アウラの"断頭台"という異名の由来?服従させる魔法の真の恐ろしさとは

『葬送のフリーレン』に登場する七崩賢の一人、断頭台のアウラの異名の由来と恐るべき能力「服従させる魔法」について解説。なぜ彼女は被支配者の首を切り落とすのか?その合理的かつ残酷な戦略の裏に隠された真の恐ろしさとは?

アウラとは?七崩賢の恐るべき魔族

『葬送のフリーレン』の強敵「断頭台のアウラ」
👑
魔王軍の幹部

魔王直属の幹部「七崩賢」の一人で、500年以上も生き続けた高位魔族

⚖️
服従させる魔法の使い手

「服従の天秤」を用いて相手の魂を支配する恐るべき魔法を操る

🗡️
不死の軍勢を率いる

首を切り落とした死者たちを操り、強大な軍団を形成している

フリーレン
クリスタで描きました。

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断頭台のアウラの名前の由来

「断頭台のアウラ」という異名は、彼女の残忍かつ合理的な戦術に由来しています。アウラは「服従させる魔法」(アゼリューゼ)によって支配した人間たちの首を例外なく切り落としていました。

 

なぜ首を切り落とすのか?それは「服従させる魔法」の特性に関係しています。この魔法は強い意志を持つ人間であれば一時的に抵抗することが可能だったため、アウラはその弱点を補うために首を切り落とし、被支配者の意識を完全に絶つことで抵抗の可能性を排除していたのです。

 

この「断頭台」という言葉は、死刑執行人が首を切る際に用いられた台を指し、アウラの冷酷な処置方法を象徴しています。

 

服従させる魔法(アゼリューゼ)の仕組み

アウラが使用する「服従させる魔法」は、「服従の天秤」という特殊な天秤を用いて行われます。この魔法の恐ろしさは以下の点にあります:

  • 自身と対象の魂を天秤に乗せ、互いの魔力量を比較する
  • 魔力が大きい方が小さい方を半永久的に操ることができる
  • 一度支配下に置かれると、肉体が滅びるまで傀儡として扱われる
  • 魔力の「重さ」は最大値ではなく現在値が参照されるため、対象の魔力を消耗させてから使うことで確実性を高められる

アウラはこの魔法を使って500年以上もの間、多くの人間を支配下に置き、「不死の軍勢」として運用していました。

 

不死の軍勢の真の恐ろしさ

アウラの「不死の軍勢」は単なる死体の集まりではなく、生前の能力をそのまま保持した強力な戦力です。彼女の軍勢には様々な強者が含まれていました:

  • 百戦無敗を誇った英雄
  • 竜を素手で倒した武道僧
  • 貴族お抱えの殺し屋
  • 北側諸国三大騎士の一人
  • 数多の戦争を勝利に導いた一番槍の王子

この軍勢の恐ろしさは、戦えば戦うほど人間側の戦力が削られ、逆にアウラの戦力が増強されるという悪循環にあります。さらに、指揮官クラスを支配下に置けば敵軍の指揮能力は喪失し、歴戦の勇士を支配すれば敵陣を混乱させることも可能でした。

 

最も恐ろしいのは、仮に不死の軍団を解呪できたとしても、戻ってくるのは首無し死体だけで戦力を取り戻せないという点です。これはアウラの能力が戦場において非常に性質の悪いものであることを示しています。

 

アウラの慎重な性格と戦略

アウラは七崩賢の中でも特に慎重な性格の持ち主でした。彼女は以下のような特徴を持っていました:

  • 相手の魔力量を見極めるのに長けており、魔力制限の揺らぎも見抜く能力を持つ
  • 天秤に乗せてしまえば勝てると思っているため、負ける戦いは極力しない
  • 勇者ヒンメルとの戦いで敗れた後は行方をくらまし、ヒンメルの死後に活動を再開

この慎重さこそが、彼女が500年以上も生き延びてきた理由の一つでしょう。魔族としては珍しく、相手の寿命が尽きるまで数十年以上逃げ続けるという戦略は、長寿の魔族からすれば合理的な選択だったと言えます。

 

フリーレンとの決戦

アウラはヒンメルの死後、活動を再開し、フリーレンと対峙することになります。この戦いでは、アウラの「服従させる魔法」とフリーレンの真の実力が明らかになりました。

 

アウラは自信満々に「服従の天秤」を使用しますが、フリーレンは師匠フランメの教えにより、魔力を過少偽装する修練を重ねていました。その結果、天秤はフリーレン側に傾き、アウラは自分が服従させられる立場となります。

 

フリーレンは「アウラ、自害しろ」と命じ、アウラは自らの意思に反して首に剣を当て、これまでに処刑した人間たちと同じように自らも断頭台の露と消えていきました。

 

皮肉にも、多くの人間の首を切り落としてきたアウラは、最後には自らの首を切り落とすという結末を迎えたのです。

 

アウラが残した名台詞と魔族の本質

アウラとフリーレンの対決で印象的だったのは、アウラが放った「ヒンメルはもういないじゃない」という言葉です。

 

この一言は、魔族と人間(エルフ)の根本的な価値観の違いを象徴しています。アウラ(を含めた魔族)にとって、既に死んだ者は生前がどうであれ完全に無価値であり、思い出を大切にするという行為も全く無駄なことでした。

 

しかし、フリーレンにとってヒンメルとの思い出は最も大切なものであり、この言葉はフリーレンの心を逆撫でする結果となりました。「そうか。よかった。やっぱりお前たち魔族は化け物だ」というフリーレンの反応は、彼女の中で魔族への情けが完全に失われたことを示しています。

 

アウラの「ヒンメルはもういない」という台詞は、彼女自身は至極まっとうなことを言ったつもりでも、人間(エルフ)の心情を理解できない魔族の本質を表す「名台詞」として評価されています。