サカモトデイズとファブルの類似点と相違点を徹底比較

人気漫画「サカモトデイズ」と「ザ・ファブル」の設定や主人公像を比較検証。元殺し屋という共通点を持ちながらも、それぞれの作品が持つ独自性とは?両作品のパクリ疑惑は本当なのでしょうか?

サカモトデイズとファブルの比較

両作品の基本設定
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サカモトデイズ

最強の元殺し屋・坂本太郎が引退後、家族と共に「坂本商店」を営む日常を描いた作品。2020年から週刊少年ジャンプで連載中。

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ザ・ファブル

伝説の殺し屋「ファブル」こと佐藤明が、1年間殺しを禁じられ一般人として生活する姿を描く。2014年~2019年に週刊ヤングマガジンで連載。

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メディア展開

サカモトデイズは2025年にアニメ化。ザ・ファブルは岡田准一主演で実写映画化され、シリーズ化されている。

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サカモトデイズの主人公像と殺し屋設定

サカモトデイズの主人公・坂本太郎は、かつて「最強の殺し屋」として裏社会で名を馳せた人物です。しかし、ある日恋に落ち、殺し屋を引退。結婚して子どもを授かり、「坂本商店」という個人商店を営む平凡な日常を送っています。

 

引退後の坂本は、かつてのスリムな体型から一変し、幸せ太りでふくよかな体型になっています。この変化は、彼が本気を出す場面で一時的に痩せて元の姿に戻るという演出にも繋がっており、作品の見どころの一つとなっています。

 

坂本の特徴として注目すべきは、引退後も圧倒的な戦闘能力を維持している点です。例えば、複数の敵に囲まれても、日用品を武器にして立ち回ったり、飴で銃の軌道を逸らしたりと、殺し屋時代の技術を活かしながらも、現在の生活スタイルに合わせた戦い方をしています。

 

また、坂本は家族を何よりも大切にする人物として描かれており、その家族愛が彼の行動原理となっています。かつての殺し屋としての冷徹さと、現在の温かい家族思いの姿のギャップが読者の心を掴む要素となっています。

 

ファブルの不殺の殺し屋としての特徴

ザ・ファブルの主人公・佐藤明(本名:ファブル)は、「殺しの天才」と呼ばれる伝説的な殺し屋です。彼の特徴は「どんな敵でも6秒以内に倒せる」という圧倒的な戦闘能力にあります。

 

物語の始まりでは、彼の素性がバレることを恐れたボスから「1年間誰も殺さず、一般人として平和に暮らせ」という指令を受け、佐藤明という偽名で一般社会に溶け込むことになります。この「不殺」という制約が物語の大きな軸となっています。

 

佐藤明は社会性に乏しく、一般常識に疎い面がありますが、恩返しを大切にする人情味のある一面も持っています。彼は殺し屋としての能力を持ちながらも、指令によって「殺さない」という矛盾した状況の中で様々な困難に立ち向かい、その過程で人間的な成長を見せていきます。

 

佐藤明の戦闘スタイルは、銃器の扱いに長けており、「ヤクザの事務所にたった1人で乗り込んで、そこにいた10人からの組長、組員を2分で全滅させた」「死体のほとんどが頭に一発、もしくは心臓に一発、ほぼ確実にワンショットでしとめた」というエピソードからも、その精密さと効率性が伺えます。

 

サカモトデイズとファブルのストーリー展開の類似点

サカモトデイズとザ・ファブルには、ストーリー展開において複数の類似点が見られます。まず最も顕著なのは、「元・現役の殺し屋が一般社会で生活する」という基本設定です。両作品とも、殺し屋という裏社会の人間が表社会で生きていく中での葛藤や、過去の因縁に巻き込まれるという展開が描かれています。

 

また、両作品の主人公は「不殺」を基本としています。サカモトデイズの坂本太郎は家族を持ったことで殺しの仕事から足を洗い、ファブルの佐藤明はボスからの命令で1年間は殺しを禁じられています。この「殺さない」という制約がある中で、いかに危機を乗り切るかという創意工夫が物語の面白さに繋がっています。

 

さらに、両作品とも主人公の圧倒的な強さが魅力の一つとなっています。普通の一般社会で、ごく普通に見える主人公が殺し屋に狙われ、圧倒的強さで返り討ちにするという展開は、読者に痛快さを与えます。

 

興味深いのは、両作品とも主人公に襲い掛かる敵が後に味方になるというパターンが見られる点です。サカモトデイズでは元後輩の「シン」が坂本に返り討ちにされた後、坂本家族に看病され心変わりするエピソードがあります。このような「敵から味方へ」という展開も共通しています。

 

サカモトデイズに対するパクリ疑惑の検証

サカモトデイズには、ザ・ファブルをはじめとする他作品からのパクリ疑惑が浮上しています。この疑惑について検証してみましょう。

 

