
たれ目とは、目尻が目頭よりも下がっている目の形状を指します。この特徴的な形状は、キャラクターにおっとりとした印象や気が抜けたような雰囲気を与えることができます。たれ目のキャラクターは、天然キャラや不思議ちゃんキャラ、優しい性格のキャラクターなどに多く使われています。
たれ目の基本的な構造を理解するためには、まず目の解剖学的な特徴を把握することが重要です。人間の目は球体であり、その前面が露出している状態です。イラストでたれ目を描く際には、この球体感を意識しながら、目頭から目尻にかけて下がっていく形状を表現します。
たれ目の特徴をまとめると以下のようになります:
たれ目を描く際のポイントは、目頭と目尻の位置関係です。目頭を基準として、目尻をどれだけ下げるかによって、たれ具合が変わってきます。たれ具合が強いほど、おっとりした印象や天然な雰囲気が強調されます。
たれ目を描くための基本的なステップを紹介します。初心者の方でも理解しやすいように、段階的に説明していきます。
1. 下書きを描く
まずは普通の目(目頭と目尻が同じ高さにある目)を薄く描きます。これがベースとなり、このラインを参考にしながらたれ目に調整していきます。
2. 目頭と目尻の位置を決める
目頭の位置はそのままに、目尻の位置を目頭よりも下に配置します。この時点で、すでにたれ目の基本形ができあがります。
3. 上まぶたと下まぶたを描く
上まぶたは目頭から目尻に向かって、緩やかな山型またはへの字型になるように描きます。下まぶたも同様に、目頭から目尻に向かって下がるように描きます。
4. 瞳を描く
瞳は目の形状に合わせて描きます。たれ目の場合、瞳も少し下に寄っているように描くと自然な印象になります。
5. まつげと細部を描き込む
まつげは上まぶたに沿って描きます。たれ目の場合、まつげも目尻に向かって下がるように描くとより特徴が強調されます。
6. ハイライトを入れる
瞳にハイライトを入れることで、目に生命感が生まれます。たれ目の場合、ハイライトは瞳の上部に配置すると効果的です。
これらのステップを踏むことで、基本的なたれ目を描くことができます。練習を重ねることで、自分のスタイルに合ったたれ目の描き方を見つけることができるでしょう。
たれ目とつり目は、キャラクターの印象を大きく左右する目の形状です。それぞれの特徴と描き分け方について解説します。
たれ目の特徴:
つり目の特徴:
これらの目を描き分けるポイントは、目頭と目尻の位置関係にあります。以下の表で比較してみましょう:
目の種類 | 目尻の位置 | 上まぶたの形状 | 下まぶたの形状 | 与える印象 |
---|---|---|---|---|
たれ目 | 目頭より下 | へ字型または山型 | 目尻に向かって下がる | おっとり、優しい |
普通の目 | 目頭と同じ高さ | 緩やかな弧を描く | 緩やかな弧を描く | 標準的、バランスが取れた |
つり目 | 目頭より上 | 目尻に向かって上がる | 目尻に向かって上がる | 鋭い、クール |
たれ目とつり目を描き分ける際のコツは、まず普通の目(目頭と目尻が同じ高さにある目)を薄く描き、それを基準にして目尻の位置を調整することです。たれ目にする場合は目尻を下げ、つり目にする場合は目尻を上げます。
また、目の開き具合や瞳の大きさ、まつげの長さなどを調整することで、さらに表情の幅を広げることができます。例えば、たれ目でも瞳を小さくしてまつげを短くすると、より男性的な印象になります。
たれ目のキャラクターは、その目の形状だけでなく、表情の描き方によっても個性が大きく変わります。ここでは、たれ目キャラクターの魅力を引き立てる表情の描き方について解説します。
1. 基本の表情(通常時)
通常時のたれ目は、おっとりとした印象を与えます。この基本表情では、目を少し大きめに描き、瞳も大きくすることで、優しさや純粋さを表現できます。まつげは自然な長さで、あまり強調しすぎないようにするとバランスが良くなります。
2. 笑顔の表情
たれ目キャラクターが笑顔になる時は、目を少し細めにして、目尻がさらに下がるように描くと効果的です。目が「へ」の字になるようなイメージで、頬が上がることで目の形も変化します。この表情は、たれ目キャラクターの愛らしさを最大限に引き出します。
3. 驚いた表情
驚いた表情では、たれ目を大きく開いて描きます。通常よりも目を丸く、大きく描くことで驚きを表現できます。ただし、たれ目の特徴である目尻が下がっている形状は維持しましょう。瞳孔を小さくすることで、さらに驚きの度合いを強調できます。
4. 悲しい表情
悲しい表情では、上まぶたを少し下げて、目尻をさらに下げることで表現します。瞳の上部が上まぶたに少し隠れるようにすると、悲しみが伝わりやすくなります。また、涙を描き加えることで感情をより明確に表現できます。
5. 怒った表情
たれ目キャラクターが怒る時は、眉毛を下げて目との距離を縮め、上まぶたを少し下げます。たれ目の特徴を活かしつつ、目尻を少し上げることで怒りの表情を表現できます。この「たれ目なのに少しつり上がった」コントラストが、怒った表情の特徴となります。
たれ目キャラクターの表情を描く際のポイントは、基本のたれ目の形状を維持しながら、状況に応じて微調整することです。特に目と眉毛の関係性に注目し、感情に合わせて調整していくことで、豊かな表情を表現できます。
また、たれ目キャラクターは「企みがある」ような表情も特徴的です。眉毛をつり上げるようにして描くと、たれ目との対比が生まれ、計画的でずる賢い印象を与えることができます。
たれ目の形状を描いた後は、塗りとハイライトの入れ方によって目に立体感と生命感を与えることができます。ここでは、たれ目を魅力的に仕上げるための塗り方とハイライトの入れ方のコツを紹介します。
基本的な塗り方のステップ
たれ目に効果的なハイライトの入れ方
たれ目の特徴を活かしたハイライトの入れ方には、いくつかのポイントがあります:
ハイライトの形状も重要です。単純な丸だけでなく、星型や六角形など、キャラクターの個性に合わせた形状を選ぶと魅力が増します。特に少女漫画風のたれ目には、星型や花型のハイライトが効果的です。
たれ目の立体感を出すためのシェーディング
たれ目の立体感を強調するために、以下の部分にシェーディング(影)を入れると効果的です:
これらの塗りとハイライトのテクニックを組み合わせることで、たれ目に深みと魅力を与えることができます。デジタルでの作画の場合は、レイヤーを分けて作業すると修正がしやすくなります。
また、キャラクターの感情表現に合わせてハイライトの大きさや位置を変えることで、より豊かな表情を表現できます。例えば、喜びや興奮の表情では大きめのハイライトを、悲しみや落ち込んだ表情では小さめのハイライトを配置するなどの工夫が効果的です。
たれ目はキャラクターに特定の印象を与える強力な要素です。ここでは、たれ目の特徴を最大限に活かしたキャラクターデザインのヒントを紹介します。
たれ目に合う性格設定
たれ目のキャラクターには、以下のような性格設定が相性良く映えます:
これらの性格設定は、たれ目の持つ柔らかく優しい印象と自然に調和します。
たれ目と他の顔のパーツとの調和
たれ目の特徴を活かすためには、他の顔のパーツとのバランスも重要です:
たれ目キャラクターの髪型選び
たれ目キャラクターには、以下のような髪型が映えます: