
絵を描かずにマンガを作るために、重要なのが「どうにかして、それなりのキャラの胴体部分を作る」ということ。
当サイトのマンガ作成術では、この部分を3DCGで作ります。
DAZ STUDIOのGenesis 8モデルを活用すれば、モデリングの知識がなくても、首から下の部分を効率的に描画できます。
具体的には、頭部を非表示にしたGenesis 8モデルをクリスタに読み込み、クリスタ側で2Dマンガっぽく描画します。
まず、以下のソフトウェアを準備しましょう。
DAZ STUDIOは公式サイトから無料でダウンロードできます。初回起動時にはアカウント作成が必要ですが、基本的な機能は無料で利用できます。
DAZ STUDIOには、ベースとなるモデルがいくつかあるのですが、最適なのは1世代前のモデルの「Genesis 8」
大量の服アイテムがリリースされており、一世代前ということで大幅に値引きされて販売されていることも多いのです。
最新のGenesis 9では、まだ定番的な服が出揃っていなません。
DAZ STUDIOを起動したら、まずGenesis 8モデル(男性または女性)を読み込みます。
左側のSmartContentから「Figures」→「Genesis 8 Starter Essentials」を選択
Genesis 8 Basic Male(男性)か、Genesis 8 Basic Female(女性)をダブルクリック
他にも8.1とかDevとついたモデルがありますが、いったん気にしないでください。
今回は男性モデルを呼び出しました。3DView上に男性が表示されます。
次に、キャラクターに服を着せていきます。
SmartContentから「Wardrobe」カテゴリを開きます。
左下の「Filter by Content」にチェックをいれると、Genesis 8用の服のみが表示されて便利。
服はTシャツなどの基本的なものは、無料で入手できます。
スーツや学生服などの定番モノは、購入する必要があります。
DAZ STUDIOの服データは定価で買うとそこそこ高いので、ウィッシュリストに入れておいて、セールで安くなったところを買うのが良いでしょう。DAZ+会員というサブスク会員になると、日常的にアイテムが7割引以上になることも多いため、ある程度の服を集める間は、サブスク会員になるのが良いかも知れません。
Genesis 8対応の衣装を、3Dシーン上の人間の上にドラッグ&ドロップ
今回は、Genesis 8 Basic EssentialsのTシャツを着せてみます。
キャラクターにTシャツを着せられました。
漫画の首から下の描画参考用に、頭部を非表示にする方法は以下の通りです。
Sceneパネル(出てない場合は、Window→Panes(Tabs)→Sceneで表示)にて、Headと検索欄に入力して「→」をクリック
「Head」の左にある「目玉アイコン」をCtrl+クリック
すぐ下のGenesis 8 Male Eyelashesの左にある「目玉アイコン」をCtrl+クリック
目玉アイコンが「目を閉じたアイコン」になります。
これで、3Dシーン上の人間の頭部が非表示になります。
モデルの準備ができたら、FBX形式でエクスポートします。
メニューから「File」→「Export」を選択
エクスポート形式として「Autodesk FBX (*.fbx)」を選択し、ファイル名をつける
ファイル名は、アルファベット+数字の組み合わせにしておいたほうが無難です。
私がふだん、日本語のファイル名を使っておらず、特に不具合がおこってないため。DAZ STUDIOは海外製のソフトのため、日本語が絡むと予想外の不具合がでることがあるんですね。
ファイル名を入力して「保存」をクリック
エクスポート設定画面が表示される
すごい数のパラメータが出てきて圧倒されますが、
「Format」をFBX 2012-Binary
「Visible Only]にチェック
をつけて、Acceptでいけると思います。
拡張子FBXのファイルが作成されます。
エクスポートしたFBXファイルをCLIP STUDIO PAINTに読み込みましょう。
クリスタを起動し、新規キャンバスを作成
メニューから「ファイル」→「読み込み」→「3Dデータの読み込み」を選択
エクスポートしたFBXファイルを選択して「開く」をクリック
3Dモデルが表示されるので、モデルのすぐ下の「工具アイコン」をクリック
「環境」→「レンダリング設定」をクリック
レンダリング設定にて、「光源」の「光源の影響を受ける」と「このモデルの陰を落とす」のチェックを外す
「輪郭線」の「幅」をプレビューを見ながらいい感じの太さに調整する
3Dデータが読み込まれたら、人間の上部にあるアイコンで、視点や人体の位置を調整します。
視点は、人間の下部のカメラアイコンから「視点のプリセット」を選ぶことでも変えられます。
サムネイルから直感的に選べるので、やりやすいかも
クリスタでは、読み込んだ3Dモデルは、個々のパーツを選択して多少ポーズが変えられます。
が、関節の曲がり具合が下のデータと一致していないので、大きなポーズ変更は避けておいたほうがいいでしょう。
▲大きくポーズを変えようとすると破綻する
特定のポーズをさせるには、DAZ STUDIOの段階でポーズを適用して、FBX Exportしましょう。
無料でもらえる、Genesis 8 Starter Essentialsの「Poses」にも、いくつかポーズが入っています。
モノクロのマンガに使う場合、人体の色をモノクロ(またはグレー)化したいですよね。
このままだと、線画の頭部と組み合わせたときに違和感バリバリですから…。
まずは、3Dデータをラスタライズして、画像データに変換します。
レイヤーパネルで、3Dデータを読み込んだレイヤー上で右クリック→ラスタライズを選択
見た目は変わりませんが、カメラ操作など3Dの操作ができなくなっています。
画面上部の編集メニュー→色調補正→色相・彩度・明度を選択
「彩度」のスライダーを目一杯左に移動(または、数値に-100を入れる)
人体がグレーになります。
これでもちょっとマンガの絵柄とは違和感ありますね。
エクスポート時に、Genesis 8のテクスチャを無効化し、色のみ割り当てるという前処理をしておくと、もっとマンガっぽい感じで取り込めます。
↓前処理した例
※やり方は別途追記予定
または、画面上部のメニューから「編集」→「色調補正」→「2値化」で、うまい感じに変換できることもあります。
これにて、胴体の取り込み完了。
立体感が欲しい場合は、さらに「自動陰影」などで、陰を入れましょう。