吉岡茉祐さんの声優人生の原点となったのが『Wake Up, Girls!』の島田真夢役です。2014年に放送されたこの作品で、吉岡さんはメインキャラクターを演じデビューを飾りました。島田真夢は、アイドルグループ「Wake Up, Girls!」のセンターを務める少女で、初めは心を閉ざしたような静かな性格ながら、物語が進むにつれて仲間たちに心を開いていく成長が描かれています。
吉岡さんは、この役について「初めは心を閉ざしたような不思議なキャラだったのが話が進むにつれメンバー達に心を開いていく、性格が大きく変わる訳ではなく静かな所は同じでもその違いが分かる演技」を心がけたと語っています。この繊細な演技が高く評価され、ファンからは「島田真夢の憑依と吉岡茉祐の天才っぷりの両立は忘れられません」という声も上がっています。
『Wake Up, Girls!』は劇場版とテレビシリーズが制作され、2017年には『Wake Up, Girls! 新章』も放送されました。吉岡さんはこの作品を通じて声優としての基礎を築き、その後の多彩なキャラクター演技につながっていきました。
吉岡茉祐さんの演じたキャラクターは年々多様化しています。デビュー作以降の主な出演作品とキャラクターを時系列でご紹介します。
【2014年】
【2015年】
【2016年】
【2017年】
【2019年】
【2020年】
【2021年】
【2022年】
【2023年】
【2024年】
【2025年予定】
この一覧からも分かるように、吉岡さんは年々演技の幅を広げ、様々なジャンルの作品で活躍しています。特に近年は、アイドル役だけでなく、ファンタジーやアクション作品のキャラクターも多く担当するようになり、声優としての成長が感じられます。
『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク』における吉岡茉祐さん演じる桐谷遥は、ユニット「Leo/need」のメンバーとして登場する重要キャラクターです。桐谷遥は、幼い頃から音楽が好きで、中学時代は親友たちと一緒にバンドを組んでいましたが、ある出来事をきっかけに友人関係が崩れてしまいます。高校生になった現在、再び音楽を通じて絆を取り戻そうとする物語が描かれています。
吉岡さんは桐谷遥の演技において、内に秘めた感情と表に出す感情のギャップを繊細に表現しています。特に、友人との関係修復に悩む複雑な心情を、声のトーンや間の取り方で丁寧に演じ分けており、ファンからは「キャラクターの心情が伝わってくる」と高い評価を受けています。
2022年には『ぷちセカ』というスピンオフアニメでも桐谷遥役を担当し、2025年には『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』の公開も予定されています。この劇場版では、桐谷遥の過去や内面がより深く掘り下げられると期待されており、吉岡さんの演技にも注目が集まっています。
『プロジェクトセカイ』は音楽ゲームということもあり、吉岡さんは桐谷遥として多数の楽曲も歌唱しています。歌唱力の高さも吉岡さんの魅力の一つであり、声優としての演技と歌の両面で作品に貢献しています。
2019年に放送されたアニメ『コップクラフト』で吉岡茉祐さんが演じたティラナ・エクセディリカは、異世界「レト・セマーニ」からやってきた騎士で、主人公の刑事・狭間真と共に事件を解決していく重要な役割を担っています。
ティラナは、剣術の達人でありながら現代社会に不慣れな面もあり、時にコミカルな一面を見せるキャラクターです。吉岡さんは、凛とした騎士としての威厳と、異世界の文化に戸惑う愛らしさを絶妙なバランスで表現しています。特に、真剣な場面と日常の場面での声色の使い分けが見事で、キャラクターの多面性を引き出すことに成功しています。
『コップクラフト』のエンディングテーマ「Connected」と特別編エンディングテーマ「Nonfiction」では、吉岡さんがティラナ役として歌唱も担当しており、演技だけでなく歌声でもキャラクターの魅力を伝えています。
この作品は、ファンタジーとハードボイルドが融合した独特の世界観が特徴で、吉岡さんはそうした複雑な設定の中でもティラナというキャラクターを生き生きと演じ切りました。『Wake Up, Girls!』の島田真夢とはまた違ったタイプのキャラクターを演じることで、吉岡さんの演技の幅の広さが改めて注目されました。
2024年4月、吉岡茉祐さんは声優としての活動に加え、漫画原作者としても新たな一歩を踏み出しました。『ライドル‼~異声界<イセカイ>でアイドルデビューしちゃいました~』という作品の原作を担当し、作画をルタミ氏、脚色をshinoA氏が手掛けています。
この漫画は、アイドルグループMERUMOの憂菜を一途に推してきた内気な大学生・朝比奈春兎と、アイドルでありながら声を出すことを禁じられてきた天野憂菜が、フルダイブ型仮想世界「異声界<イセカイ>」でアイドルオーディションに参加するという青春アイドルファンタジーです。
吉岡さん自身がアイドル役でデビューし、多くのアイドル作品に携わってきた経験が、この漫画の原作にも活かされていると考えられます。特に「推す人、推される人の憧れと苦悩」というテーマは、声優として多くのファンに支えられてきた吉岡さん自身の経験が反映されているのではないでしょうか。
この新たな挑戦は、声優としての活動だけでなく、創作活動にも意欲的に取り組む吉岡さんの多才な一面を示しています。声優としての経験を活かしながら、自らの視点でアイドルや声優の世界を描くことで、これまでとはまた違った形でファンに作品を届けています。
2025年4月現在、オンライン書店で一挙8話まで公開されており、今後の展開にも注目が集まっています。声優としての活動と並行して、原作者としての吉岡茉祐さんの活躍も今後さらに広がっていくことでしょう。
吉岡茉祐さんは声優としての演技力だけでなく、優れた歌唱力も持ち合わせており、多くの作品でキャラクターソングを担当しています。デビュー作『Wake Up, Girls!』から現在に至るまで、数多くの楽曲を歌い上げてきました。
『Wake Up, Girls!』では島田真夢として「ハジマル」「走り出したencore」「ユメ、まっすぐ。」「Non stop diamond hope」などのソロ曲を歌唱。グループとしての楽曲も多数あり、ライブ活動も精力的に行っていました。
『Tokyo 7th シスターズ』では鰐淵エモコとして4Uというユニットに所属し、「ワタシ・愛・forU!!」「Hello...my friend」「TREAT OR TREAT?」「Lucky☆Lucky」「メロディーフラッグ」など多数の楽曲を歌唱。ゲーム内でのユニット活動を通じて、キャラクターの魅力をさらに引き出しています。
『ハンドレッド』では霧島サクラとして「EYES ON ME」「いつかあなたを…」「Hold me Bite me」などのエンディングテーマや関連曲を担当。バトルアクション作品での歌唱も印象的でした。
『あんハピ♪』では江古田蓮として「Baby Blanket, 24」「Sinfonietta」「春夏秋冬ハッピーデイズ♪」「Go!業!スクールライフ☆」などの楽曲を歌い、コメディタッチの作品での明るい歌声を披露しました。
『コップクラフト』ではティラナ・エクセディリカとして「Connected」「Nonfiction」というエンディングテーマを担当。ファンタジー作品ならではの壮大な楽曲を歌い上げています。
『プロジェクトセカイ』では桐谷遥として多数の楽曲を歌唱しており、ゲーム内でのユニット「Leo/need」の活動を通じて、現在も多くのファンに支持されています。
これらの歌唱活動を通じて、吉岡さんは声優としての演技だけでなく、歌手としての才能も発揮しています。特に、キャラクターの感情や物語の展開に合わせた歌い方の変化や、作品の世界観に合った表現力は高く評価されており、彼女の声優活動における重要な魅力の一つとなっています。
多くの作品で主題歌やキャラクターソングを担当してきた経験は、吉岡さんの表現力をさらに豊かにし、キャラクターへの理解をより深めることにもつながっているのではないでしょうか。今後も声優と歌手、そして最近では漫画原作者としても活躍する吉岡茉祐さんの多彩な才能に注目していきたいところです。