漫画の黒髪の表現 マンガ作画のトーンやツヤベタ

漫画の黒髪の表現 マンガ作画のトーンやツヤベタ

漫画における黒髪の描き方を詳しく解説します。ツヤベタや透明感の出し方、髪の流れの表現など、プロの技を学べます。あなたも魅力的な黒髪キャラを描けるようになりませんか?

漫画の黒髪の描き方

黒髪描写のポイント
✏️
ツヤベタ技法

髪の流れに沿って陰影を描く定番テクニック

🎨
透明感の表現

ハイライトと影の巧みな使用で透明感を演出

💡
髪の流れの表現

自然な髪の動きを表現するコツ

kindleアンリミ無料

漫画で黒髪を上手に描くポイントは?

黒髪の女性
▲黒髪の女性 ツヤベタあり

 

黒髪を立体的に見せるには、光と影の表現が重要。

 

黒一色で塗るだけではなく、黒くて濃い部分と、光を反射して明るい部分を意識するということですね。

 

ハイライトを効果的に入れる
頭の形に合わせて、光の当たる部分に大きく白を残す(または、いったん黒く塗ってから白でハイライトを入れる)ことで立体感が出ます。丸や線などのハイライトを入れると今風な印象になります。

 

グラデーションをつける
髪の流れに沿って、明るい部分から暗い部分へのグラデーションをつけることで、自然な立体感が生まれます。

 

ツヤ感を出す
「ツヤベタ」と呼ばれる技法を使い、髪の流れに沿って陰影を描くことでツヤ感を表現できます。

 

透明感を出す
真っ黒ではなく、少し色味の異なる黒を使うことで透明感が出ます。

 

髪の束を描く
髪の毛束を一本ずつ丁寧に描くことで、より立体的で動きのある表現になります。

 

髪の流れを意識する
頭の形を意識しながら、髪の毛が自然に流れるように描くことが大切です。

 

グレーの活用
黒一色ではなく、グレーを使ってグラデーションをつけることで、より自然な黒髪表現ができます。

 

漫画の黒髪のツヤベタ技法

ツヤベタは、漫画の黒髪表現の定番テクニックです。この手法は、髪の流れに沿って陰影を描くことで、立体感と艶を表現します。

 

 

アナログだと、ベタを塗らない髪の白い部分がツヤになるんですね。

 

ワンピースのボア・ハンコックの黒髪は、尾田先生のこだわりで、ホワイトを使わないシンプルなツヤベタなのだとか。

 

髪の毛は直線的なストロークで描かれ、特に中央分けされた黒髪が印象的。垂直のハッチングによって陰影が表現され、髪の艶やボリューム感を生み出しています。大きな耳飾りと特徴的な眉、くっきりとした目元が印象的です。表情は自信に満ちており、セリフと相まって強い個性を感じさせます。

 

ツヤの入れ方ですが、首の影のできかたから光源が左上にあるっぽいですね。そのため、髪にできるツヤは左側のツヤのほうが大きく、さらに左側は髪の輪郭が白く光っています。読者に取っては、1秒以下で読まれるコマに、矛盾しない説得力がちゃんと込められているんですね。

 

ツヤベタの基本的な手順は以下の通りです。

  1. 髪の全体的な形状を決める
  2. 光源の位置を決定する
  3. 髪の流れに沿って、細いペンで陰影を入れる
  4. 光が当たる部分を白く残す

 

デジタルツールなら、髪をベタで黒く塗ったあと、ホワイトで光沢を入れるという手順の方が簡単です。

 

クリスタには、「ツヤベタオートアクション」というものまであります。

 

すげぇなクリスタ。

 

クリスタのツヤベタオートアクション

 

クリスタでの基本的な黒髪の塗り方

黒髪の魅力を最大限に引き出すためには、まず基本となる下塗りが重要です。純粋な黒(RGB: 0,0,0)ではなく、わずかに青みや紫みを帯びた黒(RGB: 33,23,31)を使用することで、より自然な印象を与えることができます。

 

レイヤー構成は以下の順序で行います:

  • ベース層:基本となる髪色
  • 影層:乗算レイヤーで陰影を付ける
  • ハイライト層:スクリーンレイヤーで光沢を表現
  • 調整層:オーバーレイで全体の雰囲気を整える

 

クリスタだと、オートアクション素材が提供(ユーザが共有)されています。

 

黒髪べたつやトーン
引用:黒髪べたつやトーン - CLIP STUDIO ASSETS

 

手間をかけずに必要なレイヤー作成・操作が終わるというのは時短になりますね。30CLIPPY(30円)で入手可能。

 

オートアクションで、追加されるのは以下の3つ。
黒買いべたつやトーン

 

まず、髪だけを黒く塗ったレイヤーを一個用意して、レイヤーパレットで「アルファロック」(透明ピクセルをロック」してから、オートアクションかけます。

 

