
上腕二頭筋は内側に位置する長頭と、外側に位置する短頭の2つの部位から構成されています。長頭は力こぶの高さを作る筋肉で、短頭は上腕二頭筋全体のボリュームに関わる筋肉です。この2つの部位をバランスよく描くことが、リアルな腕を描くポイントなんです。
参考)【上腕二頭筋の鍛え方完全版】長頭・短頭それぞれの筋トレメニュ…
長頭の起始部は肩甲骨の関節上結節から起始し、起始部は肩関節の関節唇にも及んでいます。長頭の腱は上腕骨の結節間溝を通過する構造になっているため、腕の内側により深い立体感が生まれます。短頭の起始部は肩甲骨の烏口突起で、この部位は肩関節の前面より三角筋を介して触ることができます。
参考)医学博士が語る「上腕二頭筋の解剖学」|【医学博士】町田志樹
描くときは、上腕二頭筋が「肘関節を屈曲させる」という作用を持つことを意識しましょう。腕を曲げると収縮して力こぶが盛り上がり、伸ばすと緩んで細長く見えます。こうした動きを理解すると、どんなポーズでも自然な腕が描けるようになります。
参考)筋肉のある腕のラインを描く時の考え方まとめ
医学博士が語る「上腕二頭筋の解剖学」
医学的な視点から上腕二頭筋の詳細な構造を学べる専門記事です。長頭と短頭の起始部の違いを解剖学的に理解したい方におすすめです。
力こぶを描く際は、上腕二頭筋を「小さくて丸みのある」形として意識することが重要です。力こぶを作ったとき、上に現れるのが上腕二頭筋で、下に現れるのが上腕三頭筋です。この2つの筋肉の位置関係を把握できれば、下腕の位置も自然と定まります。
上腕二頭筋は外側に太い血管が走っており、これを描くと力強い二頭筋に見えます。ただし、短く描いてしまいがちなので、長さを意識して描くことが大切なんです。腕を曲げると上腕二頭筋はボールのように縮んで膨らみ、腕を伸ばすと前腕の骨にくっついている上腕二頭筋は外側に引っ張られて伸びます。
参考)https://muscle-illust-works.com/2021/08/17/draw-muscles-04/
陰影をつけるときは、筋肉のふくらみや厚みを意識しましょう。上腕二頭筋の力こぶの部分、三角筋との境目、下腕の筋肉の境目などに陰影をつけると立体感が出ます。特に力こぶの盛り上がりを強調したい場合は、頂点に光を残しつつ、側面から底部に向けて影を濃くしていくと効果的です。
男性の筋肉イラストの描き方。筋肉の場所・名称・構造を理解する
上腕二頭筋を含む上半身の筋肉の描き方を、ラフから陰影まで実践的に解説している記事です。陰影のつけ方を具体的に学べます。
二の腕は正面から見た時と横から見た時で太さが大きく変わります。普通に体側に手のひらを付けた状態のとき、正面には上腕二頭筋が来て、上腕三頭筋は真後ろに回るため、2つの筋肉が縦に重なり、この時の二の腕が一番細く見えます。横から見ると、上腕二頭筋と上腕三頭筋が横に並んだ状態になり、2つの筋肉の厚みで腕は太く見えるんです。
肘の位置を見ることで、どの角度から見ているかがわかります。上腕二頭筋は肘を屈曲させる筋肉なので、必ず肘の内側に位置します。肘が背中側にあれば二の腕は手前に上腕二頭筋、背面に上腕三頭筋が重なって見える位置になるので細く見え、腰に手を当てたりして肘が外横を向くときは、上腕二頭筋は体側を向き、上腕三頭筋は外側を向き、2つの筋肉が並んで見えるので太く見えます。
腕を曲げると「上腕二頭筋」は膨らみ「腕橈骨筋」は縮みます。逆に腕を伸ばすと「上腕二頭筋」は縮み「腕橈骨筋」は膨らみ、やや肩の方に引っ張られるような形になります。この2つの筋肉の変化が肘の近くにへこみを作るため、腕橈骨筋の形を意識してへこみを描き入れると自然になりますよ。
