
漫画で「怪我してる」ことを表現するには、顔に血を垂らすというのが案外有効かも。あとは、血で汚れてる感じを全体的に。
でもまぁ、怪我っていろんなパターンがあるんですよね。
色んな漫画作品を調べて、傷のあるキャラを探すかぁ…と思ったら、クリスタに傷素材というのがありました。
とりあえずこれでいいかも。
実際の傷がこんなふうになるのかはともかく、「漫画っぽい」傷跡が揃っています。
今斬られたばかりという感じの傷から、手当直後の傷、古傷までいろいろ。
顔に傷のあるキャラとかを作って、個性を出すのも良いかも知れないですね。
関連)キャラクター設定のやり方
漫画で傷跡を描く際は、リアリティと読みやすさのバランスが重要です。
結局、リアルな傷を描いても画力次第では、「何が描いてあるんだコレ?」ってなっちゃうんですよね。
なので、あまり絵に自信がない場合は、最初から漫画的な傷を真似て描くのが良いかも知れません。
いちおう、傷のパターンはこんな感じ。
漫画で見るのは、「切り傷」とかが多いですね。なんといってもわかりやすいから。
逆に「刺し傷」とか「すり傷」なんかは、よくわからないなんだコレ?と思われてしまう可能性もあります。
傷を描かない怪我の表現として、以下が使われることがあります。
大怪我を負って、包帯だらけの綾波レイ(エヴァンゲリオン)の人気が出たこともありました。(怪我ドル、という存在も当時少し流行りました)
#アーマードコア6
綾波レイ→包帯巻きの状態で運ばれる
621→冷凍マグロ状態で運ばれる
綾波レイ→単眼機を駆る
621→単眼機を駆る
綾波レイ→ゲンドウの指示で動く
621→ウォルターの指示で動く
綾波レイ→碇ユイの量産体の1人
621→強化人間の量産体の1人
綾波レイ→大人しい
621→大人しい pic.twitter.com/JKmUBoElWf— 広告と戦う実況者ミスニージュ (@Misnieju) July 27, 2023
血液の描写は、漫画の怪我シーンにおいて重要な要素です。リアルな血液表現のためのテクニックをいくつか紹介します:
斬られて血がブッシャー!と飛び散る。派手な演出シーンですが、アニメなどでは血しぶき演出が抑えられる傾向にあるようです。
実は、1990年代~2000年代初頭は、アニメや漫画のち飛沫表現はかなり厳しかったみたいですね。血の色を赤ではなく、黒や白で表現したり、残酷シーンカットなどの対処が一般的でした。
でも、最近は、当時よりは規制がゆるくなっている気がします。
深夜アニメ枠だと、鬼滅の刃とか、チェンソーマンなど。けっこう血がドバドバ、首が斬られたりとかするんですが、わりと不自然な規制をされてる感じはしません。
海外アニメだと、血が出ることにたいして、だいぶ厳しいみたいですね。
SNSでは、血しぶきが含まれるイラストには「流血注意」などのタグがつけられて、「苦手な人は気を付けて!」という配慮が行われているみたいです。
ちなみに、血しぶき規制は、特に法律に沿ったものではなく、テレビ局の自主規制っぽいですね。
怪我シーンを効果的に演出することで、読者の感情を揺さぶり、物語への没入感を高めることができます。
これらの要素を適切に組み合わせることで、読者に強い印象を与える怪我シーンを演出できます。ただし、過剰な表現は避け、作品全体のトーンとバランスを取ることが大切です。
リアリティのある怪我の描写には、基本的な解剖学の知識が不可欠です。以下に、漫画家が押さえておくべき重要なポイントをまとめます:
これらの知識を活用することで、怪我の種類や程度に応じた適切な描写が可能になります。例えば、切り傷の深さによって露出する組織が異なることや、打撲による内出血の広がり方などを正確に表現できます。
怪我そのもののリアリティよりも、「痛そう」と読者に与える印象を強くするのがポイント。
目を大きく見開く、あるいは半開きにすることで、驚きや苦痛の瞬間を強調できます。 また、まぶたの動きや瞳の大きさを調整することで、涙や苦悶の表現が可能です。
眉を下げたり寄せたりすることで、痛みや苦しみの緊張感を強調します。
口をへの字に引き締めたり、わずかに開けた状態で苦悶を示すことにより、無言の苦しみを表現できます。
痛みによって体が前かがみになったり、背中を丸めたりすることは、キャラクターが実際に痛みを感じている具体的な証拠です。
痛む箇所に手を当てたり、握りこぶしを作ったりすることで、身体的な反応を示すのが効果的です。また、手の震えや指の動きを詳細に描くことで、内面の痛みの強さや不安感を視覚化できます。
コマ割りや動線を使って、痛みによる体の動作の変化を連続的に示すことで、よりドラマチックで迫力ある表現が可能になります。## 4. 血液・包帯・ギプスなどの素材表現のテクニック
怪我のシーンをよりリアルかつ印象的に描くためには、血液や包帯、ギプスなどの描写が非常に重要です。ここでは、各素材に対する具体的なテクニックを紹介します。
包帯は柔らかい曲線を用いて、布の質感や皺を細い線で描きます。また、重なり部分には丁寧な陰影を入れて立体感を出す方法が有効です。
ギプスは直線的で硬い印象を与えるため、端の部分を太い線で強調します。影を使って実際の厚みや硬さを再現し、固定具やストラップなどのディテールも加えるとさらにリアルな表現となります。
リアルな怪我描写には、傷口の立体感を出すための光と影の処理が欠かせません。以下は具体的な手法とそのコツです。
切り傷の内側(傷口の深い部分)には濃い影(コアシャドウ)を施し、傷口の外側・境界に向かって徐々に明るいグラデーションを作ることで、凹凸感と奥行きを表現します。
・傷口内側は黒やダークブラウンなどの濃い色で描く
・外側は光の反射を意識し、柔らかいハイライトを加える
擦り傷の場合、切り傷ほどの深い凹みはなく、中心部分に薄い均一な影を入れ、傷が皮膚から剥がれている様子を示すためにわずかに赤みがかったハイライトを加えます。
さらに、以下を同時におこなうとそれっぽくなります。
ハッチングなどを用いて影のグラデーションを滑らかにし、傷口と周囲の境界を自然に見せることがポイントです。
傷口周辺に反射光やハイライトを加えることで、光の効果をシミュレートし、全体にリアルな立体感を出します。
進撃の巨人第7巻では、リヴァイ兵長がミカサを庇う際に左足を負傷するシーンがあります。ここでは、切れ味のある線画と濃い影、そして強烈な血しぶきが描かれ、キャラクターの痛みに耐える表情が克明に表現されています。
このシーンでは、動的なポーズや効果線が巧みに利用され、リアリズムと劇的効果の両立が実現されています。
呪術廻戦では、宿儺の斬撃や攻撃に起因する怪我描写が、細部に至るまでリアルに描かれています。モブキャラクターの怪我や、主要キャラクターの苦悶を表すために、緻密な陰影と明暗のバランスが重要視され、キャラクターの内面的な緊迫感を引き立てています。
どの作品も、影とハイライトのコントラストや色のグラデーションを駆使して怪我の深さや痛みをリアルに表現しています。キャラクターの痛みに耐える表情や、動的な線画も共通の要素です。
進撃の巨人は戦闘の激しさとリアリズムを強調し、特に血液表現や切り傷のディテールにこだわっています。一方、呪術廻戦では超自然的な要素やダイナミズムが加わり、怪我の描写に独自の演出が見られます。