週刊少年ジャンプで連載され、2025年1月からアニメが放送されている「サカモトデイズ」。この作品を見ていると、同じく週刊少年ジャンプで連載されていた「銀魂」を思い出す人も多いのではないでしょうか。実際に「サカモトデイズは銀魂に似ている」という声がファンの間で広がっています。
今回は、この2つの作品がなぜ似ていると言われるのか、その理由や共通点について詳しく解説していきます。キャラクター設定から作風、さらには声優陣まで、様々な角度から両作品の類似点を探っていきましょう。
「サカモトデイズ」の主人公・坂本太郎と「銀魂」の主人公・坂田銀時。名前の響きだけでも似ていますが、実はキャラクター設定にも共通点があります。
坂本太郎は元殺し屋という過去を持ちながらも、現在は平和な日常を送るコンビニ店主。一方の坂田銀時は元攘夷志士という過去を持ちながら、万事屋を営んでいます。どちらも「過去に戦いのプロだったが、現在は普通の仕事をしている」という設定が共通しています。
また、両キャラクターとも普段はおっとりとした印象を与えながらも、いざという時には圧倒的な強さを見せるというギャップも似ています。坂本太郎は太った体型からは想像できない俊敏な動きと戦闘能力を持ち、坂田銀時も普段の怠惰な姿からは想像できない剣の腕前を持っています。
さらに興味深いのは、両作品の主人公を演じる声優が同じ杉田智和さんであるという点です。杉田さんの演技によって、それぞれのキャラクターの個性が見事に表現されています。
「サカモトデイズ」と「銀魂」の最も大きな共通点は、その作風にあります。両作品とも、ギャグとシリアスのバランスが絶妙で、読者を笑わせたかと思えば、次の瞬間には緊張感のあるバトルシーンへと移行します。
「銀魂」は日常パートでは破天荒なギャグを繰り広げながらも、シリアス編になると急に作風が変わり、重厚なストーリーと迫力あるバトルシーンを展開します。この「ギャグとシリアスの切り替え」は銀魂の大きな特徴の一つでした。
「サカモトデイズ」も同様に、コンビニでの日常を描いたほのぼのとしたシーンから、突如として激しいアクションシーンへと切り替わります。坂本太郎の家族や店の常連客との交流を描いた和やかなシーンと、元殺し屋としての過去が絡む緊迫したシーンの対比が、「銀魂」と似た魅力を生み出しています。
また、両作品ともにパロディやオマージュが多く取り入れられているのも共通点です。「銀魂」は様々な作品や時事ネタをパロディにしていましたが、「サカモトデイズ」も他作品へのリスペクトが随所に見られます。
このようなギャグとシリアスを行き来する作風は、読者を飽きさせない工夫であり、両作品の人気の秘密の一つと言えるでしょう。
「サカモトデイズ」に登場する陸少糖(ルーシャオタン)、通称ルーと「銀魂」の神楽には、多くのファンが類似点を指摘しています。
まず、両キャラクターの喋り方に共通点があります。ルーは語尾に「~ネ」や「~ヨ」をつける独特の話し方をしますが、これは神楽の特徴的な話し方と似ています。また、両者とも肉弾戦を得意とし、小柄な体格ながら驚異的な身体能力と戦闘力を持っているという点も共通しています。
性格面でも、明るく生意気で、時に主人公たちを振り回すという役割を担っている点が似ています。神楽は万事屋の一員として銀時と行動を共にし、ルーも坂本太郎の仲間として行動を共にしています。
ただし、これらの特徴は「中華娘キャラのテンプレ」とも言える要素であり、他の作品にも似たようなキャラクターは存在します。そのため、「ルーの元ネタは神楽である」と断言することはできませんが、両キャラクターの間に多くの共通点があることは確かです。
このように、サブキャラクターのレベルでも両作品には類似点が見られ、それが「サカモトデイズは銀魂に似ている」という印象を強めていると考えられます。
「サカモトデイズ」と「銀魂」の類似点として見逃せないのが、声優キャスティングの共通点です。最も注目すべきは、両作品の主人公を同じ声優・杉田智和さんが演じているという点です。
杉田智和さんは「銀魂」の坂田銀時役で広く知られていますが、「サカモトデイズ」でも主人公の坂本太郎を演じています。両キャラクターの性格や雰囲気は大きく異なりますが、杉田さんの演技力によって、それぞれのキャラクターの個性が見事に表現されています。
坂本太郎は普段は穏やかで家族思いのコンビニ店主ですが、過去の殺し屋としての一面も持ち合わせています。一方の坂田銀時は怠惰でだらしない面もありながら、仲間のためには命を懸ける熱い一面を持っています。杉田さんはこの両キャラクターの多面性を見事に演じ分けています。
このような声優の共通点は、両作品の雰囲気の類似性をさらに強める要素となっています。アニメを視聴する際、杉田さんの声を聞くことで「銀魂」を思い出す視聴者も多いのではないでしょうか。
「サカモトデイズ」と「銀魂」の類似点を語る上で、両作品の作者間の交流も見逃せません。実は「銀魂」の作者・空知英秋氏は「サカモトデイズ」のアニメ化を自ら宣伝するという出来事がありました。
2024年12月に開催されたイベントで、空知英秋氏は「銀魂」のキャラクターたちが「SAKAMOTO DAYS」風に描かれたコラボイラストを公開しました。このイラストでは、「坂本商店」ならぬ「坂田商店」として、銀魂キャラクターがサカモトデイズの世界観で描かれていました。
空知氏は「いよいよ始まる1月からのアニメ、楽しみで思わず描き下ろしちゃいました。勝手なことしてアニメスタッフに怒られちゃうかな。皆さんも、坂田商店の活躍、期待しててくださいね」とコメントし、自身の作品「銀魂」よりも「サカモトデイズ」を宣伝するという驚きの行動を見せました。
この出来事は「サカモトデイズ」側にとっても予想外だったようで、公式Xアカウントでは「まさかの銀魂ステージで、空知英秋先生が坂本商店ならぬ"坂田商店"の絵を発表!描いていただけた、というか勝手に描かれちゃった笑!?初コラボありがとうございました!」と驚きのコメントを投稿しています。
このような作者間の交流やリスペクトの姿勢は、両作品のファンにとっても嬉しい出来事であり、「サカモトデイズ」と「銀魂」の関係性をより深いものにしています。
両作品の類似点が指摘される中で、このような公式レベルでの交流があることは、「サカモトデイズ」が「銀魂」の影響を受けていることを間接的に示しているとも言えるでしょう。ただし、それはパクリではなく、リスペクトや影響関係として捉えるべきものです。
以上のように、「サカモトデイズ」と「銀魂」には多くの共通点がありますが、それぞれが独自の魅力を持った作品であることは間違いありません。両作品のファンは、これらの類似点を楽しみながら、それぞれの作品の個性を味わうことができるでしょう。
「サカモトデイズ」は2025年1月からアニメが放送され、新たなファンを獲得しています。一方の「銀魂」も「3年Z組銀八先生」として新たなアニメ展開が予定されており、両作品の今後の発展が楽しみです。
両作品に共通する「ギャグとシリアスの絶妙なバランス」「個性的なキャラクター」「迫力あるアクションシーン」は、多くの読者・視聴者を魅了する要素となっています。これからも両作品の活躍に注目していきましょう。