横向き体の描き方とプロポーションとポーズの基本テクニック

横向き体の描き方とプロポーションとポーズの基本テクニック

横向きの体を描くのは難しいと感じていませんか?本記事では、プロポーションの取り方から背骨のカーブ、シルエットの描き方まで、横向き体を魅力的に描くためのテクニックを解説します。これを読めば、あなたも横向きポーズをマスターできるのではないでしょうか?

横向き体の描き方とプロポーションの基本

横向き体の描き方の基本ポイント
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プロポーションの重要性

横向きの体を描く際は、頭身の比率を意識することが重要です。6頭身や8頭身など、キャラクターに合わせたプロポーションを設定しましょう。

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背骨のS字カーブ

横向きポーズでは背骨のS字カーブが自然な立ち姿を作ります。このカーブによって腰のくびれが生まれ、人体らしさが表現できます。

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シルエットの意識

横向きの体は正面とは異なるシルエットになります。全体のバランスを見ながら、特徴的な部分(頭部のP字形、腰のくびれなど)を意識して描きましょう。

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横向き体のプロポーションとアタリの取り方

横向きの体を描く際、最初に重要なのはプロポーションの設定です。キャラクターの頭身に合わせて全体のバランスを決めていきましょう。

 

まずは頭部から始め、そこから体全体の比率を決めていきます。一般的な漫画キャラクターでは6頭身、リアルなキャラクターでは8頭身程度が目安となります。

 

6頭身の場合、顔の長さと郭、骨盤の台形をそれぞれ1:1:1の比率で描きます。そして、上半身と同じ長さを下半身に割り当て、その半分の位置に膝が来るようにします。

 

8頭身の場合は、顔の長さに対して胸郭の台形を1.5倍程度の長さで描くと、自然と上半身が4頭身程度になります。

 

アタリを取る際は、まず簡単な棒人間から始めるとよいでしょう。頭、胸、腰、膝、足首の位置を決め、それらを線で繋いでいきます。このとき、体の中心線となる背骨のラインを意識することが重要です。

 

横向き体の背骨カーブと自然なシルエットの作り方

横向きの体を描く上で最も重要なポイントは、背骨のカーブです。人間の背骨は横から見るとS字カーブを描いており、このカーブが自然な立ち姿を生み出します。

 

背骨のS字カーブによって、腰にはくびれが生まれます。このくびれは、横向きのシルエットを特徴づける重要な要素です。くびれの位置は大体肘と同じ高さにあり、これを意識して描くことで自然な体のラインが表現できます。

 

胸部は後ろに傾け、腰部は前に傾けるのが基本です(男性キャラクターの場合は傾きが少なくなります)。首は斜めに、腰はカーブをつけることで、より自然な立ち姿になります。

 

頭部は「P」の形を意識して後ろに出っ張るように描くと、横顔のシルエットが自然になります。顔と肩のアタリを取った後、首と腰部を描きます。腰部の背中側はくびれで折れるように、前はなだらかに描くことがポイントです。

 

横向き体の手足の配置と親指の向きに注意

横向きの体を描く際、手足の配置と向きは特に注意が必要です。正面とは異なる見え方をするため、初心者が混乱しやすいポイントでもあります。

 

手の描き方で最も注意すべきなのは親指の向きです。後ろを向いた時、手の平を向けていれば親指は外側に、手の甲を向けていれば親指は内側になります。この基本を押さえておかないと、不自然な手の形になってしまいます。

 

また、正面の時と違い、手の平を向けている腕は肘の曲がる面が見えなくなります。自分の腕で確認してみると分かりやすいでしょう。

 

足の配置については、正面を向いていた足が横向きになると、つま先ではなくかかとが見える形になります。この点を意識して足を描くことで、自然な立ち姿が表現できます。

 

手足のバランスを取るには、体全体のプロポーションを常に意識することが大切です。手の長さは顔の長さとほぼ同じ、足の長さは上半身とほぼ同じになるよう意識しましょう。

 

横向き体のコントラポストでポーズに魅力を出す

単純な直立姿勢だけでは絵として魅力に欠けることがあります。そこで活用したいのが「コントラポスト」というテクニックです。

 

コントラポストとは、片足に重心が乗ることで「肩」と「腰」のラインが非平行になっているポーズのことです。このポーズを取り入れることで、静止した姿勢でも動きや躍動感のある絵になります。

 

描き方としては、まず片足に重心を置き、その反対側の腰を少し上げます。すると自然と肩のラインは腰と反対方向に傾きます。これにより、体全体がS字カーブを描くようなシルエットになります。

 

