
岩壁を描くときは、最初にシルエットをしっかり決めることが重要なんです。レイヤーを分けて地面と岩のシルエットを別々に描いておくと、後で調整しやすくなります。
参考)効率的な背景の描き方とは? 岩の描き方編
シルエットを描く際のポイントは、ゴツゴツした凹凸を意識することです。つるんとした形や宝石のように規則的な形よりも、不規則でゴツゴツした形をイメージすると岩らしくなります。丸い岩、縦長、平らなどどんな形でも岩になるので、ある程度の立体感を意識しながら自由に描いてみましょう。
参考)岩の描き方
ペンツールを使って影の部分をイメージした暗い色で描き始めると、後の工程がスムーズになります。このシルエットは後で調整できるので、まずは描きたい岩の形を固めていくつもりでザクザク描いていくのがコツなんですね。
光源を決めることは、岩壁の立体感を出すために必須の工程です。光源の位置を決めたら、光が当たっている部分を描いていきます。
参考)ブラシ設定を調整しながら描くのがコツ! 岩の描き方講座
陰影を付けるコツは、大まかな立体を捉えるためのざっくりとした明暗と、表面の細かい凹凸を捉えるための明暗を使い分けることなんです。立体感を表現するには直接光と反射光の2種類の光を押さえる必要があります。光は反射すると分散するため、直接光と比べ反射光は暗めになる特性を理解しておきましょう。
効率的な背景の描き方とは? 岩の描き方編
上記リンクでは、直接光と反射光の使い分けについて、実例を交えて詳しく解説しています。立体感を表現する際の光の基礎が学べます。
地面側の影になっている部分にも反射光を意識してハイライトを少し入れると、より立体的な岩壁になります。明暗の境界部分は光が浅い角度で当たるため、最も質感が目立つ箇所です。そのため、凹凸を細かに描き込むことでディテールを整えることができます。
岩壁のゴツゴツ、ざらざらした質感を出すには、ブラシの選び方が重要です。アクリルブラシは自然物のランダムな表面が比較的描きやすいので、質感表現に適しています。
ブラシ設定を調整しながら描き進めることで、リアルな岩肌が表現できます。Photoshopではキーボードの「F5」を押すとブラシ設定画面が出るので、シェイブのジッターを50くらい、最小を0、角度を20くらいに変更してみましょう。テクスチャは深さを20くらいに変更し、不透明度を70、インク流量のジッターを20くらいに設定すると効果的です。
ブラシ設定を調整しながら描くのがコツ! 岩の描き方講座
このページでは、実際のブラシ設定の詳細と、筆のタッチの解説動画が見られます。チョークブラシの具体的な設定方法を学べる貴重な資料です。
明るい色を入れるときは、ベタ塗りではなく筆跡で岩表面の凹凸を表現できるよう、アクリルブラシでザクザクと塗っていくのがポイントなんです。点描のようにトントンと色を置いていくと、自然なハイライトが生まれます。
岩の割れ目やクレーターを描くことで、より岩らしい表面になります。クレーターを描くときは、壁になる暗い部分と光が当たる淵の部分を意識すると簡単に描けます。割れている部分の線に沿ってハイライトとなる線を入れると、岩の割れている部分がよりリアルに見えるんですね。
崖や岩壁のような範囲の広い背景を描く時は、近景と遠景の違いをはっきりさせて、メリハリのある絵にすることが大事です。手前の崖など、読者の目を行かせたいところを出来るだけしっかりと描き込み、それ以外はヒビの線やベタ処理だけで省略してしまえば時間の短縮になります。
参考)漫画背景テクニック 岩・崖の描き方 質感の描き分けや「砕ける…
岩壁ブラシを使う場合、筆圧によって作画サイズが変わるように設定すると便利です。下(遠く)に行くほど筆圧を弱く、描画サイズを小さくすることで、自然な遠近感が生まれます。
参考)視点をちょっと変えるだけ・岩壁ブラシ(白)で俯瞰の崖メイキン…
切り立った崖の表現は、まっすぐな岩肌とデコボコの岩肌を組み合わせることによって「自然さ」を出すことが重要なんです。画面いっぱいにメリハリのない背景が描かれていると、読者には単調に見えたり、描き込みが激しすぎて汚く見えてしまうことがあります。
漫画背景テクニック 岩・崖の描き方 質感の描き分けや省略方法
上記サイトでは、切り立った崖の表現における省略テクニックが詳しく紹介されています。作業効率を上げながらメリハリのある背景を描く方法が学べます。
岩壁の下絵のラインに沿ってブラシをストロークし、下の崖との区切り、遠近を表すため輪郭をなぞって太くします。遠く(下)に行くほど太陽の光と遠ざかるイメージで影をつけると、立体と遠近を演出できます。
全体のバランスをみながらコントラストを強くして、メリハリをつけていくことが仕上げの工程では重要です。明るい部分のうち光がより強く当たる部分に、明るい色を載せていきます。
色相調整ツールを使うことで、岩の色合いを変化させることができます。環境光による色の変化や、苔のような質感を与えたいときに使えるテクニックです。単なるグレーではなく、ブラウン、オリーブ、青灰、紫灰など複雑な色味を重ねると、自然なグラデーションが生まれます。
参考)石や岩のリアルな描写方法 - 太陽と富士山と天使のしあわせの…
岩の描き方 | MediBang Paint
このページでは、シルエットから仕上げまでの全工程が詳しく解説されています。レイヤーのクリッピング設定など、実践的なテクニックも紹介されています。
岩が落とす大きな影は別のレイヤーに描き、不透明度を下げて地面を透過して表現します。地面に散らばる細かな小石も別レイヤーを用意して描くと、より自然な仕上がりになるんです。
最後に、岩の細部など足りない部分を描き込み、石や草を描き足して完成です。石を描く手順は、影の部分を描いてから光の当たっている部分を描くだけで簡単に描き足せます。石の影を描くときは、光源の位置を意識して岩の影と方向を合わせると、全体がまとまりやすくなります。
岩には様々な形があり、川にある岩は水に削られて丸みを帯びていたり、険しい山にある岩は鋭い形をしていることもあります。岩の形でも絵の中の雰囲気は変わるので、写真を見てよく観察したり、他の絵を参考にしたりして、自分の思い描くシーンにあった岩を描けるようチャレンジしてみてくださいね。