参考)男らしい腕の描き方!重要なたった3つの筋肉と2つの骨
筋肉のある腕のラインを描く時の考え方まとめ
角度による腕の太さの見え方や骨の動きを詳しく解説している記事です。角度別の描き分けに悩んでいる方に最適です。
上腕二頭筋を魅力的に描くためには、周辺筋肉との関係性を理解することが欠かせません。上腕二頭筋の上には三角筋が位置し、肩の前後を覆うように付いています。三角筋は背中の方にも回り込んでいるため、清書するときは背面も意識して描きましょう。
上腕二頭筋と上腕三頭筋の間には上腕筋という筋肉が存在します。上腕筋は上腕骨の下半分から起始しており、三角筋が終わるあたりから始まっています。実は腕力には上腕二頭筋よりも上腕筋の方が強く関与しているため、力強い腕を描きたいときは上腕筋の存在も意識すると良いでしょう。
参考)解剖学から学ぼう!イラストのための腕の描き方
前腕との接続部分にも注目です。上腕と下腕の筋肉は互い違いに並んでいるため、上腕二頭筋→下腕→上腕三頭筋の順番で描くとバランスが取りやすくなります。また、肘から手首にかけて尺骨という骨があり、ここには筋肉がつきません。この部分を境に筋肉を分けると、よりリアルな腕が描けます。
解剖学から学ぼう!イラストのための腕の描き方
腕の比率や筋肉の名前、腕を上げたり回転させたりした時の骨や筋肉の動きを解剖学的に解説している総合記事です。
上腕二頭筋を活かした魅力的なポーズを描くには、筋肉の収縮と弛緩を効果的に使い分けることが重要です。手首を内側に向けて腕を曲げると、上腕二頭筋はまるでボールのように縮んで膨らみ、逆に手首を外側に返した状態で曲げると、前腕の骨にくっついている上腕二頭筋は外側に引っ張られて伸びます。このメカニズムを理解すれば、力強いポーズから繊細なポーズまで描き分けられます。
腕を上げたポーズでは、上腕二頭筋だけでなく周辺筋肉の変化にも注目しましょう。腕を上げると鎖骨も上がり、大胸筋の下の部分の厚みが薄くなります。こうした全体の連動を意識すると、不自然さのないポーズが描けるんです。腕をあげると前から少しだけ見える大円筋や、大胸筋の下の端の方から背中の腰中心部へと伸びている広背筋も意識すると、より立体的な絵になります。
照明による筋肉の見せ方も効果的です。ライトの強度や位置を微調整することで、立体感や輪郭の強調度を調節できます。特に上腕二頭筋のような盛り上がりのある筋肉は、サイドからの光で陰影を強調すると、よりダイナミックに見えます。漫画やイラストでも、光源を意識した陰影をつけることで、キャラクターの筋肉をかっこよく演出できますよ。
参考)筋肉芸能人必見❕筋肉を美しくかっこよく撮影・陰影をつける照明…
ポーズ | 上腕二頭筋の見え方 | 描き方のコツ |
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腕を曲げた力こぶポーズ | 最も膨らんで球状に | 頂点に光を残し側面に影をつける |
腕を伸ばした状態 | 細長く伸びた形状 | 筋肉の長さを意識して描く |
腕を上げたポーズ | やや引き伸ばされた状態 | 鎖骨の上昇も同時に描く |
腰に手を当てた姿勢 | 横から見て太く見える | 上腕三頭筋と並べて描く |
上腕二頭筋を描くコツは、長頭と短頭の構造を理解し、角度や動きによる見え方の変化を把握することです。力こぶの盛り上がりには適切な陰影をつけ、周辺筋肉との関係性も意識しましょう。肘の位置で筋肉の配置が変わることを覚えておけば、どんなポーズでも自然な腕が描けるようになります。解剖学的な知識を基礎にしながら、実際に手を動かして練習を重ねることで、魅力的な上腕二頭筋が描けるようになるでしょう。