="https://www.mcdavid.co.jp/sportmed_anatomy/shoulder/" target="_blank">https://www.mcdavid.co.jp/sportmed_anatomy/shoulder/amp;#8211; McDavid|サポータ−ブラン…

漫画を描く際には、肩甲骨を「背骨の両脇に浮かぶ小さな三角の羽」としてイメージすると描きやすいです。この三角形の形をしっかりと頭に入れて、その形を意識してラインを引けるようになると、それだけで上手く見えるようになります。
参考)背中の描き方!肩甲骨の動きに注意してアタリをとろう

肩甲骨の描き方における筋肉の役割

肩甲骨周辺には複数の重要な筋肉が付着しており、背中の立体感を表現する上で欠かせない要素になっています。​
最も重要な筋肉の一つが僧帽筋です。僧帽筋は首から背中を覆う大きな筋肉で、後頭部から背中にかけて広がっており、鎖骨にもくっついています。男性の方が発達しているため、女性を描く場合は控えめに描くのがポイントなんです。​
三角筋も肩甲骨の描き方に影響を与える重要な筋肉です。三角筋は肩峰や肩甲棘から出て上腕骨につく筋肉で、レモン型や鎧の肩当てのような形をしています。肩の箇所に三角筋を入れて描くことで、よりバランスよく肩が描けるようになります。​
肩甲骨と鎖骨は側面から見ると繋がりがわかりやすく、棒状に出っ張った骨からは肩の筋肉がくっついていることを意識すると、肩甲骨の位置や角度がイメージしやすくなります。​
イラスト制作における解剖学の基礎知識について、医学的な視点から詳しく解説されている資料もあります。

 

肩の構造|森大祐(京都)
肩甲骨を含む肩関節の構造について、医学的な観点から詳細な解説とイラストが掲載されています。

 

肩甲骨の描き方の基本手順とアタリの取り方

肩甲骨を含む背中の描き方には、段階的なアプローチが効果的です。​
まず、背骨と肩、骨盤の長さや角度を決めます。頭身を意識しつつ、ポーズをしっかりイメージして骨組みをつくるように描きましょう。次に、肋骨と骨盤を簡単に描き込みます。この時に角度やねじれ具合もわかるように箱っぽく描くと、その後体や服を描き込みやすくなるんです。​
肩甲骨を書き込む際は、三角の羽のようなものを肩甲骨の動きを意識しながら描きます。さらに肩と三角の羽を線で繋いで、肩の筋肉がつく棒状の部分を書き足すのがコツです。​
肩から骨盤の中心にかけて曲線で繋ぐラインも重要で、このラインは背中を描く時の筋肉の凸凹の目安になります。次に首から骨盤にかけても曲線で繋ぎ、これも筋肉の凸凹の目安にするんです。​
別の方法として、背骨・肩甲骨・胸腰筋膜の3つのポイントを押さえる描き方もあります。中心線として背骨のラインを入れ、肩甲骨の位置を首の幅に合わせて縦の幅を決め、長さは肋骨の半分より少し下になるように描きます。​

肩甲骨の描き方における動きとポーズ表現

肩甲骨は肋骨の上をスライドするように動く特性があり、腕の動きに連動して複雑な動きをします。​
腕を上げると肩甲骨は斜め上に持ち上がります。腕を後ろに引けば肩甲骨は捻れて、下からあおり気味に見える形になるんです。腕を前に出せば肩甲骨も前へ大きく動き、肋骨の上をスライドするように移動します。​
正面の状態で腕を上げると三角筋が後ろを向き、三角筋はほぼ隠れた状態になります。腕を動かした際には、上腕骨だけでなく、鎖骨と肩甲骨も連動して動くため、付随する筋肉も同じく連動することを意識する必要があります。​
肩甲骨は鎖骨と繋がっているので、この繋がりを意識すると肩をカッコ良く描くポイントにもなります。側面から見ると鎖骨と肩甲骨の繋がりがわかりやすく、鎖骨の位置は肩関節の上を目安にすると描きやすいです。​

肩甲骨の描き方における男女の描き分けと体型表現

肩甲骨を含む肩周りの描き方は、男女で大きく異なります。​
男性は首が太く、鎖骨が八の字になり肩幅が広いのが特徴です。筋肉質で直線的なアウトラインになり、三角筋や僧帽筋が大きく発達しています。肩幅の比率は、肩と頭部が2対1の割合でバランスが取りやすいんです。​
一方、女性は首が細く、鎖骨が水平に近く肩幅が狭い特徴があります。華奢で曲線的なアウトラインになり、男性よりも三角筋や僧帽筋を控えめに描きましょう。​
首の描き分けによって性別や年齢を表現することができます。男性は首が太めで、筋肉の流れが分かりやすく、喉仏や筋が見えますが、女性は首が細く、筋のラインも最低限の描き込みにするのがポイントです。​
背中の形を描く際は、逆三角形を意識するとアタリが取りやすくなります。男性の腰のくびれは胸腰筋膜の上部と同じくらいの高さにするとバランスが取れます。​

肩甲骨の描き方で陥りやすい失敗と改善テクニック

肩甲骨を描く際、初心者が陥りやすい失敗がいくつかあります。​
最も多いのが、最初に三角筋を描いてしまうことです。先に三角筋を描くとバランスが取りにくくなるため、まず胴体を先に描いておき、胴のバランスを整えてから肩を描くのが正解なんです。​
肩幅の比率を間違えることも多い失敗例です。頭部と首に対して、極端に肩幅が狭い・広いと違和感が出るため、肩対頭部が2対1の比率を目安にするとバランスが取りやすくなります。​
適当に肩甲骨のラインを描くと、あっという間に嘘っぽくなりヘタに見えてしまう原因になります。肩甲骨の形をしっかりと頭に入れて、その形を意識してラインを引けるようになると、それだけで上手く見えるんです。​
体を描く線とは別な色で三角筋などを描いてみると、デッサンの狂いも分かりやすくなります。フカンの僧帽筋のアタリはひし形をイメージすることで描きやすくなるテクニックもあります。​
肩を耳より後ろに描くと猫背に見えず、バランスが取れて見えるため、側面から見た肩の位置は耳を目安にするといいでしょう。​
背中の描き方について、さらに詳しい技法を学べる解説記事があります。

 

背中の描き方!肩甲骨の動きに注意してアタリをとろう | 絵師ノート
肩甲骨の動きに注目した背中の描き方について、アタリの取り方から完成まで詳細に解説されています。

 

背中の凸凹を意識できるかできないかで絵の完成度が大きく変わるため、肩甲骨の形と動きに気をつけて、筋肉の凸凹がわかりやすいようにアタリをとることが魅力的な背中を描く秘訣です。​