まず、ザ・ファブルとの類似点として挙げられるのは、「元・現役の殺し屋が一般社会で生活する」という基本設定です。確かに両作品はこの点で共通していますが、設定の類似性だけでパクリと断定するのは早計でしょう。

 

また、サカモトデイズは「チェンソーマン」「銀魂」「殺し屋は今日もBBAを殺せない」などの作品とも類似点があると指摘されています。例えば、キャラクターデザインや特定のストーリー展開、世界観などが似ているという意見があります。

 

しかし、これらの類似点はあくまで「どこか少し似ている部分がある」というレベルであり、パクリと断言できるほど決定的なものではありません。漫画というメディアにおいて、全く新しい設定やキャラクターを生み出すことは非常に難しく、どの作品も何かしらの影響を受けているのが実情です。

 

パクリ疑惑に対する結論としては、サカモトデイズは確かに他作品と似ている要素はあるものの、それらを自分なりに消化し、独自の魅力を持った作品に仕上げていると言えるでしょう。特に、坂本太郎の家族愛や、引退後の体型変化など、オリジナリティのある要素も多く含まれています。

 

サカモトデイズの現在の連載状況と作者死亡の誤情報

サカモトデイズは現在も週刊少年ジャンプで連載中であり、2025年3月時点で16巻まで発刊されています。最新話は第161話で、周が神々廻に父親の死について尋ねるシーンなど、物語は着実に進行しています。

 

しかし、インターネット上では「サカモトデイズの作者が死亡した」という誤情報が広まっていました。結論から言うと、サカモトデイズの作者・鈴木祐斗さんは死亡しておらず、作品も打ち切りになっていません。

 

この誤情報が広まった理由としては、以下のような要因が考えられます:

  1. 2024年10月に鈴木祐斗さんがコロナに感染し、週刊少年ジャンプ45号で初めて休載したこと
  2. 漫画「坂本ですが?」の作者・佐野菜見先生が逝去されたことによる混同
  3. 作者がSNSを個人名で運営していないため、生存確認の手段が限られていること
  4. 作中に「打ち切りバスジャック事件」というエピソードがあり、「打ち切り」というワードが作品と結びついたこと

このような誤情報は、インターネット上で簡単に拡散してしまうため、情報の真偽を確認することが重要です。サカモトデイズは現在も順調に連載が続いており、アニメ化もされるなど、人気作品として確立しています。

 

サカモトデイズの独自性と引退殺し屋というジャンルの魅力

サカモトデイズがザ・ファブルなどの先行作品と設定が似ていながらも、独自の魅力を持っている点について考察してみましょう。

 

まず、サカモトデイズの最大の特徴は、主人公・坂本太郎の「幸せ太り」という設定です。引退した殺し屋を描いた作品は多いですが、その多くは岡田准一演じるファブルやキアヌ・リーブス演じるジョン・ウィックのように、引退後もシュッとした体型を維持しています。一方、坂本太郎は見る影もないほどふくよかになり、「あきらめたらそこで試合終了ですよ」と言いそうなビジュアルになっています。

 

この設定により、「本気を出すと痩せて元のスリムなイケメンになる」という視覚的な演出が可能になり、読者に「今、本気出してる!」ということを分かりやすく伝えることができます。この視覚的なギャップは、サカモトデイズならではの魅力と言えるでしょう。

 

また、サカモトデイズは「家族愛」を重要なテーマとしています。坂本太郎は妻子を何よりも大切にし、その家族を守るために再び戦いの世界に身を投じるという動機が明確です。この家族愛という要素が、単なる「強い殺し屋」の物語ではなく、読者の共感を呼ぶ要素となっています。

 

さらに、サカモトデイズの戦闘シーンは非常に緻密で迫力があり、コミックでは作画の素晴らしさが度々話題になっています。特に、日用品を武器にした創意工夫に富んだ戦闘描写は、読者を引き込む大きな魅力となっています。

 

「引退した殺し屋」というジャンル自体の魅力も見逃せません。このジャンルは、「過去の因縁」「隠された能力」「平穏な日常と非日常の対比」など、物語に深みを与える要素を自然に取り入れることができます。サカモトデイズはこのジャンルの特性を活かしつつ、独自の要素を加えることで、多くの読者の心を掴んでいると言えるでしょう。

 

引退した殺し屋というジャンルは、『ジョン・ウィック』シリーズや『キル・ビル』2部作など、映画でも人気のテーマとなっています。これらの作品が示すように、「平和な日常を送りたいのに過去が追いかけてくる」というコンフリクトは、ジャンルを超えて普遍的な魅力を持っているのです。

 

以上のように、サカモトデイズはザ・ファブルなどの先行作品と設定は似ていても、独自の魅力と工夫によって、オリジナリティのある作品に仕上がっていると言えるでしょう。両作品はそれぞれの特徴を持ちながら、「引退した殺し屋」というジャンルの魅力を存分に発揮しています。

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