このテクニックは横向きのポーズで特に効果的です。足を前後に組んだり、腕を大きく動かしたりすることで、さらに動きのあるポーズを作ることができます。いわゆる「ジョジョ立ち」もこのコントラポストの原理を応用したポーズの一つです。

 

コントラポストを使うことで、キャラクターに個性や感情を表現することもできます。自信に満ちた姿勢や、緊張した様子など、ポーズによって様々な印象を与えることが可能です。

 

横向き体の背中描写で立体感を表現するテクニック

横向きや斜め後ろからの構図では、背中の描写が重要になります。背中は単なる平面ではなく、いくつかの「隠しパーツ」によって立体感が生まれています。

 

背中を描く際に意識すべき3つの隠しパーツは以下の通りです:

  1. 首からお尻をつなぐライン: 背骨に沿って2等辺三角形に近い形のアタリを描きます。完全な直線ではなく、なめらかに末広がりになるように描くことがポイントです。

     

  2. 肩甲骨: 大体の形でよいので、肩甲骨のアタリを描きます。大きさはお尻のアタリより少し小さいくらいで、首からお尻をつなぐラインと被らない範囲で位置を決めます。

     

  3. 肩からお尻をつなぐライン: 肩の頂点から仙骨あたりまでをつなぎます。背骨に沿っているので、斜めの構図の場合は背骨に合わせてアタリの形も変形します。

     

これらのパーツを意識して描くことで、背中に自然な立体感が生まれます。特に、肩からお尻をつなぐラインによって、背中側から見た脇のラインが自然と決まるため、描き方に迷うことが少なくなります。

 

バランスチェックとして、首からお尻をつなぐラインと肩からお尻をつなぐラインがクロスする部分が、腰のくびれよりもちょっとだけ高い位置に来るようにすると良いでしょう。クロスする位置が上すぎる場合は肩幅が狭いかお尻が大きすぎる可能性があり、下すぎる場合は肩幅が広すぎるかお尻が小さい可能性があります。

 

背骨のラインはくびれ付近が最も深くなるので、ここを太い線で描き、あとは細い線を適度に描くとそれらしく見えます。

 

初心者の方は、まずは真背面から見た背中を描いて感覚をつかみ、徐々に角度をつけて描いていくと上達が早いでしょう。背中は胸やお腹側よりも起伏が少ないので、慣れればササッと描けるようになります。

 

横向き体の練習方法とよくある失敗パターン

横向きの体を描くのは難しいと感じる方も多いでしょう。効果的な練習方法と、よくある失敗パターンを知ることで、上達の近道になります。

 

効果的な練習方法:

  1. トレースと模写から始める: 上手な絵をトレースしたり模写したりすることで、手と目の感覚を養います。トレースは単なる写し取りではなく、線の流れや形の取り方を体で覚えるための練習です。

     

  2. 正面図から横向きへの変換練習: 正面のキャラクターを描いた後、それを横向きに変換する練習をすると、立体的な把握力が身につきます。

     

  3. 骨格と筋肉の基本を学ぶ: 人体の骨格や筋肉の基本的な構造を理解すると、どの角度からでも自然な体を描けるようになります。

     

  4. 鏡や写真を参考にする: 自分自身を鏡に映して横向きのポーズを取ったり、写真を撮ったりして参考にすると、リアルな動きが表現できます。

     

よくある失敗パターン:

  1. 手の親指の向き間違い: 後ろを向いた時、手の平を向けていれば親指は外側、手の甲を向けていれば親指は内側になります。この基本を忘れると不自然な手になります。

     

  2. 背骨のカーブを無視: 横向きの体では背骨のS字カーブが重要です。これを無視すると棒立ちの不自然なポーズになってしまいます。

     

  3. 頭部の配置ミス: 横向きの頭部は「P」の形を意識して後ろに出っ張るように描くことが大切です。これを忘れると平面的な印象になります。

     

  4. 細部にこだわりすぎる: 全体のバランスが取れていないのに、まつ毛などの細部にこだわりすぎると、時間ばかりかかって上達しません。まずは全体のシルエットを整えることを優先しましょう。

     

  5. くびれの位置間違い: 腰のくびれは肘と同じくらいの高さにあります。くびれの位置が高すぎたり低すぎたりすると、プロポーションが崩れてしまいます。

     

失敗を恐れずに、何度も描き直すことが上達の近道です。「描いては消し、描いては消し」の繰り返しは、絵を描く上で避けられないプロセスです。自分を信じて前進し続けることが大切です。

 

横向きの体を描くのは確かに難しいですが、基本的なポイントを押さえて練習を重ねれば、必ず上達します。この記事で紹介したテクニックを参考に、ぜひ魅力的な横向きポーズに挑戦してみてください。