黒髪レイヤー

 

最初に実行するのは「黒髪用全体白バケツ」。

 

これで、髪全体が白く塗りつぶされます。

 

続いて、グレースケールレイヤーを用意する「黒髪トーン30%」か、「黒髪トーン60%」を実行。

 

白く塗られたレイヤーに加えて、グレースケールで塗られたレイヤーが出てくるので、「白く塗られたレイヤー」を黒で塗りつぶして「ツヤベタ」(塗りのこし部分のグレーをツヤとみなして黒で塗っていく)を描いていきます。

 

あくまで補助なので、ツヤベタの描き方は要練習ですね。

 

ツヤベタ

 

黒髪シンプル
黒髪シンプル

 

こちらは、髪の毛先をいい感じにギザギザさせてくれる毛筆っぽいペン。シンプルながら、使いやすいです。無料。

 

これを使って、先ほどの黒髪を描きました。短髪用かな。

 

黒髪シンプル

 

無料のクリスタ素材+クリスタお試しで、1円もかけずに使えます。

 

関連)関連)クリスタのレビュー お試し中も制限なしのフル機能

 

 

漫画の黒髪キャラ

まぁー、一番良いのは美しく描かれている漫画の黒髪キャラを見て、真似てみることでしょう。

 

「俺ガイル」の雪ノ下雪乃

 

右のキャラ。髪は真っ黒ではなく、基本グレーで影の部分が濃いグレーとなっています。ハイライトは、環状にぐるりとシンプル。

 

「進撃の巨人」のリヴァイ・アッカーマン

 

コミック版は、シンプルに黒一色。アニメ版は、光があたっている部分がうっすら茶色になっていました。

 

「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」 桜島麻衣

 

 

全体的にグレーで、影の部分が濃いグレー。ハイライトはハチマキの位置と長髪の胸のあたり。

 

「鬼滅の刃」冨岡義勇

 

 

グレーと黒に近いグレーで、ハイライトはなし。髪の地味さと服の派手さのアンマッチが、不思議な雰囲気を醸し出している。

 

「HUNTER×HUNTER」 クロロ・ルシルフル

 

 

旅団のボス。かなり細かく、全体にハイライトが入っていて、黒髪なのに重くない印象。描くのは大変そうかも。

 

「銀魂」土方十四郎

 

 

黒髪に、頭頂から髪に沿ってハイライト。男性的な髪という印象。

 

「魔法少女まどか☆マギカ」 暁美ほむら

 

 

明るめのグレーのグラデーション。ハイライトは、ハチマキ位置に環状。アニメ的。

 

こうやってみると、漫画版では黒髪にツヤベタ、アニメ版では2色塗りまたはグラデーション+ハイライトという感じですね。

 

比較的陽気なキャラほど、髪のツヤ部分が多めという気もします。

 

漫画の黒髪の透明感の出し方

透明感のある黒髪を表現するには、ハイライトと影のバランスが重要です。以下のステップで透明感を出すことができます:

  1. 髪の下塗りを行う(純粋な黒ではなく、わずかに色味を加える)
  2. 前髪や顔周りに透け感を入れる
  3. 光源を決めて影を入れる
  4. ハイライトを入れて立体感を出す

 

透明感を出すコツは、髪の毛を一本一本描くのではなく、塊として捉えることです。また、ハイライトは白一色ではなく、わずかに色味を加えると自然な仕上がりになります。

漫画の黒髪の髪の流れの表現方法

自然な髪の流れを表現するには、以下のポイントに注意しましょう。

  1. つむじの位置を意識する
  2. 重力を考慮する
  3. 髪の束感を意識する
  4. 髪の長さに応じた流れを表現する

 

髪の流れは、キャラクターの個性や感情を表現する重要な要素です。例えば、激しい動きのシーンでは髪を大きく揺らし、静かなシーンでは自然に垂れ下がるように描くことで、場面の雰囲気を強調できます。

 

髪型別の描き方と流れのコツ

 

このリンクでは、様々な髪型の描き方と、自然な髪の流れを表現するためのテクニックが紹介されています。

漫画の黒髪キャラクターの個性的な表現方法

黒髪キャラクターに個性を持たせるには、以下のような工夫が効果的です。

  1. 特徴的な前髪や後れ毛を描く
  2. 髪飾りや髪型で個性を出す
  3. 髪の質感(ストレート、ウェーブ、カール)を変える
  4. 髪の長さや量で印象を変える

 

例えば、真っ直ぐなストレートヘアは知的でクールな印象を、柔らかいウェーブヘアは優しい印象を与えます。また、短めの黒髪は活発な印象を、長い黒髪は大人っぽい印象を与えることができます。

 

ただ、黒髪で柔らかいウェーブヘアってあんまり見ないような気がします。